職場の声
今日は。ティティです。
すっかりとご無沙汰してしまいました。
皆様、お元気にお過ごしでしょうか?
Kiyomiさんは便秘解消!
あちこちで発生するトラブルの報告に頭が詰まってしまい、張った心境で過ごした1週間でしたが、一つが解決すると、他の件もスル~と身から去り、すっきり・サッパリの週末です。
中国に送ったコンテナ一杯のワインが中国の税関で止まっているとの連絡を受けました。
いつものように書類を揃えて手続きをしたものの、
今回は税関が受理してくれません。
ミラノにある中国貿易振興会に連絡を入れ、
「中国政府が受け入れる書類についてお尋ねしたのですが・・」と問い合わせると、
「それは、中国政府に直接連絡をとってくれ」とのこと。
中国本土の政府は、「それはイタリアの作り手に聞いてくれ」とのこと。
(そうだ!シルバーナに連絡を入れよう!)
国立エノテカイタリアーナで広報を担当する彼女に連絡を入れると、「あらキヨミ~、元気!」と明るい声で応答してくれ、藁をも掴んだ思いで安堵します。
「フム、フム・・・それだったら中国へのワイン発送を手がける彼女に替わるわね。(ちょっと~、パトリッツィオと働くキヨミからの電話なんだけどね・・・えっ?、今から外出しようとしてるの?ちょっと電話に出てくれない?)・・・・」
イタリアでは、通話の保留中に送話器を手で覆う細かな配慮はなく、会話は筒抜け。
その後、親切丁寧な説明とお喋りで気持ちは軽々。
その翌日は、日本のインポータの方からのご連絡です。
「キヨミさん、なにやらイタリアの税関で荷物が留っているらしいです」
日本から送られたワインの裏ラベルシールがイタリアの税関でストップ!
梱包に内容物の表記がなかったため、検査対象にかけられているのでしょうか?
税関に電話をしまくっても、誰も応答しません。
ミラノの日本商工会議所に連絡を入れたところ、
「1日がかりで電話をする覚悟でないと、駄目ですね。こちらも税関のファックス番号やメールアドレスの情報を持ち備えておりません」
とのこと。
充てにしてたのに・・・
一日、電話の前に座ってダイヤルを回し続けるなんて・・・・
21世紀なのに・・・
イタリアで働くコツは、一つ一つのことに疑問を抱かないこと。
進行が止まってしまい、そこからストレスが詰まり始め、キヨミさんのような細やかな神経管は破裂してしまいます。
今週はワインの仕入週間でもありました。
美味しいワインを生み出す小さなつくり手に限り、担当者は飛び回っています。
「エリアいます?携帯に連絡を入れても繋がらないんです」
「あら、そうなの?息子を見かけたら電話があったこと伝えておくわね」とお母様
「もしもし、昨日も電話したものです。お宅のワインを買いに伺いたいのですが・・・」
「今、娘が不在でね。私じゃ何も答えられないのよ~」 とオロオロ気味なお母様
「もしもし、アクアボッラのキヨミです」
「あ~、キヨミさん。お元気?今、妻はポジボンシにいるんだよ。最後の試験なんだって」
「え~!月曜日が都合悪いっていうから、今日、待合せをしたんです。でも、今日、ワインを取りに行くことは分かってるから、蔵には用意があることと思うんですよ。取りに行ってもいいですか?」
「すまないね~。僕は作家。書き物以外のことは全く分からないの。妻が帰ってきたら電話させるよ」とノンビリした旦那様。
小学生の頃、
「○○ちゃん、いますか?」と友達の家に電話をかける度にお母様と会話を交わし、自然に知り合いになっていく、そんな感じです。
今では、コンピュータの前に座って、カチカチという音を立てながら情報を目で追っていく時代ですが、イタリアでは今でも、職場に感情を伴った声が飛び交います。
もう少し時間が経つと、それは懐かしい光景に変わるかもしれません。
スローフードの発祥地でありスローライフな国、イタリア。
皆さん、見事に進行を崩して、キヨミさんに寄り道の醍醐味を教えてくれます。
確かに、まっすぐに伸びる高速道路をスピードあげて走りぬくより、田舎道のほうが楽しいかもしれません?
今だから言えることですが・・・
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