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2013年8月 6日 (火)

「あ~、よく来てくれたね~!」

今年も、アメリカからやってきた楽団と、シエナの
音楽家のユニットによるコンサートツアーが始まった。

このツアーのプロデュースを務めるパオロから連絡が入り、早速、コンサート会場に足を運んだ。

私は昨年、彼らに同行して、
写真やビデオを撮り、ユーチューブにアップした。

隅で写真を撮っているだけの脇役だけど、
憧れの音楽の世界で生きる彼らの傍にいると、
観客として敬服の拍手を送りながらも、
称賛を浴びる彼らに誇りを感じて、
気持ちが倍に舞いあがる。

講堂に入ると、
ソプラノのキッシンジャーや、指揮者のプリンチペが、
ギューっと抱きしめたまま体を揺らしながら、
「久しぶり~、元気だった? 来てくれてありがとう!」と、まるで、昔からの親友のように、熱く迎えてくれた。

他のメンバーとも、目が合うと、
ただでさえ大きな目を更に丸く見開き、
力強く握手をしてくれる。

シエナに来てから、私の音楽に対する概念が変わった。

奏者は、訪れてくれた人に対し、
「良く来てくれたね~!」と心を開き、
奏者と観客の間に壁がなく、
ただ、喜びと感動を共有する。

誰一人として、気取っていないし、
誰一人として、演奏に対して批評をくださない。

奏者が間違えようが、
観客がどんな格好で音楽を聴いていようが、
フォームはこの際 関係なく、
ただただ、お互いの心が通い合って、
連帯感が生まれれば、この会の意味が生まれる。

私は、昔に比べると
かなりシンプルになってきたように思えたけど、
彼らのオーラに触れていると、
まだまだ、捨てるものがあるような気がしてきた。

華やかに活躍したり、
肩書きを纏ったり、
能力を高めたら、
周囲の人が近づいてくれるものだと思っていた。

でも、そういう事で人を惹き寄せようと頑張るより、

もっとシンプルな方法、
自分から「あ~、良く来てくれたね~!」と
相手と世界を共有する。

どんな立場の人間になっても、
どんな立場の人に出会っても・・・

そんな事を感じさせてくれたコンサートでした。

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