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2011年4月

2011年4月29日 (金)

友達と社会

今日は

KIYOMIさんの愛猫、ティティです。

今日は定休日。

10日前にミャンマーから戻ってきたジージーを囲み、
アリアンナとステファニーとキヨミさんの女4人でお茶を楽しみます。

「キヨミから、(ミャンマーの友達に今度会うのよ)って聞いたとき、私にも会わせて!ってお願いしたの。
会えて嬉しいわ!」

ニッコリとジージーに話かけるステファニー。

「私の友達にミャンマーを旅した人がいてね。
彼は野宿をするつもりだったけど、結局、一泊も外で寝ることは出来なかったんですって。
(家に泊まれ、家に泊まれ)って、ミャンマーの人の寛大な御もてなしを受けて、それはそれは感激してたわ。
それにね、昔、アウンサンスーチーの本を読んで、とても感銘を受けたの。なんて強靭な精神と繊細さを持ち合わせた女性なんだろう、って」

初めて会う長身のステファニーから
自国を褒められて高揚するジージー。

「ミャンマーは、ここトスカーナほど素晴らしい景色を持ちません。しかし、人間性に関しては自慢できます。
どうしてか分かりませんけど、庶民は思いやりに溢れているんです」

その後、ミャンマーの歴史やアウンサンスーチーの話、軍事政権下で生活することの苦労などを熱く語るジージー。

目尻にはうっすら涙が滲んでいます。

「今度、是非、ミャンマーに来てくださいね」

「そうね~、昔はよく旅行をしたけど、この年になると、腰が重くなるのよ。ここ数年はパレスチナばかり」

「パレスチナですか?」

「そう。話せば長くなるんだけどね。ある友人をきっかけに、パレスチナの紛争で被害にあう子供や家族を助ける団体と関わるようになったの。
一つ事に携わると、また一つ、広がっていくでしょ?
そうこうするうちに、すっかり、パレスチナにはまってるのよ!」

貴族の家系のステファニー、酪農家で育ち、銀行で働くアリアンナ、ミャンマーからやってきてシエナの男性と結婚したジージー。

それぞれ境遇は違いますが、皆、身の回りで起こる現実から垣間見た社会について、それぞれ感想を述べ合うことが大好きです。

(パレスチナ問題か・・・・?
今まで考えたことなかったな・・・)

その日の夜、寝る前にパソコンに向かい、
パレスチナというキーワードを入力してみると、
Breaking the Silenceのドキュメンタリーがヒットしました。

http://www.youtube.com/watch?v=b9CygnHOZLU&feature=related

現実社会を見つめ、考え、行動を起こす。
だから、友達に語る時には本人の考え方や感情が加わり、相手の心に訴えるものがある。

自分の世界を広げてくれる貴重な友達。

「日本は唯一、原爆の恐ろしさを知る国なのに、
地震国なのに、どうして原発があるんだ!」

「暫く、Made in Japanというだけで偏見を受けてしまうのはしょうがないよ」

他の国でも同じ現象が起きていることと思いますが、
海外で生活する日本人に対して寄せられる感想は、
決して優しい同情ばかりではありません。

環境汚染、原発被爆などなど、厳しい意見も浴びせられます。

この問題を、これから友達に語っていくことになるでしょう。

原発に反対していた国民の動きや原発を推進した組織の言い分など・・・様々な事実を知る上で、自分はどういう意見を持つのか?どういう行動をとるのか?

周りの価値観に左右されず、世間に媚びることなく、
内面が自分らしくシンプルに整理されていく40代。

生き心地の良さのキーは、
友達かもしれません。

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2011年4月24日 (日)

ズービン・メータ

皆さん、今日は

キヨミさんの愛猫、ティティです。

「オーイ、キヨミ~ ・・・・」

パトリッツィオが何やら叫んでいます。

「なに~?何か言った~?」 

「今晩0時から、RAI放送でズービン・メータのコンサートがあるぞ~!」

「ワ~オ!本当~!」

キヨミさんはズービン・メータが大好き。

4月10日に東京・上野で行われたチャリティーコンサートの模様が先日教育テレビで放映されましたが、
ここイタリアからはNHKを見ることは出来ません。

そこで、放映時間に千葉の自宅にスカイプで連絡を入れ、コンピュータのカメラを通じてテレビを眺めました。

シエナの隣街、フィレンツェでは彼の公演が催されていますが、どの日も満席。

近そうで手が届かない、
そんな彼のコンサートを今晩テレビで観れるなんて!

