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2011年6月

2011年6月29日 (水)

ヒマワリ曜日

今日は

キヨミさんの愛猫、ティティです。

ヒマワリが咲き始めたトスカーナ。

それは、野外コンサート開始のドラム音に、
鼓動がドン・ドン・と刺激され一気にテンションが上がる時のように、体内が踊るのです。

何て素敵な夏曜日!

朝起きて、クールジャズを聴きなが冷えたグリーンティーを飲む。

昨日、パトリッツィオと一緒に訪れたダニエラの家の庭が、ちょっとした森のようで素敵だったことに刺激を受け、(私も、いつかはあんな庭のある小さな家で暮らしたいな~。どうしたら実現できるのかしら?)と考えてみる。

一昨日、アクアボッラに家族で訪れてくれたジュゼッペが、日没後にギターでボサノバの弾き語りをしてくれたこと。それにすっかり魅せられ、(ギターでも練習してみようかな?)という気になってみる。

この本も読みたいし、あの本も読みたい。

ピアノであの曲も完成しなくちゃいけないけど、でも、他の曲も弾いてみたくなった・・・・

こんなことも知りたい、あんなことも気になる・・・・

夏休みの宿題をやらなければならないのに、
夢を追いかけた学生時代の夏休み。

結局、あの頃から何も変わっていない。

返事を出さなければならない仕事メールがある。
計画を立て、準備しなければいけない案件がある・・・・

でも、夏の輝きはあまりにも人生を魅力的に映し、
そんな誘惑に負けてしまう今日この頃。

それでも、いっか!

Himawari

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2011年6月25日 (土)

この日から始まった

今日は

キヨミさんの愛猫、ティティです。

1999年6月25日。

それは、日曜日でした。

大きなスーツケースを引きずり、
ようやくシエナの駅に到着。

それまで抱いていた大志と希望はすっかりと尻込みし、お酢のようにツーンとした緊張が体内を駆け巡ったあの頃。

「どうしてシエナを選んだのですか?」とよく聞かれます。

イタリア留学を意識し始めた頃、
赤坂で催された〈留学の為の説明会〉に何気なく顔を出しました。

その会場ではシエナの語学学校の先生が、現地での教室の様子を再現。

教材の内容が『オペラ、椿姫』だったことも大きく影響し、その場で申し込みの手続きを済ませます。

当初のきっかけは衝動的だったとしても、
何故、他の町に移ることなく、12年間シエナに居続けるのでしょうか?

先日、シエナの記者からインタビューの依頼を受け、
その記事は、LA NAZIONEという新聞に掲載されました。

原発の是非を問う国民投票を控えていたので、
日本人であるキヨミさんにインタビューの依頼がきたのでしょう。

インタビューの内容では、シエナのメリットとデメリットにも触れています。

シエナの感想を語っていくうちに、それまで自分でもはっきりと分からなかった「何故、シエナなのか?」という答えが明確になっていく。

「シエナには、シエナ人によるシエナの生活が残っています。自分が生まれ育った町の今の姿を知るのみに留まらず、お父さんや伯父さん、曾おじいさんからの話を受け継ぎ、家系の歴史の断片とも生活を続けている。そういうセネーゼ(シエナ人)と触れ、彼らの価値観や今抱えている問題、生活模様を知れることは、グローバル化が進む今日では貴重な経験です。

(イタリアを知れる)という収穫は、彼らとのコンタクトの上に得られるような気がしてます」

「今、コレが流行ってます!」
といった、明後日には色あせてしまうような一過性の楽しみに依存するのは苦手。

キヨミさんは保守的なのです。

例えば、懐かしい幼少の想い出、商店街。

いつもの肉屋に足を運び、ショーケースに並べられたメンチカツやアジフライ、チクワのから揚げなどを眺めては注文に迷い、3人兄弟で用意した夏休みの昼食。

いつものパン屋に行き、トレー片手に散々悩みながらも、結局、いつものカレーパンとウインナー入りパンを買って足早に家路へと急いた日曜の午後。

お父さんに貰った100円で、どうしたらより沢山の駄菓子が買えるか?イカの燻製、紐についたイチゴの飴、ふがし、雨傘チョコの前で、算数に集中したマッチ箱のように狭い駄菓子屋・・・

