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2013年4月

2013年4月30日 (火)

葡萄畑から、ciao ciao !

「おぃお~ぃ・・・」 

今までノンビリしていたテントウ虫やクモ達が大慌て!

私の家に彼らがいたら迷惑だけど、
畑にいる彼らに対しては、棲家に押入りしているようで
「ゴメンね~」と遠慮の気持ちが湧いてきます。

今日は、葡萄畑で一仕事。   

比較的低い位置の茎に生えた葉っぱを取り除く作業です。

「なぜ、この樹は勢いよく伸びてて、
 隣のは小さいんでしょうね?」

「ん~、人間でも、背が高い人と低い人がいるからね~
 成長に勢いがある樹は、この辺まで葉っぱを切り取っていいよ。でも、背の低い樹は、この辺まで萌芽を残しておいて」

「は~ぃ。あ、それから、
 雑草は引っこ抜かなくていいんですか?」

「あ~、これは放っといていいんだ。枯れていくから」

(なるほど。除草しなくてもいいのね)と思いきや、

「これ見て! 野生種だ。これを見かけたら切り取ってくれ。養分を吸い取るからね」

オーガニックの畑だからかな?

樹の成長が画一的ではなく、色々な種の雑草が共存しています。

一つ一つの樹の状態を観察しながら作業をする必要があるから、機械化は無理無理!

明日も雨が降らなかったら、この作業の続きです。

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2013年4月21日 (日)

ありがとう、パトリッツィオ!

遅めに起きた日曜の朝、
パトリッツィオとスカイプでチャットをした。

「よく眠れたかい? それとも、大きくて意地悪なウイルスに追いかけられた夢でも見たかい?」

「ん~、まだ風邪気味なの。あなたに うつしたくないから、来ないでね。2日で治すから」

予想はしてたけど、
買い物袋を持って彼は突然やってきた。

ドアを開けるなり、「オ~!」と吠えて、
ウイルスを切り倒しながら入ってきた。

袋の中には、野菜ジュース、レタス、ニンジン、ジャガイモ、焼きたてのバゲット等々・・・
そして鉢植のバジリコもある。

この前、「季節的に、まだバジリコを見つけるのは無理ね」と言った独り言を覚えていてくれた。 

「ありがとう!でも、近くにいるとうつしちゃいそうで、落ち着かないわ」と言うと、彼は部屋の対極に座り、膝の上に置いた架空のコンピュータのキーをたたいては、「ニーッ!」と笑顔を静止させ、また、キーをたたいて、今度はビックリした顔で静止した。

ニコちゃんマークを演じているらしい。

嬉しいな。
純粋に自分のことを思いやってくれる人がいて。

風邪気味だけど、
気持ちはイガイがしなくてすむイタリアンライフです!

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2013年4月19日 (金)

「春の味覚セット」 進行の御報告

4月上旬に行われたイタリアワイン最大のイベント、
ヴィニタリーに参加しておりました。

そこで見つけた美味しいワイン達を注文すると、
早くも、第一弾が到着! 

(来週には、全てのワインが届くといいな!)

毎年、3月に「春の味覚セット&ワインリスト」のお知らせをしておりますが、今回はイベントの都合でちょっと遅れております。

『これから残暑にかけて、と~っても美味しい感動のワイン達 』のお知らせ作成中。

お知らせは来週末頃となりそうです。

もう少々、お待ちくださいませ!

いつも御ひいきくださいまして、
ありがとうございます。

Grazie !

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2013年4月18日 (木)

敵国へ散策!

長い冬が過ぎ去ると、出番を待ち望んでいた花が咲き乱れ、人間や動物も陽を求めて屋外に現れます。

「さて、何処でランチする? 
 街?郊外?それともキヨミの家?どこでもいいぞ!」

パトリッツィオがスカイプから訊ねてきました。

「街は観光客がアイスクリームを方手にそぞろ歩きして混んでるわ。こんな日は絶対に郊外!
そうだ、モンテリジョーニ村に行きましょう!
ランチは当然、レストラン〝チェッポ”。
あそこで、リブステーキを食べる!」

「昼から、肉かい?」

「そうよ! 栄養つけたいの!」

車に乗り込み、フィレンツェ方面に走ること20分。
ソラマメ色の絨毯が広がってきました。

どんなにトスカーナの情景が素晴らしくても、
今の気分は「花より団子」

興奮ぎみにドライブを楽しみ、やっとチェッポが見えてきた!しかし、閑散とした駐車場から、定休日ということが分かり気分は急下降。

「ん~、残念。じゃあ、この先のオルソに行くか?」

「そうね・・・」

レストラン「チェッポ」は以前、とても広い店構えで、
ランチと夜の営業でしたが、経営方針を変え、
店の規模を縮小し、ランチのみの営業となりました。

価格は驚くほど安く、ボリュームたっぷりでとても美味しい!

