日本での生活
今日はお父さんとラーメンを食べに行きました。
食券を買って二人でカウンターに座ると、
「少なく盛って頂戴ね」と言葉を添えて、
お父さんは店員さんに注文を渡します。
「はい、お待ちどうさま。
2つとも少なく盛った分、具を多くしましたからね」
その言葉にハッとするお父さん。
「あれっ、お父さん、失敗しちゃったな~
キヨタンの分まで少なくされちゃった。
お父さんの分だけだと思ったんだけどな~」
「お父さん、失敗じゃないわよ!チャーシューがサービスされてるじゃない。私、このほうが良かったわ」
普段、イタリアから電話をすると、口下手なお父さんとは会話が続かず、用件確認を済ませて受話器を切ってしまいますが、こうして並んでラーメンを食べていると、日常会話が交わせて嬉しいです。
イタリアから戻り、10日が経とうとしています。
帰省した日から、お父さんやお母さんに話す内容は、
いかに自分が仕事を頑張っているか
誰と食事をしてきて、明日は誰と会うことになってるか、
他人の考え方に比べた自分の正当性などなど・・・・
自分の主張ばかり。
ある日、合唱団に所属する皆様との食事の席で、
会話の流れからふと、こんなことを口に出しました。
「私、本当は音大に行きたくて、17歳の頃までピアノに夢中だったんです。でも、父は普通のサラリーマン。
私も妹も、私立の女子高に通い、弟も私立に入ろうとしていました。結局、音大は諦めましたけど、あの頃、家のローンに加えて、よく高いレッスン料を払ってくれたな、って感謝してます」
あの頃のお父さんとお母さんは、一生懸命働きながら、自分達のお小遣いより、相当高いお金を私につぎ込んでくれたんだ・・・・
そんな両親に、
自分の主張ばかり、演説している。
「お母さん、ちょっと、ここに座ってくれない?
聞いて欲しいことがあるんだけど・・・
私、イタリアから戻ってきてからというもの、自分の主張ばかり偉そうにしていて、何も、親孝行らしいことしてないってことに気付いたの。
もう、5日しか残ってない、イタリアに戻るまで・・・・」
涙を流しながらそう伝えると、
「まだ、5日、あるじゃない。
それに、当時は大変だ、なんて思ってなかったわよ。
親は、自分の出来なかったことを子供に託すものよ」
「そうよね。まだ5日もあるし、
お父さんも、お母さんもまだ元気だし・・・」
今日は妙に、感情が高ぶってしまいました。
これからお風呂に入って、寝ますね。
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