そんな思い出からは、懐かしい生活臭が漂います。

流行に刺激を受け、その渦中に身を置くことを楽しいと感じたのは、高等学校時代から社会人にかけての数年間。それ以降は、どこか、(流行)に疲れを感じてしまう。

それは、その背後に、情報を提供する側の競争意識や消費劇場の舞台裏の臭いを感じ取ってしまうからかもしれません。

そんな自分であるがゆえに、
都会にいると、どこか取り残された感覚に陥り、
それが劣等感にすら思えてくる。

しかし、ここシエナの田舎にいると、
生活臭を感じることができるのです。

洒落た人生を楽しめる人もいますが、
他人からの賞賛を通じて、自分の価値を知ろうという、人に見せるための演出であれば、そんな疲れるものは要らない。

力一杯生きているという美しさが欲しい。

そこには、積み上げた達成感がある。

12年間、異国での一人暮らしには、自然と力がこもっていましたが、今日からの一歩、息が抜けた、そんな空気をまといながら生活したいです!

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2011年6月23日 (木)

オリーブ農園にご一緒しませんか?

今日は

キヨミさんの愛猫、ティティです。

蝉の声が響き渡るトスカーナは、今日も33度。

キヨミさんはオリーブオイルの作り手、
ファンチュッリ農園のエンリコを訪れました。

「いや~、毎日暑いね」
ポロシャツの袖をめくり、エンリコはドカタ焼けの後を見せ付けます。

「2週間ほど前からオリーブの花が咲き始めたんだ。
しかし、この暑さだろ?
おまけに風が吹くから乾いてしまって、この始末。
大半の花が枯れちまった」

5月下旬から6月の上旬にかけてオリーブの花が咲き、
その後、花は小さい緑の実となり、秋の収穫に向け、少しずつ成長を続けます。
実が虫の攻撃を受けないことも重要ですが、6月の花の状態で、秋の収穫量を予測することができます。

「昨年はこの木にもオリーブの実がたっぷり付いたけど、今年は見込めないと分かったから剪定することにしたよ。今年の秋は見送りでも、2012年は大量の収穫が見込めるからね」

秋の収穫は時間が勝負。
実がたわわに成る木に、人の配置計画を立てなけれななりません。

1500年から家族代々にわたり受け継がれてきたオリーブ農園の規模は40ヘクタール。

2万本ものオリーブの木は、高台や平地、森の隣など異なる地区に点在し、それぞれの土質や気候の影響を受け、地区ごとの出来にも変化が見られます。

自然環境を受け入れざるを得ないオリーブ栽培。

その年の四季を物語った美味しいオリーブオイルが食べたい!

それには、沢山のオリーブの木からより良い状態の実を選んで収穫できるという、ある程度、広範囲の畑を抱える農家が頼りになれそうです。

さて、レストラン「アクアボッラ」には毎月のように日本からお客様が訪れてくださいます。

当店で昼食を楽しんで頂いた後、ご一緒に、ファンチュッリ農園に遊びに行くというのがパターン化されてきました。

気楽に、楽しい一時を過ごす、という感覚なので、見学・アテンド料金など一切発生いたしません!

もし、オリーブ農園に興味のある方、
どうぞ、ご連絡くださいね。

kiyomisiena@libero.it

ciao ciao!

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2011年6月20日 (月)

立ち上がるイタリア青年

今日は

キヨミさんの愛猫、ティティです。

6月17日の夜、ボローニャのとある広場にて、
イタリア金属労働者連合(Fiom)110周年記念の集会が行われました。

イヴェントの進行を努めるのは、サントーロ氏。

ベルルスコーニ首相に対して批判的意見を述べる司会者、芸能人は次々に番組から降ろされ、国営テレビやベルルスコーニの局から姿を消していますが、
サントーロ氏も、つい最近、国民に惜しまれながら番組降板を余儀なくされた一人です。

