パトリッツィオの助言
お客様とカンポ広場でお茶をした。
「パトリッツィオ、彼らは明日の早朝、
車でナポリに行くのよ」
続いて、運転を担当する男性客が
パトリッツィオに尋ねた。
「キヨミさんは、ナポリの運転は危ないって言うんですけど、どうでしょう?」
すると、パトリッツィオは彼に向かって、親身に語りだした。「ナポリに入る前に、ワイン1本を飲み干せば大丈夫だ。あいつらは、ルールに従うことが苦手なのさ。“ストップ”と表記があると、何故か進みたくなる。普通の常識で考えると難しいから、酔ったくらいが丁度いいのさ」
日本人男性は、半分笑い、半分困った表情で更に問い続けた。「バイクで、ヘルメットをしていない人がいるって、本当ですか?」
「本当さ。逆に、ヘルメットをしている奴には気を付けな。メットで顔を隠しているってことは、ひったくりを企んでいるかもな・・・」
そんなトンチンカンなアドバイスを聞かされ、
お客様は「はぁ・・・」と弱々しい笑いで反応している。
「イタリア人を定義するのは無理さ。
その土地ごとに歴史と文化があって、そこに掟が成り立っている・・・シエナは比較的、ルールを遵守するだろ? だから、退屈なのさ!」
私を訪ねてくれるお客様とは、大抵、ワインを通じて知り合う。幸い、この手の冗談も飲み干してくれて、いい具合にイタリアに浸かってくれてます!
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