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2012年2月14日 (火)

不況って、何ですか?

皆さん、今日は

キヨミさんの愛猫、ティティです。

ヨーロッパは雪景色。

雪が降り始める前の日曜日、
キヨミさんとパトリッツィオ、そしてシルビアちゃんは
モンテッキエーロ村を訪れました。

丘陵をいくつも越え、土ぼこりを立てながら車でカーブを泳ぐこと約1時間。

過疎化しないのが不思議なほどに小さなこの村は、
村人全員参加による芝居が毎年上演されることで有名ですが、今日は、土地の催しではなく、インド人主催によるフェスタがあるとのこと。

(保守的な村人は、よく、外人を受け入れたわね!
牧歌的な糸杉に、ターバン姿のインド人?)

そんなミスマッチを描きながら村に到着。

講演会が行われる公民館に足を踏み入れると、
なるほど、住民が少ない村の公共施設は、
喫茶店、本屋、文房具屋の機能もはたし、
聴衆がパイプ椅子を並べている光景は、
まるで、高等学校の文化祭のようです。

想像を反し、ごく普通の格好をしたインド人が壇上に現れ、講演会が始まりました。

テーマは、「Baratto/バラット(交換)の町」

皆さん、不況・不況といいますが、
不況とは一体、何ですか?

不況と言われ続ける中、私たちの生活は向上してます。

遠く離れた知人との通信、見知らぬ人とのコミュニケーションが簡単に、しかも無料で出来るようになり、
コンピュータも、年々、安く手に入るようになりました。

洋服や食べ物も、安いものが出回り、薬も開発され、
健康でいられるようになりました。

それでも、社会は、「不況・不況」と嘆き続ける。

不況とは、ただ、お金の仕組みが混乱しているだけであって、生活に必要なものは、全て、与えられているのです。しかも、モノは溢れています。

そこで、私達は「Baratto/バラット(交換)の町」作りを始めました。

過疎化された土地で農業を営み、そこで収穫されたものは、お金に変わるのではなく、私達が生活で必要とされるものと交換されるのです・・・・

この日、Baratto(交換)で成り立つ小さな社会があることに驚きました。

この共同体で暮らす人たちは、
ベビーシッターや水道管の修理、英語の家庭教師など、自分の出来ることを提供し、ポイントを獲得します。

獲得したポイント数を利用し、自分の必要なものを手に入れるという仕組み。

ここ一週間、イタリアは雪に覆われました。

ニュースを見ていると、若い女性がこんなコメントを述べています。

「この雪でスーパーマーケットに行けなかったので、近くの農家に行き、卵を手に入れました。こんな近くで、新鮮な卵が、しかも安く手に入るなんて、知らなかった!」

グローバル化された流通に依存していた若者の意外な発見。

今、イタリアでは若い世代の失業率が問題になっています。

若者全てが職を求めているわけでもなく、
ママのもとで、居心地の良さに浸っているバンボッチョーネ(大きな子供)も沢山いるのです。

Baratto(交換)のシステムが成り立ち、消費活動が鈍くなったら、国に税金が入らず、それも困ったことになるでしょう。

しかし、活動してエネルギーを使わないから、気がめいっていく、そんな若者を見かける中、
自分のタレントを提供して、自分に必要なものを得よう、
と周囲とのコミュニケーションに敏感なインド人の意見を聞き、元気に生きるためのヒントをもらった今日この頃です。

Silvina

Montecchialo

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