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2010年11月 9日 (火)

Grazie a tutti(皆さん、ありがとう)!

今日は

愛猫のティティです。      

オリーブオイルの作り手は、
雨や朝露に濡れた実には触れません。

傷がついて、オリーブオイルの出来が劣化してしまうからです。

秋の変わりやすい天候の中、
収穫が許される時間は意外にも限られ、
収穫をしては圧搾し、また収穫しては圧搾し・・・・

こうして少しずつ、数回に渡りオリーブオイルはアクアボッラに納品されました。

「ルイージったら、本当は昨日納品してくれる約束だったのに、今日も来ないつもりかしら?」

オリーブオイル作りには3つの危険が伴います。

一つは、夏、オリーブに卵を産み付ける蠅の襲撃を受けないこと。

二つ目は、オリーブの実を摘む時期は気温が低いこと。

もし気温が高いと、摘まれたオリーブの実に発酵が起こり、風味が損なわれてしまいます。

そして、3つ目は圧搾工房の処理が適正であること。

圧搾の工程で加熱しすぎてしまうと、風味が劣化してしまいます。

昨日から今日にかけて比較的暖かかったため、
摘んだオリーブの実を急いで圧搾工房に運び、
作業に追われているでしょう。

彼らのそんな現場を知るが故に、
「納期を守ってくれないと、困るじゃないの!」
などといった催促が出来ず、
ただ、自然の法則に従うのみです。

(今日、納品されないってことは、明日の朝の発送は無理ね・・・)

少し諦めかけた頃、
アクアボッラの入り口に一台の車が停車しました。

「ボナセーラ(今晩は)!」
kiyomi
さんが出迎えます。

「ボナセーラ。あら、私をお忘れになったかしら?」

化粧も髪型もしっかりと整ったこの端麗なご婦人を、kiyomiさんはてっきりレストランのお客様かと思って迎えましたが、気付くと彼女は70歳をゆうに超えるルイージのお母様。

「オリーブオイル、持って来ましたよ。
初めてアクアボッラに来るけど、素敵な場所ねぇ」

「ご婦人、今度はアマンテ(愛人)と一緒に来てくださいよ」とパトリッツィオ。

女性の一言に、気の利いた返事を投げ返し、
場を盛り上げるのがイタリア男です。

「そうね。これまで愛人をこしらえる時間がなかったけど、これからね」と悪戯そうに微笑みます。

こうして少しずつ納品されたオリーブオイル、

10月にご予約された皆様へは1週間かけて発送いたしました。

尚、ご注文は常に受け付けており、随時、発送しております。

丁度この時期は、郵便局に年金を受け取るお年寄りが列を成す頃。

イタリアの役所は機能しないと専らの悪評ですが、いつも日本への発送を手がけてくれる近所の郵便局は異例なほどに仕事熱心。

kiyomi、何も心配しないで大丈夫!」

郵便局のピーナは通常より1時間早く出勤し、
発送伝票を処理してくれます。

kiyomiさんはその場で発送伝票を受け取り、
アクアボッラに戻って一つ一つの荷物に宛名伝票を照合しながら貼り付け、そうして出来上がった梱包を、パトリッツィオが何度かに分けて郵便局に運びこみ、11時には予約していたトラックが引き取りに来る、といった連携プレイ。

ビーッ、ビーッ

郵便局前に停車中のパトカーに〈退け、退け!〉とクラクションを投げつけ、勢いよくやってきたトラック野郎は女性2人組み。

(そういえば昔、ビューティーペアーって女子プロがいたっけ・・;)

長髪にサングラスをかけた弾力性ある二人に加わり、kiyomiさんもせっせと梱包を荷台に載せると、トラックはあっという間に去っていきました。

CIAO CIAO!

無事に日本に到着してね

す~っと頭の中が軽くなり、イタリアのスローライフモードが蘇ると同時に感謝の気持ちが湧き上がります。

ありがとう、オリーブオイルの作り手の皆さん、

ありがとう、郵便局の皆さん

ダリオ君、パトリッツィオ、ありがとう。

そして、いつもご注文をくださいます日本の皆様、

本当にありがとうございます!

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