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2013年4月 5日 (金)

モーツァルトと葡萄たち

「最初は、ワインとモーツァルトが好きな父の遊び心で始めたんです」

2,000年からワイン造りを営む小さな農園、IL PRADISO DI FRASSINAの息子、ウリッセ氏の落ち着いた口調の説明に耳を傾ける。

農園のいたる所にスピーカーが配置され、
モーツァルトが流れている。

ワイン関係者の間では、
「イメージ戦略だ!音楽で葡萄が美味しくなるはずはない」と冷かしの声もあがるが、実際に畑に踏み入ると、モーツァルトの音色を聞きながら、静に呼吸をする葡萄たちが佇む神秘的な世界に、こちらも息をひそめ感嘆してしまう。

オーガニックの畑には、
土に窒素を補給するために、豆が植えられていた。

土壌を構成する栄養が偏らないよう、
毎年、植えられる植物も変わっていく。

ブルネロを試飲してみる。

オレンジがかった柔らかなルビー色のメッセージ通り、どこか穏やかで洗練された香りが漂い、熟れた果実とソフトなタンニン、酸味のバランスは、モーツァルトのシンフォニーそのものだ。

このワイナリーには、2つの大学が研究に携わり、
彼らの7年間に及ぶ実績をみると、
スピーカー近くの葡萄は早く熟すことが証明されている。

ドイツや韓国でも、この手の研究は進んでいるらしい。

“音楽を流せばよい”という問題ではなく、
生き物は「愛」を受けると美味しく育つ、ということを実感した。

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