3つのアイ
今日は
ティティです。
「オーッ、元気?」
入り口で湧くダリオ君の歓声に続き、
「オー!久しぶりだな~」というパトリッツィオの大きな声。
「キヨミもおいでよ~」
興奮気味のダリオ君に急かされ入り口に向うと、そこにはあの日のままの3人(二人と一匹)がニッコリと並んでいます。
「ワ~!シューミー!」
ベルギー人のカップル、サルヴィーとオディー。
そして彼らの子供、マルチーズのシューミー君。
泣けて泣けてたまらなかった夏から2年が経ち、
またアクアボッラに訪れてくれました。
2週間のバカンスのうち、レストランの定休日以外はランチとディナーの2度、アクアボッラに自転車でやってきた彼ら。
(この雨じゃ来ないだろう・・・)という悪天候であっても、彼らは雨合羽を羽織ってやってきました。
「シューミーだ~!」
遠くに現れる2台の自転車姿に誰かしらが声を上げ、kiyomiさんはブルスケッタ用のトーストを準備する。そして、シューミー用のお肉をお皿に盛り、彼らをお出迎え。
こんな生活パターンに慣れると同時に、
(彼らはバカンスなんだ)
という別れの日への意識も強まり、嬉しさと哀しさが同居するのです。
「2年前、女どもは大泣きしてたもんな~」
とパトリッツィオ。
「そう。彼女はその後、ベルギーに戻ってからも1週間泣いて暮らしていたよ」
日に焼けたサルヴィーはお兄さんのような大らかさでオディーに目を注ぎます。
また彼らと2週間の生活が始まります。
サルヴィーの家系はイタリア移民ということもあり、イタリア語の会話ができるのですが、オディーはフランス語とほんの僅かな英単語のみ。
しかし、kiyomiさんは彼女の繊細さ、優しさが大好き。
言葉の壁をこれほど惜しく感じたことはありません。
「決めたわ!今日からフランス語を勉強する!」
テーブルでそう宣言するkiyomiさんに、
「おいおい、まずはイタリア語をマスターしてくれよ!」
とパトリッツィオ。
彼のこういった突っ込みは、アクアボッラの調味料です。
(また、2週間後に大泣きかしら?)
いいえ、そうは成りません。
彼らがトスカーナを去ることを終わり、と考えるから哀しいのです。
「終わり」を「始まり」に変えればいいだけのこと。
彼らが去った後、フランス語を勉強して、メールをだしましょう!
アクアボッラの季節の写真を添えて。
生きるヒントは、いつも「会・愛・哀」に隠されています。
| 固定リンク
« サル山のボスたち | トップページ | 週末婚 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント