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2013年9月22日 (日)

なんとか なっちゃう!

アパートの門を出たと同時に、
バスが澄ました顔して通り過ぎて行った。

「やっちゃった~、どうしよう?
 お客様との待合せまで、あと10分。
 次のバスは1時間後。歩くと30分以上はかかるしな…」

不思議なことに、焦りは湧いてこない。

頭の中で、色々な案が浮かんでは消え・・・
手っ取り早い方法として、
ヒッチハイクをすることにした。

親指を立てて、向ってくる車の運転手を見つめ
「ペルファヴォーレ(お願いします)、止まって!」
と言ってみる。

昼の田舎道を走行するのは、お年寄りが多く、
誰も目を合わせようとしてくれない。

そんな中、1台の白いバンが止まった。

中には、浅黒くて体格のよい外国人風の労働者がいる。

「・・・ノー、グラッツェ(何でもないです)
 ごめんなさい・・」と断り、
ヒッチハイク作戦は無理かな~と諦めかけた頃、
アパートの敷地から作業車が出てきた。

(何やってんの~)とでも言いたそうな表情を浮かべ、
車を止めるアンドレア。

私は助手席によじ登り、
「お願い!アルビアの踏切まで連れていって頂戴!」
と告げ、それから、ボリューム大音量で、
感謝の言葉を連発し続けた。

穏やかなアンドレアは、そんな私の勢いに押されながら、快く運転してくれた。

私のアパートがある場所は、大家さんのお店の敷地でもある。

そこで働くアンドレアとは、いつも
「チャオ!」の挨拶を交わすのみだったけど、
お蔭で話が出来た。

自分が出来ない事は、他の人の協力を仰ぐことになる。

そういうバタバタから、
今日のエンジンが吹いたりする。

日本での帰省中も、飛び乗った山手線の中で、

「すみません、次の駅はどこですか? 
 私、有楽町に行きたいんですけど?」

と尋ねると、青年は、
「これで大丈夫ですよ。有楽町まで、19分です」
と教えてくれた。

そして有楽町に着くまで、
日本vsガーナのサッカーの試合中継について雑談をし、「さよなら~」と、挨拶をして別れた。

道を尋ね、挨拶を交わす度に自分がチャージされていく、そんな感じを何度も覚えた。

シエナでバスを逃した日、携帯をうっかり家に置き忘れ、また、日本での帰省中も、私は携帯を持っていなかった。

時々、こういうモードも悪くないね!
と思える、今日この頃です。

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