入院編1 「救急隊」
目を開き、数拍経ってから、考え始めた。
「あれ?どうしてここに寝てるの?」
「なんだか、頭が響く・・・」
「アッ!頭にコブがある・・・私、倒れたんだ・・・でも、何故?」
慎重にベットに向かい、横たわってみたものの
自分自身をコントロールできない、という衝撃と頭痛が気になり、眠れそうもありません。
「救急車を呼ぼう」
スポーツウェアに着替え、ティティちゃんに水とカリカリを山盛りに残し、10分後には外に出た。
「何が起こったの? 生まれは? 同居人は? アレルギーは? 今、妊娠してる? 家族に病気の人がいる?・・・」
白衣を着た女医の質問を受けながら、点滴を受け、そして車は静かに走り出します。
後方席には、オレンジ色のユニフォームを着た3人の救急隊と私。
車の揺れが心地よい。
目を閉じる度に、救急隊員に突かれ「大丈夫?」と確認されるから、
彼らと話をすることにした。
「こんな朝早くから、お仕事、御苦労さまです」
「私たち、ボランティアなのよ」
「エ~、そうなんですか?私、猫のボランティアだったら参加するけど…」
すると、発音からして明らかに移民と分かる、アフリカ人の救急隊が
「僕は、イタリア人のボランティアです!」と言ってはクックッと笑った。
「ちょっとあんた!殴られたい?」とイタリア女性隊員から突っ込みが入る。
病院に到着。
脳のスキャンも済ませ、一安心。
救急患者の運ばれるフロアーには沢山のスタッフが行き交っている。
若いスタッフの笑い声が溢れていて、
まるで、大学の食堂のようです・・・・(続く)
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