オリーブの里を散策
オリーブオイルの作り手ファンチュッリ農園を訪れると
弟のルイージがオリーブの成育状況を説明してくれた。
「この前、キヨミが来た時は、花が満開だっただろ?
今年は豊作だ!なんて、喜んでいたけど、その後、
やはり、花が陽に焼けちゃって、ご覧のとおり。
茶色く散って、実までならない部分も多いよ。
格言のとおりだ。
4月の花は、収穫に大きな容器を用意しろ!
5月の花は、味見程度、
6月の花は、拳大くらいの収穫量か? ってね」
「でも、オリーブの木を沢山所有しているから安心ね。
ところで、エンリコは、何してるの?」
「あ~、トラクターで作業してるよ。
ほら、向こうの丘に見えるのがそうさ。行ってみる?」
「行ってみましょう!」
車で向かいの丘に到着。
オリーブ畑には、剪定された枝が路のように敷き詰められ、エンリコは、その道をトラクターで通過しながら、枝を細かく砕いている。
「Ciao エンリコ!悪いわね、作業の邪魔しちゃって」
「いや、いいんだ。
去年までは、剪定後に枝を燃やしていたけど、
今年からはダイオキシンの問題で、
燃やしたらいけないんだと。
燃やすと、訴えられちまう。現場は色々と面倒だよ」
ヘルメットを外し、一緒にオリーブ畑を散策。
「あそこの3本の木の下に、野兎の巣があるんだ。
ぴょんぴょん跳ね回っているけど、
同じ巣にもどってくる。
今日はトラクターを見るなり、
エニシダの方に逃げて行ったよ!
ほら、これがウサギの糞。
丸いのがオスので、細長いのが、メスのさ。
乾き具合からいって、
オスは昨日の、メスのは、今日のだな!」
その後、落ちたツグミの巣に出会ったり、野生のサンジョベーゼの葡萄の樹を見たり、杏をもいで食べたり・・
今まで、オリーブの木の状態を見ていたけど、
こうして散策すると、視界が広がって、
オリーブたちの育った自然環境を肌で感じとれる。
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