« 2011年2月 | トップページ | 2011年4月 »

2011年3月

2011年3月30日 (水)

ご近所さん

皆さん、今日は

KIYOMIさんの愛猫ティティです。

トントントントン・・・
 
トントン、トントン・・・

ラウラの家のドアをノックするKIYOMIさん。

ノックをし続けても、誰も出てきてくれません。

トントントントン・・・
 
トントン、トントン・・・

ドアノブをそっとひねると、扉が開きました。

「ブォナセーラ!、kiyomiです。ラウラ~、いる?」

すると、廊下の奥から声が届きます。

「誰よ~、ノックしてるの!」

「私よ~、キヨミ」

「あら!キヨミなの? ごめんなさいね、ここ暗いでしょ。玄関の電気が切れちゃってるのよ!どうしたの?」

「実はね、オリーブオイルを買い忘れちゃって・・・
このコップに少しだけ分けてくれないかしら?
今、友達が泊まりに来てて、いざ、食事を作る、という時に、オイルがないことに気付いたの」

コップと一緒に、冷蔵庫にあったオレンジジュースを差し出します。

「あら、気を遣わないでいいのよ~!」

「有難う。でも、何かと交換すると、私も落ち着くの・・・」

キヨミさんの持ってきたコップを、息子のガブリエーレ君が受け取ると、緑色に光るオリーブオイルをなみなみと注いでくれました。

「これ、サルデニアのお婆ちゃんから届いたオリーブオイルなんだ」「そうよ、だから、特別に美味しいのよ!」

夕食を準備するラウラの周りには、息子のガブリエーレとお姉さんのジェッシカがいて、「何、何?」と言いたそうに、太っちょの猫2匹もやってきました。

「こんなに注いでもらっちゃって、悪いわね。本当にありがとう」

「いいのよ!」

皆の笑顔とオリーブオイルを受け取り、
友達、Kちゃんが待っているアパートに戻ります。

「オリーブオイルをうっかり忘れちゃったけど、何か抜けていたほうが、いいみたい!お陰で、ラウラにおすそ分けしてもらえたわ!ありがたい!」

子供の頃、夕暮れ時に、こういう交流があったことを思い出します。

「スミマセン、お醤油、ちょっと分けてもらえませんか?」

ドキドキしながら隣の家のチャイムを鳴らし、自分の言うべきことを伝えると、「あら!」と明るい笑顔で快く対応してくれる叔母さんに心が躍ったあの瞬間。

「沢山作ったから、もし良かったどうぞ?」といって、
お鍋を持ってくるご近所の方。
「あら、スミマセンね~」と受けとり、いただきもののおかずをお鍋からお皿に移し変えると、我が家の台所にあるものをお鍋に入れて、手渡すお母さん。

コンビニエンスストアーができてからでしょうか?

夕食時にご近所の方がチャイムを鳴らす、というシーンはすっかり消えました。

便利と引き換えに、消えていく習慣がある。

便利がない田舎の暮らしで、何か、困ったことがあったら、それは、昔の良き時代を思い出せるチャンス!

ちょっと緊張する指先で、チャイムを鳴らしてみよう。

スマートに一人完結して生きるより、
生活が美味しくなるような気がする。

| | コメント (0)

2011年3月23日 (水)

ふるさと

被災地で生活を送られるお年よりや子供の姿から、
はるか遠い過去に体験した、懐かしい匂いが
かすかに届きました。

口数少なく、質素に生きる人たち。

団結力、助け合い、忍耐、感謝・・・

高校受験を意識し始めた頃から、偏差値という数字が与えられ、小さな教室で団結していた仲間たちが、競争相手に思えてきた。

そして、高校に入ると消費行動に目覚め、
短大に入ると、刺激ある生き方を追い、

社会人になると、お金をまとった生活を目指し、
効率化と技を学んできた自分。

今回、被害にあわれた方の頑張りを見ていると、
幼少の頃、日常生活に流れていた空気の一端が感じられるのです。

純粋だったあの頃の匂いが、東北にまだ残っている。

日本人魂が宿る故郷、

この先も、残さなければ・・・・

http://www.youtube.com/watch?v=niCJsceRzH0&feature=related

| | コメント (0)

