バンドエイド
今日は
ティティです。
「あっ!」と気付いてから一拍遅れて、
予想通り、小指の先から赤い液体が現れました。
キヨミさんは、指をくわえながら足早に階段を駆け下ります。
「パトリッツィオ~!バンドエイド~!」
状況を察したパトリッツィオは、
「キヨミ、トイレだ!」と答え、救急箱を開けると手馴れた手つきで作業に取り掛かります。
本当は大した痛みを感じないのに、
切り口を見ていると気持ちが悪くなってくる。
そんな傍らで、パトリッツィオリはキヨミさんの小指を洗い、消毒液を振りかけながら、優しい音色で何かを唱えてます。
「メルダ、メルダ ディ ガッリーナ・・・~」
(雌鳥のウンチさん、ウンチさん、明日の夜明け前には出て行ってください・・・)
真面目に唱え続けるパトリッツィオに、
「何で、雌鳥なの? 痛みは雌鳥のウンチなの?」
と興味津々に質問を投げかけるキヨミさん。
「どうしてかは知らないが、子供にはそう接するんだよ」
小指がうっすら赤く濁るけど、バンドエードを巻いてもらう瞬間、それは、大きなものに守られているような、子供の頃に感じていた安堵感がある。
こんなことからも幸せを感じられる、
今日この頃です。
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