そんな彼が企画した今回のイベント「皆、立ち上がれ!」には、1万人もの若者が詰め掛けました。

健全な社会に向けて労働者の権利を訴えるサントーロ氏。

彼の演説の後、突然会場に現れたのは、
ロベルト ベニーニです。

1998年に、映画「ライフ・イズ・ビューティフル」でアカデミー主演男優賞を受賞したベニーニは、今も尚イタリアで絶賛な支持を受けおり、そんな彼のサプライズな登場に、会場の熱気は高まります。

「イタリア、起き上がろう!」
と唱えながら壇上を駆け回るお茶目なベニーニ。

ユーモアたっぷりに政治家を皮肉り、
次第に優しく力強い声で、皆に訴えます。

「自分自身を変えよう!
自分が仕事した分の報酬として、賃金だけじゃなく、
神秘的な恵みも受け取りに行くんだ!
仕事をするということは、神聖なこと。
誰も、その権利を奪うことは出来ない・・・
自分の仕事を愛そう!
それが、世界を知る確かな幸せのあり方。
自分の子供達のためにも、仕事を愛さなければならない。
それが、社会を構築する基盤であり、
自分たちの将来なんだ!」

今の若者は幼稚だ・・・
という批評をよく耳にしますが、
この日、メディアで告知されることのない、目立たぬボローニャの野原に1万人が詰め掛けた実態を通じて、これから社会が変わるような、そんな息吹を感じる今日この頃です。

ベニーニの演説の様子は、こちらをクリックしてください
http://www.youtube.com/watch?v=AddorIfSxUw

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2011年6月16日 (木)

イタリアオペラ

皆様今日は

キヨミさんの愛猫、ティティです。

雨の日は、室内でイタリアを感じませんか?

BBCが制作した番組で、イタリアオペラの特集がありました。

興味のある方は、こちらをクリックしてみてください。

イタリアオペラ全体
http://www.youtube.com/watch?v=23EdrrL7CW8&feature=related


ヴェルディ偏
http://www.youtube.com/watch?v=mBTDDD7AzDU&feature=related


プッチーニ偏
http://www.youtube.com/watch?v=jCreMmaqGa4&feature=related

鑑賞の際には、ワインをお忘れなく!

 SALU TE !(乾杯)

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2011年6月14日 (火)

イタリア国民の勝利

今日は

キヨミさんの愛猫、ティティです。

6月12日から13日にかけて、
イタリアでは国民投票が行われました。

テレビの前で、パトリッツィオとキヨミさんは開票の中継番組に見入ってます。

「53%だってよ!」 と呆れるパトリッツィオ。

当初、50%以上の有権者が投票に参加すれば、
この国民投票は成立、ということだったのですが、
どういう訳か、53%に引き上げられてしまいました。

投票率が53%以下だと、ベルルスコーニ率いる与党が打ち出す新たな法案が決定してしまう。

その内容とは、

水道事業の民営化

原発建設の推進

大統領・首相は、訴追の対象外とする免責法

ここ数年、反ベルルスコーニ運動は高まりをみせ、
5月末に行われた地方選では、ミラノやナポリの大都市においても、ベルルスコーニ首相が党首を務める与党を中心とした中道右派連合が敗北をしています。

この首相はイタリアの大半のメディアを支配しており、
彼を批判する番組は次々に打ち切られる始末。

軍事政権的な圧力に国民の怒りも限界です。

お調子者のベルルスコーニは、今回の国民選挙に際し、「皆さん、海に行きましょう!(=選挙に行くのは辞めましょう)」 と呼びかけましたが、
そんな彼のユーモアに国民はもはや耳を傾けません。

国民投票は、56.99%をもって可決となりました。

96%の投票が、水道事業の民営化に反対し、

94.53%の投票が原発建設に反対し、

95%の投票が大統領・首相の、訴追免責に反対です。

最近、少女売春疑惑で起訴されているベルルスコーニ。
これで、法の力を利用して法廷から逃れることができなくなります。

海外では、今回の国民投票は原発の是非を問う、と報道されていますが、本当の意味は、国民対ベルルスコーニ政権。

テレビの討論会では、右派に対して、「それでも、尚、ベルルスコーニを軸に置いた政権が続くのでしょうか?」と問われ、ベルルスコーニファミリーはたじたじ。

ベルルスコーニに対立する政治家は数多くいますが、その中でも、シエナ出身のロージー・ビンディ女史は有名です。

白髪で小太りの彼女は強靭なオバちゃん、というタイプ。お世辞にも、美しいとは言えませんが、そんな彼女に対して、ベルルスコーニは、「あなたの美しさは、才能よりも勝っていますね」と指摘。

それに対して、「首相、私はあなたのエスコートガールではありませんよ」と答えるロージー女史。

ベルルスコーニは今後、どうなっていくのでしょうか?

