クリスマスのプレゼントに欲しいもの
「パトリッツィオ!今日の調子は、どう?」
「お~!絶好調。まるでライオンのようだ!ニ゛ャオー」
「嬉しいわ!このところ、あなたの答えは、いつも
‘調子がいい’だもの!」
彼の答えが、私の今日の心の健康を左右します。
電話の第一声に、「元気?」ではなく、
「今日はどう?」と始まることが習慣となってきました。
10日ほど前のこと。
車の運転をする彼は、やはり、右手で左の胸の辺りに手を当て、また、苦い表情を漏らしました。
「やっぱり、痛むんでしょ。
ねえ、調子、良くないんでしょ?」
これまで何度聞いても、「大丈夫だ」としか答えなかった彼が、こっくりと頷き、白状した。
「肝臓が痛むんだ…」
それからすぐ、彼の家に電話を入れ、
彼に気付かれないように、小声で話をします。
「ねえ、シルビアちゃん。大事な話なの。
パトリッツィオは肝臓の調子が良くなくて、痛みに耐えてるのよ。だから、強制的に病院で検査を受けるように予約を入れて頂戴。頼むわよ…」
「分かった。ありがとう、キヨミ」
実年齢より大人びた19歳のシルビアちゃんに伝言を残してから、やっと検査の日が訪れました。
「明日は、何時からなの?」
「朝の8時だ」
「そう。私も病院に行って、いいかしら?」
「勿論!一緒に、病院でランチをとろう!」
昨年の12月31日。
市の所有する物件で営業をしていたレストラン「アクアボッラ」を、契約切れ、ということで閉めましたが、それで、本当に良かった。
今。肝臓の調子が良くない彼は、絶えず、横になることが必要で、十分な睡眠と野菜中心の食生活、そしてお酒とストレスのない環境が必要なのです。
「あのままレストランを続けていたら、
彼は今ごろ、どうなっていたんだろう?」
考えただけで、恐ろしい・・・
昨日、私の家で、大盛りサラダを食べました。
野菜嫌いだった彼が、
「美味しい!」といって、食べている。
そんな彼を眺めるうちに、涙が溢れてきました。
「あなたと居られることが、こんなに嬉しいなんて、思ってもみなかった。まるで、17歳の初心な女の子のデートみたいね!」
もうすぐ、クリスマス。
私の欲しいもの、
それは、私の大切に思う人たちの健康です・・・・
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