2011年3月20日 (日)

復興へ向けて

災害にあわれた方の心情を察し、泣けてきます。

そして、原発の危機を知るたびに、恐怖に脅え、

平常心を失う自分がいます。

しかし、そんな中、両親を失ったにも関わらず
老人の看病に努める女性は、
「こんな時だからこそ、笑顔と優しさが大切です」と・・・

家が流されてしまったのに、
塞ぎこむことなく救援物資を運ぶ高校生は、
「同級生と、こうして一緒にいられることが嬉しい」と・・・・

周囲に元気を与えている。

計画停電の不便な経験を、

ちょっとした笑い話に変えて、周囲を明るくされている方がいる。

「絶対復興してみせる!だから、元気に明るく、先に進まなければ!」と自分を奮い立たせてらっしゃる方がいる。

【東北の方に比べたら、これくらい何でもない】
というキーワードを抱え、
助け合いの精神と共に変わっていく日本国民。

イタリアでも、ネットを通じてNHKテレビを見ることができます。

被災地の方の頑張り、ボランティアの方の様子をイタリア語に通訳すると、パトリッツィオやダリオは涙を流して画面を見つめています。

今後、世界は、日本に対し、
経済・テクノロジーに加えて、国民性でも大いに評価をすることでしょう。

情けないのですが、何の不自由もないはずなのに、塞ぎこみかけていました。

今から、甘えは脱ぎ捨てます。

| | コメント (0)

2011年3月14日 (月)

日本の皆様へ

日本の皆様、今日は

シエナの大多和聖美です。

3月11日以降、
沢山のイタリア人から連絡が入り続けています。

日本の皆様に御ひいきいただいているオリーブオイルの作り手、メローニ農園の家族、ファンチュッリ農園の家族、ワインの作り手たち、日本人との友好を通じて、日本を身近に感じてくれている友達たち・・・・

日本ファンのニーノは、アクアボッラに直接訪れ、
「大好きな日本がこんな状況になってる・・・本当に辛い・・・」
と目を真っ赤にしてます。

24歳のクリスティーナちゃんも、
「何か、出来ることはないかしら?何でも言って!kiyomiが会いたい、という約束は、第一優先だから・・・」とメールを送ってくれました。

猫の家のボランティアで働くチンツィアは、
2月に旦那さんを癌で失ったばかりですが、
「日本のことを思うと、何も手に付かない・・・・」
と同情を寄せてくれてます。

皆さん、イタリアには沢山の日本ファンがいるんです。

彼らの声を届けたく思いました。

そんな声援に込められた愛情が、皆様の中で、僅かなエネルギーにかわり、今日を生きる原動力の補給になっていただけたら・・・と思ってます。

| | コメント (0)

2011年3月12日 (土)

3.11

イタリアのニュースで流れる日本の震災・津波の映像に、言葉が見つかりません。

壊滅した町の様子に愕然とし、
心の中が、なんとも言えない濁った感情に覆われ、
気を抜くと、涙が込み上げてくる。

被災地で救助活動をされている方、
危険な状況に立ち向かう仕事をされている方、
どうぞ、その人たちが守られますように。

家を失った方、家族を失った方、
生きる希望を失いかけている方々に、
慰めがありますように。

敗戦、原爆、数々の震災の中で、
何度も立ち上がってきた私たち日本人の真の強さが、
団結力によって、更に増加されますように。

被害に遭われた方の心にともる、
ろうそくの炎のような微かな灯火が、
消えることのありませんように。

そのために、私たちの一人ひとりが何をすれば良いのか?

新しい道導を与えてください。

こんな遠いイタリアから出来ることは、
僅かな募金と祈ることだけ。

自分がずるくも思える。

| | コメント (0)

2011年3月 9日 (水)

春の味覚セット

Ciao ciao !

皆様、お元気ですか?

