看板
今日は
KIYOMIさんの愛猫、ティティです。
キヨミさんが真剣に読んでいるのは、
隔週で発行されるスーパーマーケットの広告。
その中の、会員特別割引のページに思わず興奮です。
「トイレットペーパーに冷凍ピザ、ミルクでしょ・・・
あっ!、ティティちゃんが好きなメーカーのキャットフードも40%引きだわ!ねえ、パトリッツィオ、まとめ買いしたいから、午後、車だしてくれない?」
「ん~、今日の午後は分からないな?
もしかしたら、ピーノが作業しに来るかもしれないんだ」
「作業?」
冷蔵庫に食器洗い器、水道管やトイレのつまりなど等、
常にどこかしら異常を訴えるアクアボッラの什器備品たち。
通常はパトリッツィオが修理に挑み、解決してしまうのですが、今回、ピーノの力を借りて、何が始まるのでしょう?
「ピーノ、何か修理しに来るの?」
「案内標識を作るんだってさ!」
「ふ~ん」
野原にポツンと存在するレストラン、アクアボッラ。
そんなレストランに集客を呼ぶため、案内標識を作るなんて、ピーノにしては、まともすぎな発想です。
昼の12時を過ぎると、
ピーノは同僚のフェリーチェとアクアボッラにやってきました。
草刈機を抱えて車から降りると、レストランの前の野原に向います。
「ねえ、パトリッツィオ、案内標識を作るのに、草刈機が関係あるの?」
「地面にニコちゃんを作るんだってさ」
「あ~、そういう標識ね!」
「ピーノの奴、アクアボッラの前にニコちゃんがある夢を見たんだと。それを実現しようってわけだ」
「なるほどね~!ピーノらしいわ!」
ランチの営業時間を終え、
作業を続ける彼らを残し、キヨミさんはバスで町へ向いました。
バスの座席からアクアボッラを眺めると、確かに、ニコちゃんが!
この感動を伝えたく、パトリッツィオに電話を入れます。
「ねえ、今、バスでアクアボッラを通過したんだけど、思わず、笑っちゃったわよ!ピーノとフェリーチェにお仕事、ご苦労様・大成功、って伝えてね!」
ニコちゃんのお陰でしょうか?
その日の夜は、アメリカから来た6人のお客様の笑い声が、レストランに響き渡り、実にスマイル&ピース。
必要な情報を提供する表示板より、心に届くニコちゃんの看板。
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