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2013年12月21日 (土)

プレゼーペ

シエナの駅に飾られているプレゼーペを見に行った。

プレゼーペとはキリスト誕生の情景を人形で表現した
模型で、クリスマスが近づくと各地で見られる。

ホームに面して設置されているのかと思ったら、
目立たぬ、小さな個室に設置されていた。

4畳半くらいの狭い部屋に入ると、真っ暗で、キリスト
が誕生した飼葉桶周辺にライトが当てられていた。

少し経つと、旭が昇り鶏が鳴き、部屋が明るくなって、
私は思わず、「ワ~っ!」と歓声を上げた。

沢山の人形が生活を営んでいて、鳥はさえずり、
小川の水は流れ、私はガリバーのようにそこに佇んだ。

暫く見惚れていると、夕陽が沈み夜となり、
また、鶏が鳴き始めた。

「いつから、このプレゼーペがあるんですか?」

個室の管理人のおじさんに聞いてみた。

「15年前からさ。
 4人の鉄道員の趣味が高じて、こうなったのさ!
 鉄道のコントロールの責任者はナポリの出身でね、
 彼を中心に、シエナ人が3人参加して始めたのさ。
 そのうち3人はもう、年金生活者になったけどね」

「オリーブオイルを搾油している人、
 ワインを作っている人
 ・・・これって、エルサレム?」

「いやいや、エルサレムのキリスト誕生と、
 シエナの50年前までの生活を飾っているんだよ」

おじさんは人形が営む働きを一つ一つ紹介してくれて、
その隣では、気の優しそうな奥さんが嬉しそうに頷いている。

オリーブの実を石臼で挽いていたり、
羊毛を刈り取っていたり、
糸車で作業する人がいたり・・・
飲み屋の外では、お爺さんがパイプをくわえ、
足元には猫がじゃれついている。

人形や動物は動いているから、躍動感が感じられる。

部屋に響く讃美歌も心地よい。

プレゼーペに囲まれて、
思わず、童心に戻った楽しいひと時でした!

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