騒音
今日は
キヨミさんの愛猫、ティティです。
久々にピーノがレストランに現れました。
「チャオ!元気か?」
パトリッツィオ、ダリオ、キヨミさんと握手を交わすと、
ピーノ節のおしゃべりが溢れ出します。
「昨日は8人で食事をしたんだよ。
そのうち飲兵衛は俺ともう一人の野郎だけ。
一人でワインを約2本飲み干したかな?
気付くとさ、2人の男が酔ってフラフラになってんの。
2人で半リットル空けただけだよ?
結局、俺ともう一人の飲兵衛が彼らを自宅まで送っていったけど、
翌朝、酔ったうちの一人は仕事に出てこないし、
もう一人の方は、奴の店(新聞屋)のシャッターが閉まったまま・・・・
世の中、分からないよな~?」
白ワインを飲み干すごとに、ピーノの日常シーンが濃く漂ってくる。
「ご存知のとおり、俺、生き物を尊重するだろ?
でも、最近それで困っていることがあるんだよ」
ピーノがいては、
テーブルの上でどんなにハエがうるさくでも、
ハエたたきはご法度です。
「俺の寝室の窓の上あたりに、最近、2羽の鳩が居座ってんだ。毎朝、6時になると、
グーッ グーッ グーッ グーッ っていう奴らの声で目覚めちまう。どうしたらいいかな?」
「目覚まし代わりでいいじゃない?
早起きは三文の徳っていうし・・・」とキヨミさん。
「俺は好きな時間に起床したいわけよ!しかも2時間続くんだぞ、グーッ グーッ グーッ グーッ・・・って。」
「目玉風船試してみたら?」とパトリッツィオ。
「目玉風船?」
「よく畑にあるだろ? ギョロ目が書かれた風船。
それ見て、鳥が驚いて逃げるらしい」
「でも、レンガ造りの街中に、目玉風船が浮いてるっていうもの、風情がないわね・・・」
「参ってる。精神病のような鳩のつぶやきで目が覚めたら、今度は、地上からだ。
1階に、ビールバーがあるだろ?
そこへ空き瓶回収のトラックがやってきて、
ガリャガリャガリャガリャーっ音をたてながら空き瓶をトラックに放り込むわけよ。くそっ、どれだけのビールを飲みやがる?って腹が立つ。一昨日は朝の4時に酔っ払いの若造が歌ってるしよ~」
「俺達も昔、そうやって過ごしたよな?」
「だろ?だから文句言えんわけよ。
奴らの気持ちも分かるし!」
その後も、
7時に向いの親父がガレージを容赦なく開ける音、
ソプラノの声で鳴き始める猫が最後には、バリトン声に変わり、「早く餌をよこせ!」と脅し声に変わって行くこと、近くの教会の修復工事等など・・・
ピーノの寝室で響く騒音劇場は続きます。
丁度、先日レストランに訪れたアリアンナのお喋りを思い出しました。
「ナポリの友達が田舎の実家に泊まりに来たのよ。
騒音の中での暮らしに慣れた友達は、
‘静かすぎて、何だか眠れない’と言って、
わざわざラジオをつけてたわ!」
年に一度、日本に帰省しますが、
日本の滞在中に違和感を感じてしまうことがあります。
それは、圧力を受けた静けさ。
イタリアではバスや電車、レストランの中でも携帯で喋る光景が当たり前ですが、日本では、何故、電車やエレベーター内での携帯電話、少し大きめ声が違反的な感覚に受け取られるのでしょうか?
私は、少々の騒音がある生活、好きです。
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