それに比べて、「オルソ」は、
立地条件の良さから益々、繁盛し、
味の質は落ちたものの、価格は上昇し、
今ひとつ、シエナの労働者に人気がない店です。

オルソが見えてくる。
遠目からでも、屋外テーブルで人が賑わっている様子が伺えます。

「お~、人が多すぎる。まるで、ベネツィアだな!」
 とパトリッツィオ。

「本当!これだけ人がいると、嫉妬しちゃうわね!アクアボッラに、この5分の1の客でも来てほしかったわ!」

「そうだ、そうだ!
 嫉妬するから、このまま通りすぎるぞ!」

更に車を5分走らせると、Staggia(スタッジャ)という小さな城壁の街に到着しました。

裏路地にあるレストランに入ると、
ボリュームある美味しい料理と良心的な価格に大満足。

その後、城を観光。

入場料 1人5ユーロで、
私とパトリッツィオの為に、1時間、
城を巡りながらガイドをしてくれました。

「ここで穀物の種を保存していたんだ。涼しいでしょ!
 地下階は水。冬は凍らせて置いて、ゆっくりと使う」

「この窓に板を乗せて、出来の悪かった隊長を落下するまで歩かせた。〝いい仕事をしないとこうなるぞ”という見せしめだったんだ」

「この屋根は、フィレンツェのドーモの屋根の設計を手掛けたブルネッレスキが手掛けたもの。彼の意図としては、木を使うことで節約を図り・・・」

「ほら、ここの小窓を覗いてみて。
 城の入口に焦点があってるでしょ。
 ここから、敵を撃ってたんだ・・・」

「この建物の入口は小さく、敵は大勢で押し寄せることは出来ない。城壁内の兵士は窓を出入り口としていたんだ。窓に板をかけて、城壁の壁へ廊下をつくる・・・
敵がこの階段を登って攻めてきたら、
この隙間から、熱々の粘土を落としてた。
粘土を浴びた兵士は、熱さがひっついて混乱する」

この城、スタッジャはフィレンツェの領であり、
4キロ離れたモンテリジョーニはシエナの領土です。

この城で、昔から、フィレンツェ対シエナの戦争の歴史が繰り返され、1260年にスタッジャは崩壊。

1260年。
この年は、シエナ郡がフィレンツェに勝ったモンタペルティの戦いが行われた年です。

戦場は、まさに、アクアボッラのレストランや私のアパートがある場所。

だからこの日、私たちは
「シエナのモンタペルティから来ました」などとは、絶対に口に出せないものの、案内人の話に興味深々だったのです。

歴史を知る度に私はシエナに根を生やし、
その根が少し伸びては、新たな地層に触れる。
そこでまた新たな事実を知り・・・
そうしていくうちに、シエナの精神が少しずつ体内に流れていく。

このブログを読んで、シエナに訪れてくださる方、
もし宜しければ、このお城、スタッジャにご一緒しましょう。

シエナを肌で感じ、少し根が生えますよ!Img_8351






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2013年4月 5日 (金)

モーツァルトと葡萄たち

「最初は、ワインとモーツァルトが好きな父の遊び心で始めたんです」

2,000年からワイン造りを営む小さな農園、IL PRADISO DI FRASSINAの息子、ウリッセ氏の落ち着いた口調の説明に耳を傾ける。

農園のいたる所にスピーカーが配置され、
モーツァルトが流れている。

ワイン関係者の間では、
「イメージ戦略だ!音楽で葡萄が美味しくなるはずはない」と冷かしの声もあがるが、実際に畑に踏み入ると、モーツァルトの音色を聞きながら、静に呼吸をする葡萄たちが佇む神秘的な世界に、こちらも息をひそめ感嘆してしまう。

オーガニックの畑には、
土に窒素を補給するために、豆が植えられていた。

土壌を構成する栄養が偏らないよう、
毎年、植えられる植物も変わっていく。

ブルネロを試飲してみる。

オレンジがかった柔らかなルビー色のメッセージ通り、どこか穏やかで洗練された香りが漂い、熟れた果実とソフトなタンニン、酸味のバランスは、モーツァルトのシンフォニーそのものだ。

このワイナリーには、2つの大学が研究に携わり、
彼らの7年間に及ぶ実績をみると、
スピーカー近くの葡萄は早く熟すことが証明されている。

ドイツや韓国でも、この手の研究は進んでいるらしい。

“音楽を流せばよい”という問題ではなく、
生き物は「愛」を受けると美味しく育つ、ということを実感した。

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2013年4月 1日 (月)

モルディッキョ

久しぶりに、モルディッキョ(噛みつき君という名の猫)がいるバールに行ってみた。

「オバサン、久しぶり~!」

「あら、まあ、久しぶり!」

「モルディッキョは元気ですか?」

「元気だよ! 部屋で寝てるょ」

そういって、オバサンは、
バールに隣接した家に招いてくれた。

低い屋根の屋内は、寝室、キッチン兼作業場、そして沢山の箪笥が並んだ3つの部屋に分かれている。

バールに場所を移し、私はカウンターに座った。

子供たちが駆け足で入ってきて、
「オバちゃん、ゲームしたいから、両替して!」
と2ユーロコインを渡すと、
オバサンは、小銭を沢山渡した。 

子供たちが、その小銭を数え始めると、
「ちょっと、あんたたち、信用しないのかい!」と、
急に魚の様な表情になって、お腹の底から太い声を発したものだから、その豹変ぶりに笑ってしまった。

頼んだコーヒーがカウンターに置かれ、
砂糖の袋をちぎる その指先をオバちゃんはじ~っと凝視して、また魚顔に豹変して発した。

「全部、使い切るんだよ!捨てるものなんて、何もないんだから!」 

本当は半分残したかったけど、
小さなコーヒーカップに砂糖を全部入れて飲み干した。

カップの底に溜まった砂糖もスプーンですくって舐めた。

いつもだったら冗談で介入してくるパトリッツィオも、
オバちゃんとの距離が測れず少し離れて無関心を装っている。

モルディッキョは年をとって噛みつかなくなったけど、
その代り、オバちゃんは噛みつくようになってきた。

カウンターに肘をついてお客の話を聞いているうちに、
いびきを立てていたオバちゃん・・・

お金を渡すと、小銭のお釣りが返ってこないところは、
以前から変わってない・・・

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