のんびり・・・
通常、私の不在中は、
猫に慣れた大家のアンナおばさんにティティの面倒を見てもらうのですが、彼女もただ今、旅行中。
そこで、
パトリッツィオが私のアパートに通ってくれています。
「ねえ、ティティちゃん、元気?」
「おう、こんなに痩せたよ!」
スカイプを使ってのテレビ電話。
画面の前で、彼は両手をいっぱいに広げて答えます。
「なんなら、砂のトイレを見せようか?
も~、凄いんだぞ!」
そういうと、パトリッツィオはコンピュータを移動させ、
ベッドの下で寝ているティティちゃんを映し出しました。
「あ、ティティちゃんが寝てる!ティティちゃ~ん!」
すると、ティティは、顔をあげ、
左右をキョロキョロ見渡した後、
声の出所である画面をジーッと見つめました。
(また、キヨミが箱の中に入っちゃった・・・・)
と不思議そう。
ティティちゃんに向かい、一方的に話をし終えたら、
今日の出来事をパトリッツィオにご報告。
「私、鉄分が足りないでしょ。
食べ物から栄養を補給するけど、
念のため、鉄分補給の錠剤も買ったわ!」
私の当たり前の会話に、彼はいつも色を添えてくれます。
「そんなの、鍵をしゃぶっていれば、いいんだよ。
昔、親父が、間違って鉄を飲み込んじゃったんだ。
その後、トイレに行ったら、そのまま出てきた。
チャリ~ンと音がして飛び出したもんだから、
(神様からの贈り物だぞ!)って叫んでは、
俺たちを笑わせてくれたよ・・・・」
イタリア人、特に、トスカーナの人間は、
この手の話題が得意なのです。
「こんなこともあったぞ!
ある日、間違って、サクランボの種を飲み込んでしまい、むせ返ったら鼻の奥に詰まったんだ。ほっといたら、鼻の孔から新芽が出てきた!」
どうやら、本当の話らしい・・・
彼の友達がいると、そんな話に触発されて、
「俺も思い出した!昔さ~…」と、
またエピソードが展開されて、笑いが湧くのです。
「ねえ、あなたへのお土産、
ウエストポーチはどうかと思って探したけど、
なかなか、いいデザインが見つからないのよ・・・」
「キヨミ、俺は、持ち歩くものは、ないよ!
秋になれば、ジャケットにポケットがついている。
だから、必要ないんだ」
「そう・・・だったら、何がいいかしら?」
「最高のお土産、それは、
キヨミが早く、シエナに戻ってきてくれること!」
11日(火)の早朝には、成田を発ちます。
シエナに戻ったら、パトリッツィオや友達に、
私の家族や親戚を紹介したくてたまらない!
ビデオをとってあるから、
彼らの会話や昔の思い出を説明して・・・・
私の家、田舎の景色、両親との旅行の道中を紹介して・・
(私って、家族のことを語る人間ではなかったのに?)
そして、次回、日本に帰省したら、
今度は、両親に、シエナの人を映像で紹介したい!
(もっと、もっと・・・)と、
先への準備に頭を働かせ、計算していた。
(きっと、きっと・・・)と、
将来の自分が偉くなっていることを夢見ていた。
目先の成功に向かい、忙しく過ごしてみたけど、
今回は、相手に、暗黙の契約を求めることなく、
ただ、のんびりと過ごしてみました。
そうしたら、人間の営みが心の目に映り、
今日が明日へ、明日が、明後日につながることを
更に、感じさせてくれました。
シエナに戻ったら、自分が主人公になることなく、
皆様がイタリアを感じていただけるような、
そんなブログを綴りたい。
皆様とイタリアとの繋がりが、
日常に、ささやかな幸せをもたらしてくれますこと、
願ってます。
では、また!
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