« 夢のせて、走りましょう! | トップページ | バランスの芽生え »

2012年5月25日 (金)

今日の一歩

数年前、
テレビでアメリカのリアリティーショーを見ました。

一軒家で20人ほどの少年が共同生活を送ります。

彼らには課題が与えられ、そのテーマについて競い、
評価され、結果を出せなかった者は家から去っていく。

日々、少年の数が絞られ、最後に勝ち残ったものが賞金を手にする、という設定です。

集められた少年たちはグループ化され、
グループ単位でテーマに挑みます。

実はこの少年達、過去に犯罪を犯し、
少年院に送られた経験を持つ者ばかり。

与えられたテーマに仲間と挑むことで、
協調性を身につけ、社会復帰へ向かう、
というのがこの番組の趣旨です。

この日の課題は、ボルダリング。

腰にロープを巻き付け、
石が埋め込まれた高い壁を登るというスポーツです。

ある一人の少年は、高所恐怖症。

その少年がいるグループでは、
苦虫を噛み潰したような表情と敗北の空気が漂います。

試合開始。

高所恐怖症の少年は
スタート地点から、額に汗を浮かべている。

彼は、一つ石をつかみ、足の置き場を確保し、また一つ石を握っては、足の置き場を探り、ゆっくり登って行きました。

(下をみないぞ!)という彼の決心は、見ている者全てに伝わり、皆も拳を握り締めて見守っています。

この試合設定の素晴らしいところは、
「君は、どこを目標にする?」と一人一人に問いかけ、
各々が目標を設定できること。

高所恐怖症の少年は、
「できたら、半分までは登りたい・・・」
と目標を掲げました。

彼は、半分に差し掛かったところで、墜落。

マット上で跳ね返り、
涙を流して、子供のように喜ぶ彼。

その勇気を見せつけられた少年達の感動は、
歓声となって力強いシンフォニーを奏でました。

それぞれの人間は、有り方が違う。

社会の平均から判断されて、劣っているだの、
優れているだの裁かれてしまいがちだけど、
効率よく物事を進めようと先を急ぐ社会に評価を求めるのは、何か、冷たさが伴います。

パトリッツィオは今日も、役所に連絡を入れ続けます。

アクアボッラの今後について、市の関係者、お金持ち
企業や団体が役所にプロジェクトの申し出をする中、
人脈、根回し、資産などを持たないパトリッツィオも
彼の企画書を提出し、連絡をとろうと毎日動いている。

千葉の実家では、年金生活を送る母が、
全く経験のない貿易とか、輸入について、
あちらこちらの役所に足を運びながら、あることへの準備に向けて、昨日まではなかった知識をちょっとずつ形にしている。

必ずしも、
思った通りの目標地点にたどり着けるとは限らない。

でも、自分のキャパを超える課題に取り組む姿は美しく、その過程からは、何かが生まれる。

「無理だよ・・・」
と思ったら、そこに、新たな耕地が与えられたと思うと同時に、そこで、汗をかいて取り組もうとしている自分の姿を想像してみようかな?

自分の生き方が美しいと思えると、
なんだか、前に向かいたくなってくる!

|

« 夢のせて、走りましょう! | トップページ | バランスの芽生え »