社会学の旨み
今日は
ティティです。
「あれ、何だか静か!」
ガラーンと感じる猫の家。
「あっ、クロ猫チビちゃんがいない!」
里親台帳を開くと、最新ページの記録は「クロネコ」と書かれ、サインの日付は今日付けになっています。
(やった~!里親が見つかったんだ!)
先週に引き続き、今日も子猫が広い部屋で走りはじめました。
あ~嬉しい!
早速、首までジッパーのあるつなぎの作業着と専用の靴に履き替え、猫ちゃんをご訪問。
8匹が一堂に暮す一室に入ります。
この猫ちゃんたちは、ある女性と生活をしていましたが、経済的な事情で引越を余儀なくされ、
その結果、猫ちゃんの居場所が無くなってしました。
故に、この施設で暮らしています。
部屋の扉を開けると、待ってました!とばかりに皆が擦り寄ってくるので、タコの手が必要です。
この施設に運ばれる猫ちゃんは、予防注射、虚勢手術を受け、糞の検査を通じて健康を管理をされながら里親を待ちます。
また、施設に出入りするスタッフは、殺菌効果の強い石鹸で手を洗い、消毒をふりかけ、最後には靴に消毒をまくほどの徹底ぶり。
市、保健所、獣医、そしてボランティアが一心同体となって運営される猫の家。
Kiyomiさんはグリーンピースや犬猫ライフボードに毎月送金していますが、こうして実際に現場に通い、様々な人と触れることにより、社会の一員だ、という認識が鮮明に芽生えるのです。
(いけない!ティティの予防注射、今年はまだしてなかった!)
早速、獣医のパトリッツィアを呼び、注射も完了。
1ヶ月1000ユーロのお給料。
家賃と電話代、貯金を除くと、1日に使用できる額は5ユーロです。
質素な生活をしているのに、どうして、内面はこんなに豊かに感じるのでしょう!
フィレンツェのシェフ、ケンチャンにメールを打ちました。
「今度、フィレツェに遊びに行くわね。Oシェフの店で働いていたKさんがイタリアに料理留学に来たのよ。
彼と一緒に遊びに行くわ。
私、お金が遣えないから、ケンチャンのアパートで何か、ランチをこしらえて頂戴!私からは美味しいワインを持ってくから、宜しくね!」
さて、明日はトスカーナの郷土料理、
リッボリータを仕込みます。
キャベツ、人参、ジャガイモ、玉ねぎ、豆、トマト、乾燥したパンなどなど、どこの家庭にもある余った素材をグツグツと煮込む栄養満点のスープ。
Kiyomiさんの生活も、そんな料理に似ています。
身近にあること、ちょっとした時間を利用して、
味のある生活に仕上げていく。
41歳になるまで、
ちょっとは有名になってみたい、
仕事で儲けたい、
と経済社会の舞台で成功を築くことが幸せを運んでくれると信じ、そのことに意識を向けていました。
しかし、猫を通じて、
(美味しい社会学の出汁)を学ぶ今日この頃です。
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