マイペースで美味しい生活
昨は、シエナのあちらこちらで催し物があった。
Duomo付近の一角では、青い照明に囲まれた不思議なバンドがあり、興味が湧いたのでしばらくいたけど、よく分からない音楽だった。
少し離れた小さな広場で、
50代の3人の男性が演奏を始めた。
イントロが始まると、それまで、ただ、立っていた人に電源が入り、特に50代風の人たちが驚くほどにエキサイティングに踊りだし、そこだけ、70年代にタイムスリップした。
カンポ広場に行くと、シエナのバスケットのファンが、
勝利を祝っているのか、雄叫びを上げて行進している。
シエナのあちらこちらに、
魂の電源が入っている人と、そうでない人がいる。
この曲と共にある程度の時間を過ごしたから、魂にスイッチが入り、
バスケットの試合を、ある程度の時間をかけて見守ってきたから、
魂が叫びだす。
最後に、行きつけの小さなバールに行くと、
私を見た途端に、
「チャ~オ!」とオジサンが挨拶してくれた。
最初は無愛想だっただけに、〈ただの客〉から〈常連客〉として扱われる、その距離感がとても嬉しく、本当は、コーヒーよりも、この内輪感を味わいに行っているのかもしれない。
『ある程度、長い期間つきあう』ということは、
後にならないと味が分からない。
消費経済では、新しいものを次々と生み出さないと成り立たないし、成功本でも、出来るだけ新しい環境に顔をだし、沢山の人と積極的に知り合うことを推奨しているけど、
私に関しては、
新しいものを次々に取り入れること=内面の豊さ、には繋がらない。
こんなメンタリティーを持っていると、情報量も可能性も、そして世界観も限られてくると思うけど・・・
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