嬉しいプレゼント!
クリスマスの前夜、パオラから電話がかかってきた。
「キヨミ、明日は誰と過ごすの?」
「あ~、クリスマスはティティちゃんと家にいるわ!
一人で居ることに慣れてるから」
「もし良かったら、家に来ない?」
私は動揺して、咄嗟に、
「休日はバスもないから、移動に不便なのよ」
と言い訳を口にした。
イタリアのクリスマスとは、
一昔前の日本の正月と同じで、家族、または、親戚が揃い、家で御馳走を囲んで過ごす。
そこに、私が入り込むのは、正直言って勇気がいる。
内輪の話題についていけないかもしれない。
それなら、いっそのこと、
一人で家にいたほうが、気楽でいい。
パトリッツィオも、そのことを分かってくれるので、
無理に私を誘う事はない。
しかし、パオラの誘いは、
おっとりとした口調で、尚も続いた。
「私、キヨミの家まで迎えにいくから!」
そこまで言われたら、断れない。
クリスマス当日、午前中に1本しかないバスに乗り、
教会のミサに出席した後、駅に向かった。
充てにしていたタクシーが見当たらない・・・
「パオラ、ごめんね
本当は一人で辿りつきたかったんだけど、
タクシーが拾えないの」
「あら、駅にいるのね!
すぐ、アンジェロが迎えに行くわ!」
すぐに、アンジェロが現れた。
「実は、キヨミがいるかと思って、
少し前まで、駅周辺を走行しながら探してたのさ!」
私は、嬉しさを通り過ぎて、感激で胸が一杯になった。
これ以上、気持が高まると、心から溢れて、涙になる。
「最高のクリスマスだわ。
誰かが、私のことを思ってくれる、
その事を知れることが何よりのプレゼントだもの!」
パオラとアンジェロ、パオラのお母様、
そして、従兄弟のフランカとマッシモ。
彼らとは、以前から面識があったけど、
この日はよく喋った。
ニューヨークの大学で美術を教えるフランカ、
そして、博物館の館長マッシモが揃ったので、
文化色を帯びた話題になり、
私は、最近、輸出を手掛けたカゼンティーノの生地の話や、ワインの作り手の話をした。
その後、私たちはバールに移り、
そこでパトリッツィオと合流して、
しばし、お喋りを楽しんだ。
昨日まではクリスマスの過ごし方に無関心だったけど、
神様は、私の欲しいものをよく御存知で、
目には見えない、私自信もはっきりと言葉に表せない抽象的なものでも、しっかりとプレゼントしてくださいました!
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