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2010年6月

2010年6月29日 (火)

サル山のボスたち

今日は

ティティです。

厨房を片付け、1階に降りると、
バールのカウンターでは、パトリッツィオとシルヴィーがお喋りをしています。

そして、屋外テーブルに同席していた3人の男性も
バールに寄ってきました。

「しかし、僕のとこにも同じ年くらいの息子がいるけど、ああはさせないよ」

「親が無神経だよな。子供がどう振舞っても、
何にも注意しないんだから」

「いいえ、親は注意を促さなければいけない、とは思ってないのよ。空気が読めないから」

シルヴィーがフランス語訛りのイタリア語でまくし立てます。

月曜の夜、6歳の誕生パーティーの予約がありました。

子供7人とその両親14人、合わせて21人。

ピザやキッシュ、サラミやチーズなど盛りだくさんの前菜で夕刻からスタートし、
ディナーの時間にはお開き、という条件のもとに、お値段控えめで受けたパーティーです。

「ねえ、もう18時を過ぎているけど主催者しかいないわね」

準備の手を休めてkiyomiさんは外を眺めます。

「ああ、18時半ごろには集まるだろ。まだ暑いから」
とパトリッツィオ。

その後、19時、19時半になってもなかなかメンバーが揃わず、結局、スタートは20時です。

レストランの空間を我が家の庭のように独占する7人の男の子たち。

食事をするお客様のテーブル脇を走りまわり、椅子によじ登り、奇声をあげる子供が他のお客様の気を散らしていることを察することなく、親はお喋りに夢中です。

同日、まもなく4歳になるチェーザレ君がパパと早めのディーナに訪れました。

年齢にしてはお喋りが達者な彼を、保育園の先生は、「教授」と呼んでいます。

チェーザレ君が掴んだチーズを落としてしまうと、

「こらっ!しっかりにぎるんだ」

美しい顔立ちのパパはチェーザレ君に向き合い、真剣に怒ります。

モンテプルチャーノから訪れる常連のファミリーも、
10歳のニコーラ君と5歳のルルちゃんはとてもお行儀がよく、子供らしい発言をふりまきながらもテーブルの空気を乱すことはしません。

彼らのテーブルからも、時折、パパの鋭い声が聞こえます。

子供を真剣に叱る親と、無法地帯にする親。

子供に威嚇をもって向かい、ピシッと厳しい言葉を発する親には成熟した大人の魅力がありますが、後者の親はどことなく緩んでいます。

ものの言い方は丁寧であっても、相手に対して図々しい要求をしていることが多々あり、格好よくない。

昔、狭く薄暗い台所で母に怒られ、時には平手打ちをくらって泣きはらした子供時代を思い出します。

あの頃、どれだけのストレスを母は感じたことでしょう。

その苦労に、30年以上たった今、感謝の気持ちがこみ上げます。

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2010年6月27日 (日)

今日の乾杯

今日は

ティティです。

Kiyomiさんは、ポーッとしています。

6月、沢山の問題が押し寄せ、チャンバラのように刀を振り回しながら過ごしてきましたが、やっと全ての問題が解決。

「よしっ」

刀を腰に戻し、風を切って前進したいところですが、
緊張が解けた途端に体と頭が電池切れ。

動けません。

ボケーッとしてテレビを見つめると、
FIFAワールドカップで惨敗したイタリアチームへの批判の矢が飛び交っています。

「前代未聞だぞ!」
「恥を知れ~」
「侮辱王!」

今後の試合のために蓄えた応援エネルギーが有り余ってしまい、それが全て罵声となって吐き出されています。

日本だったら、
(いや~、残念でしたね。しかし、よくやりました)
という労いの言葉もありそうなものですが、
イタリアのこういう単純さが面白い。

丁度この日、アクアボッラ食堂に、国立エノテカイタリアーナの秘書、アンナが彼と訪れました。

彼女はスペイン人。

「私、サッカーのことチンプン カンプンなんだけど、
娘とテレビの前で 
行け、行け~、スパーニャ(スペイン)!
て叫んでるわよ。ヨーロッパはスペインが救う!」
と誇らしげ。

