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2011年9月17日 (土)

ブルネロの里モンタルチーノより「伝統派農家の収穫」その2

トスカーナはモンタルチーノより、
収穫現場の様子をシリーズにてお伝えします。

(初めての方は、
 9月14日の記事に掲載した映像をまずはご覧ください)

心待ちにしていた収穫の日。

霧に包まれたモンタルチーノの町はとても幻想的で、
これから始まる自然と人間のコラボレーションの幕開けを感じさせてくれます。

「キヨミ、モンタルチーノの城壁の手前、スポーツ広場の前にバールがある。そこで待っていてくれ。
仲間が迎えに行くから」

「了解!」

朝の7時半。

指定された場所で待っていると、一台の車が近づいてきました。運転席の男性は、既に知り合いかのような視線で合図を送ります。

「おはようございます!キヨミです。宜しく」
と挨拶すると、
「あんたのことは見たことあるよ!」
と後方席の男性から威勢よい答えが返ってくる。

車の中の2人は、ニーロとアリーディオ。共に75歳。

「途中で若僧をピックアップして農園に向うんだ。
皆で朝食とってスタートさ」

彼らがいう若僧とは、
隣地区の副会長を勤めるマッシモ、43歳。

便乗スタッフを乗せ、
車はコーレルチェート農園へと向います。

農園のオーナー、エリアは43歳。息子に畑を譲った父のレーモは76歳。

息子と父の縁で構成された収穫チームだから、
若僧組(43歳前後)と熟年組(76歳前後)の合計10人。
平均年齢は56才という地元のベテラン農夫に囲まれ、(これは貴重な体験できる)と期待が高まります。

農園の台所に皆が集まると、お互い肩を叩き合って挨拶。

テーブルに置かれたごっついサラミとパンを、
各々がナイフで引きちぎりながら食べる光景は、
これから、狩猟にでも出かけるかのよう。

このサラミは農園の母、ルチアが手がけ、
庭で飼われている鶏も兎も、狩りで射止めた猪も彼女の手によって食卓のメニューに変わります。

彼らの日常生活の一端を目の当たりにすると
(絵に描いたような農家を体験することは出来ても、
正真正銘の農家になることは出来ない)と、
イメージと現実のギャップを感じさせられる。

「さて、行くか!」

エリアの号令と共に、
皆、畑に降り、バケツを持って配置につく。

「まったく、今日も暑いぞ!俺、はっきり覚えてるんだ。この暑さが始まったのは、8月13日。既に1ヶ月以上連続してるってことよ。たまらね~な~!」
と隣地区の副会長。

予報では、今日も38度。

炎天下、8時間作業を続ける覚悟は皆できている。

仲間の呼びかけに応じて集まった収穫チームの結束は、自然同様、逞しく、
そんな気合が葡萄に反映されるかのように、
この農園のワインは、芯のある果実味と、純粋な輝きを帯びています。

さて、次回は収穫作業の様子をお伝えしますね。

In vino veritas
真実はワインの中にある

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