理屈よりも、身近で行動!
いつもの散歩道。
猫ちゃんファミリーが暮らす畑には、数人の人がいた。
私は「可愛いですね~」と言って立ち止まり、
猫たちを眺めた。
すると、
「シニョーラ、猫、貰ってくれませんか?」と迫られた。
「すみません。
大分気難しい猫を1匹、室内飼しているんです。
アパートの敷地内には、大家さんの犬がいて、
猫を屋外に放置するのも無理なんです。
人家から離れたこの畑で、猫ちゃんたちは幸せそう。
このままで、問題でもあるんですか?」
すると一人の男性が
「昨日、この敷地で毒が見つかったんです。
だから、森林警備隊に通報したんです」と答えた。
通りがかりに、猫ちゃんを見れるのは楽しいけど、
飼い主にしてみたら、
猫に悪意を持つ人との問題を抱え、
その上、盛りがきて、猫が増え続けると大変だ。
私は家に戻ると、
野良猫シェルターのチンツィアに電話をした。
「あら~、懐かしい声!キヨミね~! 元気?」
「元気よ。御免なさい。
シェルターで確保されている猫の病気を、
私の家に持ち帰るのが怖くて、
ボランティアに行けなくなってしまったわ。
一人暮らしの私にとって、ティティチャンは家族。
万が一の事を考えると、
シェルターに通う勇気がないの」
チンツィアと、最近の私達の状況を伝えあい、
その後、散歩で遭遇した猫の相談をした。
野良猫シェルターは、シエナの市と保健所、
ボランティア要員で成りたっている。
教員のチンツィアは、2年前に旦那を癌で失い、
沢山の猫と一緒に、一人暮らしをしている。
どんな嵐でも、雪が降っても、
必ずシェルターを訪れる。
「母猫を緊急で去勢する必要があるわ。
緊急手術の場合は50ユーロかかる。
子猫の去勢についてはゆっくり取り組みましょう。
費用はかからないわ」
そしてチンツィアは、猫の所有者の電話番号や名前、
正確な場所などを私に問い、直ぐに行動を開始した。
去勢手術、予防注射、
そして、子猫に関しては里親を探す。
最近、動物虐待の情報を目にしながら、
「何か、しなくちゃ…」とオロオロしていた。
そんな矢先に直面した動物問題。
目を反らさず、きちんと向き合えて、嬉しかった。
猫のため、というよりは、自分のため。
イタリアで、森林警備隊が動いてくれること、
そして、シエナ市が、お金の苦しい中、
野良猫シェルターを維持してくれること、
クリスマスに、沢山の人が募金をしてくれて、
猫の餌や薬に困っていないこと・・・・
心ある機関・仲間たちと、
愛のある行動に触れられることは、清々しい!
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