各地の広場は、「我々の勝利!」 と唱える国民で溢れ、
民主主義の本質が生まれようとしている今日この頃です。

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2011年6月12日 (日)

シンプル

今日は

キヨミさんの愛猫、ティティです。

「ご飯よ~」

キヨミさんがお皿をもって厨房から現れました。

「今まで、昼も夜もパスタと肉料理の繰り返しだったわね。今日から栄養のバランスを考えることにしたから」

良質のオリーブオイルを絡めただけの手打ちパスタ。
ひよこ豆のスープ、ズッキー二のオムレツ、プレがテーブルに並びます。

オリーブオイルだけのシンプルパスタは、幼児や病院食の定番メニューですが、パルミジャーノチーズを振りかけて頬張ると、とっても美味。

「こんなに美味しいんだ!」

パスタ、オリーブオイル、そしてパルミジャーノチーズ

それぞれの品質が高いので、その特徴を損なうことなく併せるだけで、極上の逸品になるのです。

パトリッツィオが体調不良を訴え、検査に臨むようになってからというもの、彼はシンプルで優しい味の食事を好むようになりました。

肉の代わりに豆を取り入れ、パスタソースは重くなく、
野菜のボリュームを増やす。

そんなヘルシーな素材に艶を与え、美味しさの完成度を高めてくれるのは、良質のオリーブオイル。

先週、飲食店専用の卸問屋で業務用のオリーブオイルを購入しました。

調理用には少々安いものでもいいかな?と思い買ったのですが、これが大失敗!

プラスチックを焦がしたような悪臭が漂い、
料理の味に悪影響を与えてしまいます。

ラベルには、エキストラ・ヴァージン・オリーブオイルと書かれているので、オリーブオイルを知らない方にとっては、(こんなものかな?)と思ってしまうかもしれません。

薔薇に鼻を押し当て、大きく息を吸い込み、デリケートな香りを探るように、食材に対しても、自らが近づき、その持ち味を一杯に感じてみる。

シンプル is Best !

食材鑑賞が楽しく思える今日この頃です。

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2011年6月 9日 (木)

トホホ・・・イタリア国家

今日は

キヨミさんの愛猫ティティです。

「余裕をみて、もう行くわね!」

この日は、シエナの中心地、カンポ広場にある市庁舎にて、「猫の家」主催のコンサートが行われます。

キヨミさんは、コンサートが始まる前に台湾の友達ファンニとお茶をしたく、早めにレストランを発ちました。

15時半には、カンポ広場に到着。

ファンニを待つ間、コンサート会場となる市庁舎の中庭を訪れると、猫の家のスタッフ、ルイージが一人でポツリと佇んでいます。

「チャオ~、ルイージ!」

「オー、キヨミ~!」

ちょっと疲れた様子のルイージ。

弱々しく微笑みながら、
今日の出来事をキヨミさんに漏らしはじめました。

「朝の7時からカプチーノ1杯しか飲んでないんだ。
ランチを家でとりたかったし、コンサートが始まる前には、この汗だくの服を着替えたかったけど・・・
全てが滅茶苦茶」

「ルイージ、そういう時は電話して頂戴。
私もレストランの仕事があるけど、
合間に何か出来るかもしれないし、友達に頼めることもあるかもしれないでしょ?」

「うん。来年はキヨミにも連絡するよ。
朝、仮設舞台の板を借りに行くと、誰にも話が伝わっていないようで、ひと悶着。やっと調達して、運送用のタクシーを呼ぶと、なかなか来ない。ようやく、3時間遅れて来たものの、運転手は手伝ってくれないし・・・・」

