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2011年6月14日 (火)

イタリア国民の勝利

今日は

キヨミさんの愛猫、ティティです。

6月12日から13日にかけて、
イタリアでは国民投票が行われました。

テレビの前で、パトリッツィオとキヨミさんは開票の中継番組に見入ってます。

「53%だってよ!」 と呆れるパトリッツィオ。

当初、50%以上の有権者が投票に参加すれば、
この国民投票は成立、ということだったのですが、
どういう訳か、53%に引き上げられてしまいました。

投票率が53%以下だと、ベルルスコーニ率いる与党が打ち出す新たな法案が決定してしまう。

その内容とは、

水道事業の民営化

原発建設の推進

大統領・首相は、訴追の対象外とする免責法

ここ数年、反ベルルスコーニ運動は高まりをみせ、
5月末に行われた地方選では、ミラノやナポリの大都市においても、ベルルスコーニ首相が党首を務める与党を中心とした中道右派連合が敗北をしています。

この首相はイタリアの大半のメディアを支配しており、
彼を批判する番組は次々に打ち切られる始末。

軍事政権的な圧力に国民の怒りも限界です。

お調子者のベルルスコーニは、今回の国民選挙に際し、「皆さん、海に行きましょう!(=選挙に行くのは辞めましょう)」 と呼びかけましたが、
そんな彼のユーモアに国民はもはや耳を傾けません。

国民投票は、56.99%をもって可決となりました。

96%の投票が、水道事業の民営化に反対し、

94.53%の投票が原発建設に反対し、

95%の投票が大統領・首相の、訴追免責に反対です。

最近、少女売春疑惑で起訴されているベルルスコーニ。
これで、法の力を利用して法廷から逃れることができなくなります。

海外では、今回の国民投票は原発の是非を問う、と報道されていますが、本当の意味は、国民対ベルルスコーニ政権。

テレビの討論会では、右派に対して、「それでも、尚、ベルルスコーニを軸に置いた政権が続くのでしょうか?」と問われ、ベルルスコーニファミリーはたじたじ。

ベルルスコーニに対立する政治家は数多くいますが、その中でも、シエナ出身のロージー・ビンディ女史は有名です。

白髪で小太りの彼女は強靭なオバちゃん、というタイプ。お世辞にも、美しいとは言えませんが、そんな彼女に対して、ベルルスコーニは、「あなたの美しさは、才能よりも勝っていますね」と指摘。

それに対して、「首相、私はあなたのエスコートガールではありませんよ」と答えるロージー女史。

ベルルスコーニは今後、どうなっていくのでしょうか?

各地の広場は、「我々の勝利!」 と唱える国民で溢れ、
民主主義の本質が生まれようとしている今日この頃です。

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