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2012年4月27日 (金)

入院編4 「パトリッツィオのお見舞い」

朝の10時。

今日も、パトリッツィオが病室に現れてくれた。

「どう?」

「大分いいわ!
でも、御風呂に入ってないから臭いでしょ、私」

「キヨミが臭いだと!?と~んでもない。
薔薇の香りがするよ」

こういう彼の表現は、優しい香りがする。

「頭がかゆくてたまらないのよ。
髪の毛、ベトベトしちゃってるし・・・・」

すると、彼は部屋の洗面台の前に椅子を置き、
「はい、こっちに座って」と合図をする。

「ほら、床屋みたいに頭を洗面台に向かって倒すんだ」

お湯加減は丁度良い。

大きな手で優しく、
備え付けの石鹸を使って髪を洗ってくれました。

「あ~、すっきり!最高の気分だわ!
どうもありがとう」

「どういたしまして!キヨミ、コーヒーいる?」

「お願いしよっかな!」

彼が売店に向かっている間、持参してくれた袋の中身をみると、可笑しさがこみ上げた。

彼は、天然の女音痴。

お願いした靴下やタオルの他に、ストッキングや水着など・・・意味不明なモノまで入っている。

「はい、お待ちどう!」

「待ってました~、ありがとう。
ところで、ティティちゃんは元気?」

「全然、問題ない。
ソファーにふんぞりかえって、タバコ吸ってるよ。
主人気取りさ!
(あんたも、イップク、どう?)って俺に差し出しては、
プハーってやってるよ」

「そう!」

今までパトリッツィオのことを、
(仕事を避けて、楽ばかりする人ね)と、
憎らしく思ったりしましたが、
出来る範囲のことであれば、喜んで、尽くしてくれる。

病気になって、身近な人たちの愛を再確認する今日この頃です。

Patrizione

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