お菓子?それとも木炭?
今日は
愛猫のティティです。
猫の家の掃除をしていると、カルラが入ってきました。
「チャオ!カルラ、新年おめでとう!」
「あら、KIYOMI、おめでとう!明日は私たちの日よ!」
「私たちの日・・・?」
(なんだろう?猫の家設立記念日かしら・・・・)
考え込むKIYOMIさんを見て楽しむカルラは、
「ヴェファーナよ!」と勢いよく答えます。
毎年1月6日はヴェファーナの祝日。
この日、魔女のお婆さんは箒(ほうき)にまたがり、
1年間、良い行いをした子供にはお菓子を、
悪い行いをした子には木炭を配ります。
その為、子供達は枕元にお菓子を入れる靴下を置いて寝るのです。
「パトリッツィオ、私、お菓子かしら?それとも木炭かしら?」と尋ねると、
「いつもドルチェ(甘い)なKIYOMIには、玉葱かニンニクさ~!」
女性への褒め言葉とユーモアが交じり合ったイタリア男の模範的な返事が戻ります。
玉葱、ニンニク・・・・確かに、そうだわね
苦く、臭くもあり、また甘く美味しくもある。
昨日の定休日には、正月らしく自己啓発本を読みましたが、どうしても受け入れることの出来ない箇所があります。それは、「人を批判するのはやめましょう」という、この手の本に必ず登場するフレーズ。
「批判は極力慎むようにしましょう」
そう言われても、「はい、そう心がけるよう努めます」と従順するわけにいかないのです。
もし、自分の感情をコントロールして〈いい人〉を繕う自分がいたとしたら、それは、不自然だし、面白みがない。
「来ないんじゃないの?あのお客さんたち」
一昨日に来店した2組のお客様がお会計時に言った「また水曜日に来ます!」という言葉を信じ、待っていますが未だに現れない。20時半を過ぎたところで、KYOMIさんが不満を漏らします。
「一度、口にしたことは守って欲しいもんだわ。
相手はがっかりするじゃないの!」
「そんなもんだよ」
お客がいない居心地の悪さの中でも、パトリッツィオはわりと穏やか。
ダリオも黙って頷くそのとき、
「ボナセーラ(こんばんは)」と5人組家族が現れ、それに続いて、4人グループも現れました。
「ほらね!」
パトリッツィオは嬉しそうにKIYOMIさんに合図を送ります。
「ゴメン!さっき言ったことは訂正!」とKIYOMIさん。
思ったことは口に出し、必要に応じて反省も口にする。そのパターンが好きなのです。
そのせいで、確かに運を逃し、お菓子をもらい損ねていることもあるでしょう。
でも、「それでいいや」、と思ってしまうということは、
〈可愛げのある女〉を当の昔に脱皮し、
ヴェファーナ(老婆の魔女)化している証拠。
この先、沢山の御菓子を配れるような、
そんなヴェファーナになりたいものです。
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