パトリッツィオ不在のアクアボッラ
今日は
キヨミさんの愛猫、ティティです。
尿路結石の手術を終えたパトリッツィオ。
いよいよ本日、無事に退院です。
病院に向うパトリッツィオに
「病室にいるあなたを想像すると、何だか切ないわね・・・お見舞いに行くからね」と伝えると、
「と~んでもない、キヨミ!
大したことないから心配するな。
看護婦さんに甘えて、気ままに雑誌読んで、気兼ねなく寝てられるんだ。バカンスだな!」と強がる彼。
手術後、
病室からかけてくる電話の声が明るかったので、
「あら、元気そうね!バカンスはどう?」と尋ねると、
「・・・なにがバカンスだ・・・俺は可哀想なんだぞ・・・・
地を這い回ってる・・・」
「看護婦から痛い仕打ちを受けてるの?」
「うん・・・」
同情を寄せる子供のよう。
パトリッツィオ不在のレストラン「アクアボッラ」
いつも、
「父ちゃん、父ちゃん」とパトリッツィオに付きまとっているダリオは、また、少し成長したようです。
「さっきの件、ゴメンなさい」
先日、深夜にキヨミさんが帰宅すると、
ダリオから携帯に連絡が入りました。
業務上、ちょっと注意をすると、
決まって、彼なりの言い分を主張していたダリオ。
そんな彼から、こうも素直に謝られると
こちらの調子も狂ってしまう。
「えっ? 一体、何のこと?」
「さっきの食器洗い機の件、僕が間違ってた」
「あ~、あの件ね! 何でもないわよ~」
感動が込み上げる。
でも、その気持ちを抑えながら、わざとそっけなく答えてしまうとは、こちらのほうこそ、ひねくれている。
高校を中退後、家、そしてお父さんの経営するレストランという2ヶ所の世界で生きるダリオにとって、
親離れしている今の状況は普通ではありません。
「ねえ、パトリッツィオ。こっちは上手くやってるわ」
そう連絡を入れると、
「あ~、分かったよ。俺がいない方が、何かとスムースに行くって言いたいんだろ!」
といつもの活きの良い返事が戻ってくる。
そんな威勢よい声が響かぬレストラン。
静けさは重圧感となり、いつもの風景が色あせてしまいます。
ダリオとアジア女性、2人でやっていることをお客が察すると、一度、着席したものの、気まずそうに立ち去っていくこともある。
今日は何故だか蚊がよく飛び交っている。 「キヨミ、蚊は差別なく食べにくるようだね!」 ダリオの冗談に、思わず噴出してしまい、
微かな連帯感が芽生える今日この頃。
来週の水曜日には、パトリッツィオ、復帰できるかな?
間もなく、いつもの賑わいが戻ります。
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