月曜は、寄り道曜日
月曜の午前は、
エリーナの家で珈琲を飲む習慣がついてきた。
「いらっしゃい、キヨミ!
今日、生まれて初めて、リンゴのケーキ作りにチャレンジしたの! これからオーブンで焼くわね。
ところで、何度で焼けばいいのかしら?」
私はお菓子を作らないので、
オーブンの温度が分からない。
インターネットで調べることを提案したら、
彼女は慌てて否定した。
「ノーノー、 私流のお菓子を作りたいの。だから、
砂糖も小麦粉もバターの量も、全部、私の勘なのよ。
温度も、勘に頼るわ!」
「ということは、
2度と同じ味を再現できないってこと?」
「そうよ! 私の実家のオーブンは型が古くて、
温度表示なんて無かったわ。
弱火・中火・強火のマークしかないの。
それでも、昔の人はお菓子を作れてたのよ!」
ケーキが焼き上がるまで、私達は、
ピアノを弾いたり 写真を見たりして過ごした。
その間、エリーナは
「私の傑作ケーキの出来栄えを見てくるわね!」と
キッチを何度か往復した。
そして、ケーキが焼き上がった。
「今、気づいたんだけど、
珈琲に沢山、お砂糖を入れなければならないわ。
このケーキ、甘さが足りないの・・・」
「あ~、その方がいい!甘さ控えめの方が、好みよ!」
田舎風の素朴なケーキ。
季節の果物のジャムで、
ヴァリエーションが楽しめそうだ。
「私達、不況に陥ることはないわね!
ケーキ屋さんが開けるもの。
私がケーキをつくって、キヨミがワインを提供するの! どう?」
「あら、いい考え! お店にはピアノは必須ね!
1800年代風のシャンデリアを置くけど、
時々ロウソクを灯すかもしれない。
テーブルや食器は、蚤の市で探さないとね!」
それから私達は、
生きているうちに叶えたいリストを作るとしたら、
どんな項目になるか?について、お喋りをした。
ペンギンを見に南極に行ってみたいし、
オーロラを求め北欧にも行ってみたい。
そして、ボリショイ劇場にも行ってみたいこと等々
大人になればなるほど、
友達との話題すら現実的になる。
週の初めは、銀行に行ったり、ワインの作り手に確認の連絡を入れたりと、実務に走りたくなるけど、こういう寄り道もいいかな?と思える、今日この頃です。
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