「私ね、この後、友達とお茶する約束があるんだけど、どうやら、時間を間違えて早く到着しすぎちゃったみたい。今のうち、出来ることを一緒にやりましょうよ。
何をすればいいの?」

「ありがとう。市庁舎から椅子を運びたいんだ」

ルイージとキヨミさんは、市庁舎の受付へ回ります。

「今日、中庭でコンサートを主催する者です。
椅子を受け取りに来ました」

ルイージが、受付の年配女性に伝えると、
「私、何も聞いてないわよ」とあっさりとした返答。

「そんな~、僕は20日前から、
椅子を100脚借りる話をつけてるんですよ」

「そんなこと私に言われたって、困りますよ。
14時に交代で入ったけど、
そんな伝言、聞いていませんからね」

怪訝な態度を露にした受付のオバちゃんに、
思わずルイージも我慢の紐が緩みます。

「言わせてもらいますけどね、
あんたら役所は最低だよ!」

ルイージの押しに負け、受付のオバちゃんは、椅子のある場所に二人を案内してくれました。

そうこうするうちに、会場にやってきた合唱団員の協力も加わり、舞台のセッティングは急ピッチに進みます。

「ルイージ、ちょっと友達とお茶してくるわね。
コンサートが始まったら戻ってくるから」

ファンニが待つバールに向いお喋りを楽しんだ後、
現場に戻ると、会場は観客で一杯!

今までのルイージの苦労は、見事に報われました。

さて、時は変わって週明けの月曜日。

郵便局を訪れると、長蛇の列に嫌な予感・・・

「また、何かあったんですか?」
列についたキヨミさんが訪ねると、

「なにやら、またコンピュータが止まっちゃてるんだとさ!」

「イタリアの恥だな」

「どうしょもね~、どうしょもね~」

イタリア全土の郵便局は先週の水曜日から調子が悪く、とうとう、週明けの月曜から火曜にかけて、イタリア中のコンピュータがダウン。年金も受け取れず、公共料金の支払いも出来ず、勿論、速達や荷物の発送もできません。

水曜日に郵便局に出直すと、まだコンピュータは復帰しきれていませんが、「キヨミの荷物、処理してあげるから」と、オフィス内に通され、特別に処理してもらえたところがイタリア的。

「ねえ、パトリッツィオ。今度の日曜日には、原発を受け入れるかどうかの国民投票があるけど、郵便局のシステムすら管理できないイタリアが、原発を抱えるの、危なくない?」

「無謀だな。更に言わせてもらえば、ナポリのゴミを処理できないイタリアが、原発の問題を処理出来るわけがない!キヨミ、日本から技術者を輸入してくれ。イタリア国家のレベルは低すぎる!」

皆さん、イタリアは素晴らしい歴史建造物、芸術、料理、ワイン、自然などなど、誇れるものは沢山ありますが、その反面、トホホ・・・・と嘆きたくなることも多々あるんです。

ブログを訪れてくださる方に、時には情けない事情も紹介し、様々な表情のイタリアを知っていただきましょう。臨場感を味わいながら、更にイタリアを身近に感じてください!
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猫の家 ボランティアスタッフ

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猫になって踊る、バレリーナ

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ピアノ伴奏を務めるキヨミさんの友達エリーナ

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2011年6月 8日 (水)

今日は!

今日は

キヨミさんの愛猫ティティです。

最近、ブログに訪れ始めてくださった方のために、

今週撮影したスタッフの写真を公開しますね。

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ティティ 7歳

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ダリオ 24歳

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パトリッツィオ 59歳

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キヨミさん 42歳

皆様、宜しくお願いします!