シエナの大多和聖美です。

体の芯まで凍らした厳しい空気が徐々に和らぎ、
ペパーミントのように軽快な風が流れ始めると、
花のつぼみ達が次々に起きだし、
小鳥達も賑やかに歌いだします。

意識の上では、お正月にスタートをきったはずですが、
自然界の暦同様、私たちの体内でも、
(もう春だ!、そろそろ起きるか!)
と大きく伸びをしては、活動の身支度をしたくなる今日この頃。

そんな気持ちのよい春曜日に、ワインはいかがですか?

2月に、トスカーナ各地で試飲会が催されました。

沢山のワインに触れる中、
理屈抜きに「あっ、これ美味しい!」
と直感的に響いたワインをセレクトし、
それを【春の味覚セット】としてまとめてみました。

2011年に入り、送料が20%増となりましたが、
それ以上に、皆様が感じる幸福度もアップです!

春の味覚セット 15,000円(送料込)

  トスカーナの美味しいワイン 3本セット
    
お好きなワインを1本選択 
  
無農薬 トスカーナ産オリーブオイル 500ml×2
 
 パスタ 500グラム 
 
 トマトとリコッタチーズのパスタソース(1箱 4人前)

いつもご注文を頂いてる方にはメールを送信しておりますが、グループ送信中、エラーが出たために、届いていない方もいらっしゃるかもしれません。

また、ブログをご覧頂き、興味のある方、詳細を送信いたします。

 kiyomisiena@libero.it (大多和聖美)までご連絡下さい。

Cimg2746_small

| | コメント (0)

2011年3月 3日 (木)

三寒四温

Ciao ciao !

Kiyomiさんの愛猫、ティティです。

ここ最近、kiyomiさんはバタバタと過ごしてきましたが、
ようやく、落ち着いてきたようです。

「パトリッツィオ、ゴメンね~。
忙しいとどうしても、性格がきつくなるわ。
間違えたら面倒なことになる、って緊張して臨むことが続くでしょ。
そうなると、固くなるの」とkiyomiさん。

「だったら、柔軟剤で頭を洗った後は、蜂蜜で全身マッサージだな!」

本来、癇癪もちだった彼。

皺が深みを増すと同時に、寛容も深まり、
ますます、人間性の厚みを感じます。

「この前、ダリオに攻撃的になったけど、ダリオは悪くないって、分かってるの。状況がそうさせるのよ。
私、日本での帰省中、両親の元で子供に返った生活に浸れたじゃない?
楽だった~!
その余韻をまとってシエナに戻ったら、沢山の仕事が待っていた。
日本の役所が分析表を読み間違えて、ワインが通関できなかったり、新たにワインを輸出したり、その他新規分野での商談準備に追われたり・・・・
一時的に、自分のキャパを越えてたけど、無理にエンジンかけてたの。
そんな時、あなたに癒してほしかった。
そうしたら、(また、頑張るか!)って、元気が湧くものなのよ。
それなのに、あなたの脇には、24歳にもなるダリオがピッタリとくっついているじゃない?

(父さん、父さん・・・)って、絶えず質問を続けてはあなたとコミュニケーションを執拗に取りたがっている。

私が切羽詰った時、
あなたに包んでもらって一息つきたかったのに、
そんな隙間をダリオに占領された気分だったの。

(一人で頑張らなければ)って進んできたけど、
気がつくと、攻撃的になっている。

仕事でも、プライベートでも、人間的なエッセンスが欠けていく自分に、気付いたわ」

仕事が落ち着いた今、
胸のうちをパトリッツィオに伝えると、
心に積もった雪がとけていくようで、軽やかな気分になります。

「はい、お待ちどうさま!」

丁度そのとき、ダリオがお皿をもって、厨房から降りてきました。

「ワ~!トマトソースのスパゲッティに目玉焼きとモッツァレラチーズの盛り合わせ!」

「ヘヘヘ・・・」と照れるダリオ。

Kiyomiさんが忙しいときは、まかないを担当する彼。

最近ではその腕前も上がり、彼のファンタジーがお皿に描かれます。

「本当に美味しいね!ダリオ、ありがとう!」

| | コメント (0)

« 2011年2月 | トップページ | 2011年4月 »