「私もサッカー音痴だけど、こうなったら日本を応援しちゃうもんね!」とkiyomiさん。

アンナの明るさにつられて、kiyomiさんは乗ってきました。

「決めた!今日はちょっといいワインをおごっちゃうよ」

「何言ってんだよ、kiyomi。アンナは仕事柄、いつもいいワインを飲んでんだぞ!」とパトリッツィオリが口を挟みます。

「いいの、いいの。今夜をいい気分に仕上げましょうよ!」

仕事が一段落したこと、アンナが訪れてくれて嬉しいことなど、少々高揚気味の血がワインを欲しています。

そんな時のワインは、ちゃぶ台に乗せられたショートケーキのように、単純な喜びを与えてくれる。
それがイタリアワインです。

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2010年6月22日 (火)

只今、出張中

今日は

ティティです。

Kiyomiさんは只今、ワインの商談のため南イタリアに出張中です。

アクアボッラの様子をご覧下さい。

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2010年6月21日 (月)

イタリア語を勉強されてる方へ

イタリア語を勉強されてる方にお知らせです。

イタリアでは、日本人作家の小説がイタリア語に翻訳され多くの方に愛読されています。

吉本ばななさんの小説「TUGUMI」の冒頭はこんな感じです。

(日本語)
確かにつぐみは、いやな女の子だった。

漁業と観光で静かに回る故郷の町を離れて、
私は東京の大学へ進出した。

(イタリア語)
Senza dubbio Tsugumi era una ragazza impossibile.
Ho lasciato il mio tranquillo paesino,in cui si vive di pesca e di turismo e sono venuta a Tokyo per frequentare l’universita.

このように、一つの小説を(日本語/イタリア語)で読み比べながら勉強されたい方、メールでご連絡ください。

イタリア語版の本のリスト・料金に関する情報をお送りいたします。

お問合せメール kiyomisiena@libero.it

尚、本のお申し込みは、6月30日で締め切らせていただきます。

お届けは7月末となります。

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吉本ばなな

TUGUMI (つぐみ) /TSUGUMI     

ハネムーン/ Honeymoon
ハチ公の最後の恋人/L’ultima amante di Hachi
白河夜船/ Sonno Profondo      
いるか/ Delfini
キッチン/ Kitchen      
とかげ/ Lucertola
海のふた/ Il coperchio del mare
体は全部知っている/ Il corpo sa tutto

デッドエンドの思い出/ Ricordi di un vicolo cieco

/ ARCOBALENO
ハードボイルド/ハードラック/ H/H      
N.P/ N.P
チエちゃんと私/ Chie-chan e io

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2010年6月19日 (土)

夏と田舎

今日は

ティティです。

シエナから車を南に走らせること2時間半。

ティレニア海から4キロほど離れたアルビニアという小さな町で、アリアンナの家族は酪農とアグリトゥリズモを経営します。

先日の定休日、kiyomiさんはフィレンツェのコック仲間を誘い、150頭の牛、馬、そして犬や猫など動物達と生活を共にする彼女の実家を訪ねました。

「日本人シェフを御もてなしするの初めて!緊張しちゃうわね。私の料理、口に合えばいいけど・・・」

少々照れながらもアリアンナは料理をテーブルに運びます。

前菜はお父さんロベルトの手作りチーズ。

「やっぱり違う!」

フィレンツェのレストランでドルチェを担当するAさんは
大きな声で叫ぶと、続けてモッツァレラを口に運び、
正面に座るkiyomiさんの目の奥を見つめながら
「やっぱり、違う」と言いたげにモクモクと口を動かします。

流通網が目まぐるしく発達した今日。

現在、イタリアで使用されている50%以上の牛乳はドイツなどから運ばれてくるとのこと。

イタリアで酪農を営むには費用がかかる一方、
搾乳の量が少なく、海外からの輸入に頼っているという事実を初めて知らされました。

グローバル化に伴い、遠く離れた土地を生活にまとい、地元のものは日常生活から遠ざかっていく、そんな矛盾を感じることに慣れつつある故に、20メートル離れた牛小屋で絞られるミルクから出来たチーズに感動します。

