老人ホームと音楽
今日は
キヨミさんの愛猫、ティティです。
「お帰り~ どうだった?」
老人ホームから戻るキヨミさんに様子を伺うパトリッツィオとダリオ。
「楽しかった!
ところで、マーロンブランドが主演した映画で、
サヨナラ~って歌う曲、知ってる?」
ボランティアとして、老人ホームでピアノを弾き始めたキヨミさん。
当初、婦長さんには、ゆったりとしたクラシックを弾いて欲しいと頼まれていました。
初日ショパンの楽譜をもって訪れると、
そこに集まるお年寄りからは、
「サンタルチア弾ける?」
「Non ti scordar di me(勿忘草)、弾いて!」
などなどリクエストが飛び交います。
皆、懐メロを歌いたがっている。
早速、1920年~50年代の流行歌のスコアを購入し、1週間後訪れたところ、
今度はタンゴやワルツのリクエスト。
皆、踊りたがっている!
起床から就寝まで、昨日と同じスケジュールが今日も繰り返され、明日もまた同じことが続いていく。
同じ人たちと、同じ場所で・・・
そんな平坦な空間で暮らすお年寄りの方は賑わいを求め、彼らにとっての音楽とは、タイムトラベルのドリーム切符。
歌い踊って生きたあの時代へのワープ旅行。
昔、フィレンツェで歌を習っていたというお爺さん。
「じゃあ、次は・・・・勿忘草を歌いたいな~」
と申し出ると、
「今、歌ったばかりじゃないですか!」
と他のご婦人にあっさり却下されてしまう。
壁にもたれかかり、タバコを吸う姿が粋なご婦人。
「ヨハン・シュトラウス弾いて頂戴」とリクエストをしては踊り出し、少し時間が経つと、
「ヨハンシュトラウス弾いて頂戴」 とリクエストしてくる。
皆、曲に乗ってあの頃へ遡っている。
ふと、いつも大人しいお婆さんがキヨミさんに近づいてきて小さな声で伝えました。
「マーロンブランドの映画で流れていた、
サヨナラって歌詞の曲、弾ける?」
このお婆さんに、あの頃の時代に戻ってもらいたい!
ところで、どんな曲なんだろう・・・・
どなたか、ご存知ですか?
いつか、サヨナラの曲が見つかりますように!
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント