ブルネロの里モンタルチーノより「伝統派農家の収穫」その3
トスカーナはモンタルチーノより、
収穫現場の様子をシリーズにてお伝えします。
(初めての方は、
9月14日の記事に掲載した映像をまずはご覧ください)
東から昇る太陽が葡萄畑に斜めに差し込み、
葡萄をゆっくりと撫でるように回り込むと、
列の反対側の葡萄を照らしてから、西に沈んで行く。
日の光を浴びて成長する葡萄たち。
ゆえに、畑には陰など見当たらないのです。
自然とコラボレーションするということは、
そんな彼らの環境に自らを置くこと。
お喋りだったマッシモやアルフィオはすっかり無口になり、畑にハサミのシャキッ、シャキッという音が響く中、
「あ~、風~」
「お~、雲だ~」という声が漏れたりする。
そして、水の配給があると、
「ん~、やっぱり水が一番旨い!」と絶叫する。
あまりの暑さに感覚が遠くなっても、
大将、エリアの声は逞しく、
「おい、誰だよ!こんな未熟な葡萄、入れ込んだ奴!
頼むぞ、オイ!」
葡萄を厳選することに手抜きは許されません。
昔、シエナの町のワインショップで働いていた頃、
あるお客様から、こんなアプローチを受けました。
「我が研究チームで開発した肥料です。
これがあると、どんな土地でも、野菜がたわわに成るんですよ。是非、イタリアのワイナリーにも勧めてくれませんか?」
話を聞きながら、(何か、違う・・・)と思いました。
自然と人間の魂が宿っているワインで乾杯!
| 固定リンク
コメント