レストラン「アクアボッラ」を卒業して・・・
今日は
KIYOMIさんの愛猫、ティティです。
大分、ご無沙汰してしまいました。
皆様、お元気ですか?
こちらシエナの生活模様はといいますと、
木漏れ日で日向ぼっこをしているような長閑な時間に包まれながらも、緊張感あるピーンと張った空気にさらされる毎日を送っています。
時間は遡り、12月31日。
2012年へのカウントダウンまで、あと5分。
「パトリッツィオ、乾杯のグラスの用意は出来てる?」
トイレから勢いつけて戻ってきたキヨミさんが叫ぶと、そんな彼女とは対照的に、パトリッツィオは、落ち着いた様子で口を開きました。
「俺に考えがあるんだ。2012年を迎えたら、電気を消さないか?アクアボッラの営業を消すんだ」
新年を「乾杯」のグラス音とともに賑やかに迎えるとばかり思っていた妄想にブレーキがかかります。
「・・・・なるほどね。賛成。じゃ、皆、配置につきましょう。私は厨房を担当するわ」
「じゃ、僕は客席」とダリオ。
「俺は、外看板を担当する」とパトリッツィオ。
2階の奥、ひんやりとした厨房で、パトリッツィオのカウントダウンの声を待つ僅かな時間、不思議なことに、コンロの前で、「ヤッテやる!」と自分の限界まで挑戦した自分が見えきて、涙が流れてきました。
「10・9・8・7・・・・・3・2・1! 今だ!」
「ありがとう」
体内に宿る全ての精神をこめて感謝を述べ、
厨房の電気を消して一階に戻るキヨミさん。
ダリオも一泊遅れて、階段から降りてきます。
「それじゃ、乾杯だ!お~い、ダリオ、こっち来いよ!」
パトリッツィオが呼ぶと、
「僕は、乾杯、いい…」と断りの返事をして、
思いっきり、鼻をかんでいます。
「あいつ、泣いてるな」とパトリッツィオ。
しばらくすると、ダリオも照れるように現れ、三人揃って、スプマンテで乾杯しました。
レストラン「アクアボッラ」は、2011年12月末日をもって、幕を閉じました。
その後はといいますと・・・・
パトリッツィオは、アクアボッラの棚卸しに追われ、
キヨミさんは、今日も、ワインの発送準備です。
ランチ時は、悪友、ピーノやガブリエーレがやってきて、ギターを弾きながら、ワイワイ、賑わっている。
私たちは、一度、レストラン「アクアボッラ」を卒業しましたが、感覚としては、付属中学校から同じ敷地内にある高校へと進むような感じでしょうか?
僅かな春休みを過ごした後、また、気持ち新たに同じメンバーでスタートします!
「エノテカ」「レストラン」というINの世界で過ごしてきた私たち、次の学校では課外授業が多くなりそうです。
さて、唯一、環境が変わったと言えば、ティティ。
アクアボッラからキヨミさんのアパートへと引っ越し、
5つ星ホテルのような暮らしを満喫しています。
おっと、いけない・・・、そろそろ家を出る時間!
これからアクアボッラに立ち寄り、ワインの発送に行ってきますね!
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