学生時代、上野文化会館の資料室によく足を運び、
音楽と触れていました。

ある日、レーザーディスクを手に取ると、
そこには、若かれしズービン・メータが巨匠ホロヴィッツと共にラフマニノフの曲に合わせ、幻想的な世界を創造し、その威厳ある佇まいにすっかり惚れてしまいました。

「ねえ、パトリッツィオ、ズービン・メータの若い頃の映像、見たい?」

「お~、キヨミ。もうズービンメータの話はよしてくれよ。こうしょっちゅう聞かされたら、うんざりだ!
70半ばで太っちょで、髪も薄くなってる親父さんのどこがいいんだ!」

他の男性の魅力を聞かされ、面白くないパトリッツィオ。

この日以来、キヨミさんはズービン・メータの話を控えてますが、パトリッツィオのほうから、情報をもちかけてくれます。

さて、イースター休暇に突入した金曜の夜、

21時を過ぎてから突然お客様が入り始め、静かだったホールはあっという間に満席となり、丁度0時ごろに静けさが戻りました。

「お~、大変、大変、ズービン・メータのコンサートが始まるぞ!」 

慌ててテレビをつけるパトリッツィオ。

チャンネルを合わせますが、
画面に映るのは砂嵐と雑音のみ。

「畜生ッ!キヨミ、家に帰るしかないよ。アンテナを調節しながら苦労してコンサート鑑賞するの、可哀想だ。
送るから、早く身支度して!」

・・・・

「何、のらない顔して?」

「ズービン・メータが見れるの嬉しいけど、一人、部屋でポツンとテレビ観るの、ちょっと寂しいのよ」

「お~、そうだよな。すまん、気付かなくて」

パトリッツィオがテレビのアンテナをあちこちに動かすたびに、画面の砂嵐はは勢力を増したり、弱まったり。

「もう止めた。上に行こう。上だったら電波が届く」 

そう言うや否や、コンセントをはずし
テレビを抱え階段をあがると、テレビを急いでセッティングしてくれました。

2階では、嘘のように画面が綺麗。

3人で集中して働いた夜のレストラン。

皆、疲れているのに、
パトリッツィオもダリオも、キヨミさんの楽しみを優先してくれます。

「ありがとう」

ズービン・メータの指揮、コンサート会場の教会のフレスコ画などを食い入るように見つめながら聴くミサ曲。

奥の部屋からは、ダリオがお皿を洗う音が、
そして下ではパトリッツィオがグラスを洗う音が心に響きます。

日本人として、一致団結して働くことが美徳であると信じてきました。

それに比べて個人主義のイタリア人。

働くことより、(楽しむこと)を優先する彼らの考えは、
ただのエゴイスティックな快楽主義に基いているわけではないのだ、と気付かされたイースターの夜。

国ごとに国民性の違いはありますが、
愛情が感じられるコミュニティーは
それぞれ、美しいです。

おまけ(若い頃のズービン・メータ)
http://www.youtube.com/watch?v=8gMRv5dSTi0&feature=related

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2011年4月20日 (水)

東京駅スレート 経過報告

皆さん、今日は

シエナの大多和聖美(おおたわ きよみ)です。

4月13日のブログにて、
東京駅のスレートについて触れました。

その後、明るい報告が入ってまいりましたので、
早速、皆様に御伝えいたします。

こちらの情報をくださった
つくば市在住・W様からのメールを抜粋させていただきます。

東京駅のスレートについての続報です。
賛同いただいた皆様、ありがとうございました。

「赤レンガの東京駅を愛する市民の会」の方によりJR東日本へ要望書が提出され、「来週、現地を視察し、現況を確かめ、被災スレートのうち使えるものは文化財保存の鉄則に従い使いたい」と確約してくださったとのことです。

(ただし、「重要文化財であり、駅舎として活用する以上、海水に浸かったスレートの安全性などの検証が必要」とのこと)今後の進展を見守りたいと思います。


朝日新聞 4/16
http://www.asahi.com/national/update/0416/TKY201104160164.html

読売新聞 4/16
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110415-OYT1T01191.htm

東京新聞 4/16
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2011041602000048.html

東京駅に温もりも感じ始める今日この頃。

健全な街づくりに向け、こうして私たちも参加できるのですね!

今日は朝から、気持ちいいです!

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2011年4月18日 (月)

おともだち

今日は

KIYOMIさんの愛猫、ティティです。

こんな映像をプレゼントしますよ!

こちらをクリックしてください。

http://www.youtube.com/watch?v=E84FIj8Bxt8&NR=1

http://www.youtube.com/watch?v=ZzakMUuvUjo&playnext=1&list=PL096B386F69B1782F

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2011年4月15日 (金)

幸せはじけるポップコーン

皆さん、今日は

キヨミさんの愛猫、ティティです。

「はい、ど~ぞ!」

熱々ポップコーンが盛られたお皿をテーブルに載せると、皆は大喜び。

「ワ~ォ、ポップコーン!」

「キヨミ、ありがとう!」

「俺達を過保護しすぎじゃないか~?!」

この日、外のテーブルで気持ちよさそうに午後を過ごすのは、パトリッツィオと彼の友達ピーノ、そしてガブリエーレです。

ピーノがポップコーンを口に頬張るやいなや、
携帯が鳴りました。

「もしもし・・・・・お~!元気か?・・・・
俺? 今、パトリッツィオのとこ。
ガブリエーレのギターで歌って、キヨミがポップコーン作ってくれて、友達とワイン飲みながら過ごしているのさ!これで分かるだろう?
俺がどんなに元気かってことが!・・・・」

そんな彼らの隣テーブルに座って車の教本と睨めっこしているダリオ。

お皿に手の届かぬ距離にいるキヨミさんを気遣い、
ポップコーンのお皿をもって、キヨミさんの席までやってきました。

「ありがとう、ダリオ。私は作っている最中に沢山つまみ食いしたからいいの。皆で食べて頂戴」

(こんな時、ポップコーンが喜ばれるかな?)
と友達の喜ぶ姿を想像すること。

ささやかな行為に、感謝されること。

(キヨミがポップコーンに手が届かないんじゃないか?)
と気付かぬところで誰かが自分を思ってくれること・・・・・

なんて豊かな時間を過ごしているんだろう!

