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2013年12月20日 (金)

郷土料理で時空旅行

ワインやオリーブオイルの発送を終えると、
解放感を求めて近況の食堂に足が向く。

今日は、パトリッツィオの旧友パオラも誘ってみた。

家ではパスタを食べるので、
メニューでは、肉料理のページに目がいく。

「ん~、どうしようかな? 
 羊、ウサギ、豚・・・ペポーゾ・・・」

メニューを口づさんでいると、おっとりしたパオラが

「ペポーゾって、胡椒がたっぷり使われた牛肉の煮込み料理。ブルネレスキの時代に生まれたのよ!」と教えてくれた。

「フィレンツェの有名なクーポラの建築家ブルネレスキ、知ってるでしょ? あのクーポラを作る際、沢山の職人の疲れを癒す目的で、胡椒をたっぷりと使った牛肉の煮物、ペポーゾが生み出されたんですって。何かで読んだことあるわ!」

「え~、ブルネレスキって、1500年前後の人よね? 
 あの当時からあるレシピなの! 
 じゃあ、私、ペポーゾにするわ!」

胡椒と言えば・・・
1555年フィレンツェとシエナの戦争でシエナは敗北し、
貿易の権利をフィレンツェに握られ、
シエナ人は胡椒を入手するのが困難となった。

肉を保存するために、どうしても胡椒は必要。

でも、フィレンツェは法外な金額をふっかけてくる。

そこでシエナ人は野山に入り、
ウイキョウを採集し、胡椒の代わりとして使い始めた。

この時から、シエナの名産、
ウイキョウ入りのサラミが生まれた、
という話を、惣菜屋のジーノから聞いたことがある。

ソムリエのコースでは、
「葡萄の出来が悪い年は、ワインの味を隠すために、ウイキョウ入りのサラミを添えて、ワインを売っていたよ!」と先生が言っていた。

郷土メニューから、
時空を超えたトスカーナ旅行が楽しめる!

当たり前のようで、それが新鮮に感じられた、
美味しいランチでした!
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