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2012年3月19日 (月)

トランク一杯!

今日は

大多和聖美です。

「お母~さ~ん」と呼ぶと、
「ハイハイ ハイハイ」と唱えながら、小走りに走ってきては、「なに?」と笑顔で現れる。

「ねえ、これ、付ければいいの?」

化粧を敬遠していた私が、化粧に挑戦しているのを見て、お母さんは大喜びです。

「ちょっと待って・・・
その前にね、化粧水付けるのよ」

「でも、今、顔にクリーム塗っちゃったよ?」

「普通は、化粧水を付けて、その上にクリームを塗るのよ。はい、化粧水」

(クリームの上に化粧水を付けて、意味があるのかしら?)

とりあえず、お母さんの言うことに従います。

「次はね、クリーム」

「だって、最初に他のクリーム、塗ったよ?」

「でもね、この化粧水の次は、このクリームなのよ」

「はい、塗った。そして、この粉をはたけばいいの?」

「違うの、違うの」

お母さんはチャキチャキしたリズムで、
次々と小瓶のキャップを開け、
茶色の液を目の下あたりにチョン・チョンと塗っては延ばし、更に、他のリキッド状のファンデーションを塗り、そしてお粉を軽く、パン・パンとはたきます。

「まあ、いいじゃない!自然な出来上がり!
化粧しているようには見えないでしょ!」

と満足げ。

「だったら、最初から化粧しなくても、いいんじゃないの?顔が、ストッキングみたい!」

今日は、友達の結婚式。

お母さんの昔の洋服とネックレス、カバンを借り、笑い転げながらも気持ちはフォーマルへ整います。

「じゃあ、行ってきま~す!」

「はい、いってらっしゃい!」

お風呂を沸かしてもらって
食事を作ってもらって
朝、起こしてもらって

どんなに遅く家に戻っても、ソファーで転寝しながら、私を待ち、その日の出来事に耳を傾けてくれるお母さん。

「キヨタン?今度、いつ帰ってくるの?
去年も、年に2回、帰ってくるって言ったけど、
年に1回だったじゃない?」

「お父さん、今度こそ、半年後に戻るわよ。
レストランを閉めたから、時間が自由になったの」

そう聞くと、お父さんは、嬉しそう。

イタリア行きの時間が見えるほどに迫ってきました。

火曜の朝が来たら、お迎えの時間と腕を組み、
イタリアはシエナに戻ります。

寂しさを受け入れるようになった、43歳の春。

一人暮らしがあるから、
家族と過ごす時間に浸かる喜びがある。

イタリア人との日常会話で、ニュアンスが理解できないことが多いから、

日本で、酒を飲みながら、昔話をつまみに饒舌になる開放感が嬉しい。

日本を離れるのは寂しいけど、それも私には必要なこと。

人生のキャンパスには、光だけを描くことは出来ません。

今回の日本滞在でも、本当に沢山の方のお世話になりました。

心のトランクは一杯です!

ありがとうございます!

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