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2010年7月 1日 (木)

3つのアイ

今日は

ティティです。

「オーッ、元気?」

入り口で湧くダリオ君の歓声に続き、
「オー!久しぶりだな~」というパトリッツィオの大きな声。

「キヨミもおいでよ~」

興奮気味のダリオ君に急かされ入り口に向うと、そこにはあの日のままの3人(二人と一匹)がニッコリと並んでいます。

「ワ~!シューミー!」

ベルギー人のカップル、サルヴィーとオディー。
そして彼らの子供、マルチーズのシューミー君。

泣けて泣けてたまらなかった夏から2年が経ち、
またアクアボッラに訪れてくれました。

2週間のバカンスのうち、レストランの定休日以外はランチとディナーの2度、アクアボッラに自転車でやってきた彼ら。

(この雨じゃ来ないだろう・・・)という悪天候であっても、彼らは雨合羽を羽織ってやってきました。

「シューミーだ~!」

遠くに現れる2台の自転車姿に誰かしらが声を上げ、kiyomiさんはブルスケッタ用のトーストを準備する。そして、シューミー用のお肉をお皿に盛り、彼らをお出迎え。

こんな生活パターンに慣れると同時に、
(彼らはバカンスなんだ)
という別れの日への意識も強まり、嬉しさと哀しさが同居するのです。

「2年前、女どもは大泣きしてたもんな~」
とパトリッツィオ。

「そう。彼女はその後、ベルギーに戻ってからも1週間泣いて暮らしていたよ」

日に焼けたサルヴィーはお兄さんのような大らかさでオディーに目を注ぎます。

また彼らと2週間の生活が始まります。

サルヴィーの家系はイタリア移民ということもあり、イタリア語の会話ができるのですが、オディーはフランス語とほんの僅かな英単語のみ。

しかし、kiyomiさんは彼女の繊細さ、優しさが大好き。

言葉の壁をこれほど惜しく感じたことはありません。

「決めたわ!今日からフランス語を勉強する!」

テーブルでそう宣言するkiyomiさんに、
「おいおい、まずはイタリア語をマスターしてくれよ!」
とパトリッツィオ。

彼のこういった突っ込みは、アクアボッラの調味料です。

(また、2週間後に大泣きかしら?)

いいえ、そうは成りません。

彼らがトスカーナを去ることを終わり、と考えるから哀しいのです。

「終わり」を「始まり」に変えればいいだけのこと。

彼らが去った後、フランス語を勉強して、メールをだしましょう!

アクアボッラの季節の写真を添えて。

生きるヒントは、いつも「会・愛・哀」に隠されています。

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