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2011年6月 4日 (土)

幸せリセット

今日は

キヨミさんの愛猫、ティティです。

「キヨミー、町に行くから、送ってくぞ~」

「ありがとう、ピーノ!助かるわ。
今、楽譜用意するから、ちょっと待ってて~」

今日は、老人ホームでピアノの演奏をする日。

ランチの営業を終え、
キヨミさんはピーノの車に乗り込みました。

「それにしても、安心した~!
パトリッツィオが検査を受けてくれて。
昨日、血尿がヒドイって話を打ち明けられてから、
悪いことばかり想像しちゃった。
病院のベットが空き次第、手術を受けるんですって」

昼過ぎ、病院で検査を終えたパトリッツィオから電話が入ると、キヨミさんに明るさが戻りました。

「キヨミが思うほど、心配することじゃないよ。大丈夫だ。もし、彼の入院中に車が必要だったら、俺に電話するんだよ。電話番号、分かってるよね」

「ありがとう、ピーノ」

「な~に、友達だろ!」

ピーノの優しさが身にしみます。

「キヨミ、タバコが切れてるから、あの店に立ち寄ろう。
俺の友達がやってる店なんだ。
冗談で、‘キヨミは俺の新しい奥さん’と紹介するからね。そして、‘ナっ、言ったとおり、ゲスな親父だろ?’と振るから、‘本当ね、あなた。この人、すっごいゲスね’って答えるんだよ、いいね」

二人で店に入ると、タバコ屋の主人は、
‘やってきたな、この野郎’とでも云いたそうな雰囲気で、デンと構えています。

「やあ、元気?紹介するよ。彼女は俺の新しい奥さん。日本人だ・・・ナッ?言ったとおり、ゲスだろ、この親父」

ピーノが平然と述べますが、キヨミさんは笑ってしまって、台詞を口にできません。

「お前さん、鏡で自分の顔を見すぎ。だから、ゲス、ゲスって、口癖になっちまってる。お嬢さん、こんな男と一緒に歩いていて、恥ずかしくないのかい?お前こそ相当のゲスだ!」とモグラのような親父さんも負けていません。

「ん~、ピーノはゲスかしら・・・?」

「ゲスに見えないとしたら、お嬢さん、その眼鏡、取り替えた方がいいんじゃないか?度があってない」

タバコ屋の親父さんとピーノは、顔を合わせる度に
(ゲス・ゲス)とお互い言い合っているらしい。

ピーノと別れ、老人ホームに到着すると、
既に、会場には音楽好きの高齢者の方がピアノの囲んで腰掛けています。

20年代~50年代のイタリア歌曲を弾き始めると、思い出箱から記憶が溢れでるようで、皆のリクエストに応えるうちに終了時間はとっくに過ぎてしまいました。

気がつくと、カバンの中で携帯がなり続けています。
着信はパトリッツィオ。

「キヨミ、そろそろ終わった?迎えにいくよ」

「ありがとう。もう終わるところ。5分後に老人ホームの正門前ね」

老人ホームを出ると、パトリッツィオの車が既に待っていました。

「あ~、会えて嬉しい!検査に行ってくれたのね!」

「いつものパターンだよ。手術して石を取り除けば大丈夫」

「今朝、お母さんにピシャリと言われたの。
‘あなたがメソメソしてどうするの。彼を安心させるのが役目でしょう。大丈夫。よい方に考えないと。祈っていますよ’って。
その時、ハッと気付いたわ。
私、あなたが居なかったら、今のように自由な精神で生きることができない、どうしよう?って。所詮、自分のことを心配してるのよ。
お母さんのように、自分を押し殺してまで相手を守るという強さが備わってないみたい。
弱い自分を鏡でみたわ」

目先の成功を追うよりも、これまで構築してきた今を守れること、それが幸せ。

一緒に毎日を過ごすパトリッツィオやダリオ、日本から強い力を送ってくれるお母さん、見守ってくれる友達・・・・愛おしい今の貴重なひと時に気付きなさい、と病気を与えられました。

昨日心配していたような悪い結果ではありませんこと、
神様、願いをかなえてくれて、感謝します。
Dario
パトリッツィオの息子、ダリオ(24歳)

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2011年6月 3日 (金)

アクアボッラは5星

今日は

KIYOMIさんの愛猫、ティティです。

「ねえ、パトリッツィオ、奥の部屋にもツバメ夫婦がいるわよ!」 

キヨミさんが興奮してパトリッツィオに伝えると、
彼はほうきを片手にツバメの居る部屋に向いました。

「これ以上、レストランの中に糞されたら困る」

奮闘の末、
バタバタと飛び回るツバメを追い払い、一件落着。

「あのツバメ夫婦、今朝まで最高な気分だったでしょうね!アクアボッラの屋内は、広くて快適、食べ物にも困らなくて5つ星ホテルだもの」とキヨミさん。

「あなた~、お水持ってきて頂戴~
奥さんツバメに頼まれたら、旦那ツバメは、
‘ガス入りですか?ガスなしですか?’
って尋ねてたと思うよ。まったく、何を食べたらあんなに糞が出るんだ?」
室内で寝泊りしたツバメの糞を掃除し終え、もうウンザリといった様子のダリオ。

「それにしても、ステファニー、ツバメに寛大ね~」

郊外に別荘を持つステファニーを先日尋ねた時のこと、庭に飛び交うツバメを眺めながら、彼女がこんなことを言っていたのを思い出します。

「私、ツバメ大好きなの。いつもは街中に住んでいるから気付かなかったんだけど、ある日、この別荘に戻ってみたら、リビングの天井に素を作っていたのよ。そっとしてあげたら、毎年、やってくるようになってね、お客様に部屋を貸すときは、ツバメが居ますからね、って伝えてるの」 

彼女は時々、別荘をアメリカ人に貸しているのですが、トスカーナの田舎に憧れを抱いてやってくるアメリカ人は、動物に囲まれた実生活を目の当たりにして、困惑することも多々あるようです。

「この前のアメリカ人は、
‘朝の鶏の鳴き声がうるさいんです、何とかしてくれませんか?’ってクレームを言ってきたのよ。近くに養鶏場があるんだけど、まさか、‘お宅の鶏に、鳴かないように言ってくれます?’なんて言えないじゃない?困っちゃったわ」

その日は、彼女の話を聞きながら笑っていたパトリッツィオとキヨミさん。

「ステファニーは、つばめが可愛くて放置してたけど、
実際、その屋敷を借りていたお客様さんは、キャーキャー言ってたのね!」

夕暮れ時、アクアボッラの階段脇では、鷲の雛がトコトコと足早に草むらに隠れ、深夜、車でレストランを去ろうとすると、野うさぎが驚いた様子で道を横切りました。

どうやら、アクアボッラは、動物界でも評判が宜しいようです!

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2011年6月 2日 (木)

ヒマワリの生長

今日は

キヨミさんの愛猫ティティです。

青く澄んだ空、カラッとしたそよ風が吹き抜けるトスカーナはスポーツシーズン。

先週は、近くのサーキット場でのイベント客、バイクのツーリング、自転車などなど、グループ客が毎日のように訪れ、仕込みから注文まで調理に追われましたが、
その波も治まり、のんびりムードが戻りました。

気がつくと、アクアボッラの周辺では向日葵がスクスクと生長しています。

「あっちの丘も、こっちの丘も向日葵が育ってるのよ!今まで気がつかなかったわ。
この調子だと7月には開花するかな?
8月に日本のお客様がいらっしゃるから、その時まで咲いてくれるといいんだけどな~。枯れちゃって下向いてたら、残念」とキヨミさん。

「そしたら、(ほら、向日葵がお辞儀してます)って言えるぞ」とパトリッツィオ。

「なるほど!そうよね」

いつものように、たわいの無いお喋りをしていると、業者が使い古しのテーブルクロスの交換にやってきました。

「チャオ、どう、調子は?」とパトリッツィオ。

「最悪。仕事ばかりで疲れちまう」
小太りの若僧は額に汗を浮かべてます。

「お前、生まれた時から疲れちゃってるからな~。生まれた第一声は、‘年金、いつから貰えるの?’ だろ?」

お世辞にも上品とは言えないトスカーナ節。

しかし彼らの日常会話で使われる素の表現はカラッとしていて気持ちが良い。

社会の目を意識すると、品格よく振舞うほうが無難かもしれません。

でも、トスカーナの、しかもアクアボッラの空気を吸っていると、いい意味で野暮ったく成長している今日この頃です。

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アクアボッラの隣で育つヒマワリたち

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アクアボッラの天井に新居を構えるつばめ夫婦

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猫の家にやってきた猫ちゃん 

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