昔、仕事の関係でご一緒させていただいた方は、
自分の自慢と他者の批判をよく口にしていました。

この方と高級レストランで食事をしましたが、
折角の美味しい料理に感動する気持ちが失せ、
ストレスで満たされた胃は、心の消化不良を起こします。

お金がかかっているのに、豊かさが感じられない空間がある。

しかし、ポップコーン一つで豊かさを感じられる空間もある。

相手の職業、肩書き、身につけているブランド品、容姿、生活環境などなど・・・
目に映るものや社会的評価を取り除き、
目に見えない「心の交流」に注意しながら今を感じてみる。

すると、庶民的で、誰でも頬張ることのできる豊かさが、意外にも身の回りに存在しているのです!

棚の隅に忘れられているポップコーン。

地味ですが、それがはじけると、美味しさが味わえます!

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2011年4月13日 (水)

東京駅発、日本の未来行き

皆さん、今日は

シエナの大多和聖美(おおたわ きよみ)です。

ヴェネト州、ヴェローナの街で行われたワイン見本市にて、輸出ワインの商談を終えて戻ってきました。

5日間の不在で溜まった着信メールの中、
皆様にも知っていただきたいお知らせがありましたので、是非、御報告させていただきます。

詳細は以下のサイトでご覧になれますが、一部を抜粋させていただきます。

http://japanroad.exblog.jp/15230696/

谷根千工房の森まゆみです。

熊谷産業では赤煉瓦の東京駅の修復のため、屋根瓦をていねいに外して、北上に運び、使えるのと使えないのを選別して、汚れを取り、結束して東京へ持っていく直前でした。
この瓦のほとんどは戦後の修復の際の登米産の良質なものです。

それが津波に洗われ泥だらけになりました。

しかし調べたところ、2万枚は回収が不可能でしたが、4万5千枚は洗って塩気を取ればじゅうぶん使えると熊谷さんは言います。

ところが残念なことに、JR東日本の設計部と施工会社(鹿島・清水)は工期が遅れないよう、スペインにスレートを発注すると言っているそうです。

今回,打撃を受けた当地の人たちはスペイン産のスレートに変わったとしたらどんなにがっかりなさるでしょう。

反対にJRがそれでも泥のなかからよみがえった登米さんの瓦を洗って使ったらどんなに元気が出るでしょう。

JRは全面広告で新幹線の復旧や東北復興に全力を注ぐといっています。

高い広告料を払うより、べつのかたちで東北を支援してほしいものです。

被災地の方の気持ちを踏みにじってまで、
東京駅の修復作業を工期内に終えることが、
本当に必要なのでしょうか?

ご賛同いただけましたら、署名をお願いいたします。

メール本文に、
氏名、住所、肩書き(主婦、高校1年などなど)を記載の上、
小林良雄氏 ckk-so@nifty.com までお送りください。

尚、締め切りは4月13日(水)です。

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2011年4月 6日 (水)

バンちゃん、良かったね

今日は

KIYOMIさんの愛猫、ティティです。

「オ~イ!キヨミ、こっち来て!早く、早く!」
パトリッツィオが大きな声でキヨミさんを呼びつけます。

「何?」

「ニュースのイントロで、3週間ぶりに犬が救出された話題に触れてた。コマーシャルの後に、その映像が見れるぞ!」

退屈なコマーシャルが終わり、やっとニュース番組が始まりました。

「次かな?」

「感動的な話題だから、最後にもってくるんじゃないの?」

待てど待てど、救助された犬のニュースは現れません。

結局コマーシャルに行き着いた後、クイズ番組が始まってしまいました。

「なんだか、頭にくるな~」とパトリッツィオ。

「政党の派閥問題や、サスペンス仕立てに2ヶ月も同じ殺人事件を扱うより、心に響くニュースを流したほうがいいのにね?」

気を取り直してコンピュータに向うと、
見たかった映像は、ユーチューブで見ることが出来ました。

http://www.youtube.com/watch?v=p2GecmuWACM

「犬が、人間なみにタンカーで運ばれて、毛布に包まれてる!」

「きっと、救助隊はマニュアルどおりに動くのよ!」

(今度は、一体何がはじまるの・・・?)と戸惑いながらも、救助隊に喜ぶワンちゃん。

良かったね~と安堵するパトリッツィオの目には、

また、うっすらと涙が浮かんでいました。

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2011年4月 1日 (金)

シエナ、本日も晴天なり

皆さん、今日は

KIYOMIさんの愛猫ティティです。

ヨーロッパは日曜からサマータイムに入りました。

トスカーナの自然たちが喜んでいます。
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