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2014年2月 2日 (日)

理屈よりも、身近で行動!

いつもの散歩道。

猫ちゃんファミリーが暮らす畑には、数人の人がいた。

私は「可愛いですね~」と言って立ち止まり、
猫たちを眺めた。

すると、
「シニョーラ、猫、貰ってくれませんか?」と迫られた。

「すみません。
 大分気難しい猫を1匹、室内飼しているんです。
 アパートの敷地内には、大家さんの犬がいて、
 猫を屋外に放置するのも無理なんです。
 人家から離れたこの畑で、猫ちゃんたちは幸せそう。
 このままで、問題でもあるんですか?」

すると一人の男性が
「昨日、この敷地で毒が見つかったんです。
 だから、森林警備隊に通報したんです」と答えた。

通りがかりに、猫ちゃんを見れるのは楽しいけど、
飼い主にしてみたら、
猫に悪意を持つ人との問題を抱え、
その上、盛りがきて、猫が増え続けると大変だ。

私は家に戻ると、
野良猫シェルターのチンツィアに電話をした。

「あら~、懐かしい声!キヨミね~! 元気?」

「元気よ。御免なさい。
 シェルターで確保されている猫の病気を、
 私の家に持ち帰るのが怖くて、
 ボランティアに行けなくなってしまったわ。
 一人暮らしの私にとって、ティティチャンは家族。
 万が一の事を考えると、
 シェルターに通う勇気がないの」

チンツィアと、最近の私達の状況を伝えあい、
その後、散歩で遭遇した猫の相談をした。

野良猫シェルターは、シエナの市と保健所、
ボランティア要員で成りたっている。

教員のチンツィアは、2年前に旦那を癌で失い、
沢山の猫と一緒に、一人暮らしをしている。

どんな嵐でも、雪が降っても、
必ずシェルターを訪れる。

「母猫を緊急で去勢する必要があるわ。
 緊急手術の場合は50ユーロかかる。
 子猫の去勢についてはゆっくり取り組みましょう。
 費用はかからないわ」

そしてチンツィアは、猫の所有者の電話番号や名前、
正確な場所などを私に問い、直ぐに行動を開始した。

去勢手術、予防注射、
そして、子猫に関しては里親を探す。

最近、動物虐待の情報を目にしながら、
「何か、しなくちゃ…」とオロオロしていた。

そんな矢先に直面した動物問題。

目を反らさず、きちんと向き合えて、嬉しかった。

猫のため、というよりは、自分のため。

イタリアで、森林警備隊が動いてくれること、
そして、シエナ市が、お金の苦しい中、
野良猫シェルターを維持してくれること、
クリスマスに、沢山の人が募金をしてくれて、
猫の餌や薬に困っていないこと・・・・

心ある機関・仲間たちと、
愛のある行動に触れられることは、清々しい!


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