ヴェルナッチャ
本来、トスカーナは赤ワインの産地として有名だけど、
白ワインもある。
「ベルナッチャ ディ サンジミニャーノ」
今日は、ヨハンとシモネッタと私の三人で、
ベルナッチャの産地、サンジミニャーノの街に行き、
テイスティングに参加した。
何も考えずに、とりあえず、
目についたベルナッチャを試してみた。
慣れた香り。口に含むと・・・
苦みと酸っぱさしか感じられず、
ワインといった感じがしない。
私は焦った。
そこで、しっかりボディーで知られた
作り手「PANIZZI」のベルナッチャを試した。
やっぱり、苦みと酸っぱさの印象が強く、
肝心な果実が分からない。
こうなったら、樽香が効いたどっしりタイプ、
PANIZZIのリゼルバを試すしかない。
口に含んだけど、
やっぱりいつものテイスティングの調子が出ない。
この会場に入る前、
私達は、サンジミニャーノの街を散策した。
街の中心にある広場には、
イタリアで優勝を獲得し続ける有名なアイスクリーム屋があり、私は、バニラ・チョコレート・ピスタチオの3つの味を楽しんだ。
このアイスクリームが影響しているとしか思えない。
私は、何度も水で口をゆすいだ。
ゆっくりとテイスティングを続けるうちに、
ようやく、舌の感覚が戻ってきて、
本来のベルナッチャを感じられるようになった。
今回、印象的だったのは、
作り手 IL Palagioneが手掛ける
riserva ORI 2012年もの。
今まで体験してきたヴェルナッチャにはない、メンソールやローズマリーの爽やかな香りがグングン漂ってくる。
白身魚のオーブン焼きと相性が良さそうだ。
私とヨハンは、違う作り手のブースに移り、
試飲を続けたが、
シモネッタのグラスには、
まだIL Palagioneのワインが残っていた。
どの作り手も、ワインのボトルは氷の入った水に浸っていて、グラスに注がれた瞬間、ワインは冷たい。
シモネッタのグラスに残るワインの香りは、
時間の経過と共に変化をみせ、
煮詰めたリンゴ、シナモンの香が現れていた。
人間も時間と共に緊張が溶けると表情が変わるように、
ワインも、キンキンの温度が落ち着いてくると、
違った表情を見せ始める。
作り手 Fattoria Abbazia di Monteolivetoのヴェルナッチャは、よく熟れたパイナップル、青リンゴに、仄かなライチが感じられ、純粋で洗練された香に惚れこむんだけど、口中のボリュームが今ひとつ物足りない。
それに比べ、作り手Rampa di FugnanoのALTAは、
香&味ともにバランスが素晴らしかった。
それは、オーケストラがアダージョを奏でるように、
とりわけ、一つの楽器が目立つことなく、
上手く溶けあって、一つにまとまり、
大音量で威圧的ではないけれど、メゾフォルテで、
柔らかく包み込むような、そんな感じだ。
次回のテイスティングは、赤ワイン。
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