「バジルソースも私達が作ったの。松の実もバジルも庭で採れたもの。パスタも手打ち麺よ!
今朝の産みたて卵でね!」

2種類のパスタに続き、魚や肉料理を平らげ、パンパンなお腹をさすっていると、お次は自家製のリキュールです。

「これは妻が大好きなオレンジのリキュール。
そのほか、苔桃だろ、レモンだろ・・・・」

ロベルトは嬉しそうに瓶を棚から取り出してはテーブルに並べます。

勿論、デザートも自家製。フルーツポンチには、叔母さんの農園から摘んだイチゴがふんだんに使われていました。

「なんて味のある時間なんだろう!」

昔、小学生の頃、夏休みに訪れた田舎を思い出しました。

お爺ちゃんが畑からもいでくれた不揃いな歯並びのプリプリとしたトウモロコシ。
お婆ちゃんと一緒に摘んだミョウガのお味噌汁。

「お米には神様が沢山住んでいるから、一粒もこぼしちゃいけないよ」
背中の曲がった小さなお婆ちゃんは、丁寧にお米を研ぎながら教えてくれました。

20代の頃には、年齢に不相応な高いレストランに行った記憶もありますが、何を食べたのかよく思い出せません。ただ、自分が映画のワンシーンの登場人物のように思えたという非日常シーンが遊園地のアトラクションに似た高揚感を与えてくれたことは覚えています。

それにしても、夏の田舎で味わった食材の味は何故、年を重ねるたびに色濃く蘇るのでしょう。

また夏が始まります。

将来まで余韻が続くような、美味しさとの出会いが楽しみです!

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2010年6月14日 (月)

傍から見たイタリア人

今日は。

ティティです。

ランチを食べながら、kiyomiさんはこんな小話をパトリッツィオに聞かせました。


「レストラン」

ドイツ人と日本人とイタリア人が一緒に食事に行きました。

食事を終えて珈琲を飲み干すと、三人はそれぞれ考えます。

ドイツ人 「割り勘にすると、いくらだろう?」

日本人 「三人分まとめて払うと、幾らだろう?」

イタリア人 「おごってくれる人に、なんとお礼を言おう?」



「ゴール」

FIFAサッカーワールドカップでイタリア代表が日本を訪れた時のこと。

試合前日にトッティーは東京を観光します。

「なぜ、日本人は僕を見ると深々と頭をさげるのだろう?」

「それは、日本人の挨拶で、敬意を示しているんだよ」

翌日、日本とイタリアの試合は一点を争う好ゲーム。

イタリアチームにフリーキックのチャンスが訪れました。

ゴールの前に立ちはだかり壁を作る日本選手を前に、トッティは考え、

助走に走る前、日本選手たちに向って深々とお辞儀をしました。

それを見た日本選手、一斉に深々と頭を下げると、低くなった壁の上をボールは見事にすり抜けゴールに吸い込まれました。


「遅刻の対処法」

国際会議の場で遅刻してしまったために、半分になった持ち時間をこう使います。

アメリカ人「内容を薄めて時間内に収める」

フランス人「マイペースで喋り、次の発言者の時間に食い込んでも止めない」

イタリア人「普段の雑談をカットすれば、時間内に収まる」

日本人・・・遅刻はありえない

さて、3つの小話を苦虫をつぶしたような表情で聞くパトリッツィオ。

「俺達って、そんな風に思われてるの?」

イタリア人がお調子者の人種と見られていることを知らなかったとは・・・!
これって、ブラックユーモアだったかしら?

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2010年6月12日 (土)

職場の声

今日は。ティティです。

すっかりとご無沙汰してしまいました。

皆様、お元気にお過ごしでしょうか?

Kiyomiさんは便秘解消!

あちこちで発生するトラブルの報告に頭が詰まってしまい、張った心境で過ごした1週間でしたが、一つが解決すると、他の件もスル~と身から去り、すっきり・サッパリの週末です。

中国に送ったコンテナ一杯のワインが中国の税関で止まっているとの連絡を受けました。

いつものように書類を揃えて手続きをしたものの、
今回は税関が受理してくれません。

ミラノにある中国貿易振興会に連絡を入れ、

「中国政府が受け入れる書類についてお尋ねしたのですが・・」と問い合わせると、

「それは、中国政府に直接連絡をとってくれ」とのこと。

中国本土の政府は、「それはイタリアの作り手に聞いてくれ」とのこと。

(そうだ!シルバーナに連絡を入れよう!)

国立エノテカイタリアーナで広報を担当する彼女に連絡を入れると、「あらキヨミ~、元気!」と明るい声で応答してくれ、藁をも掴んだ思いで安堵します。

「フム、フム・・・それだったら中国へのワイン発送を手がける彼女に替わるわね。(ちょっと~、パトリッツィオと働くキヨミからの電話なんだけどね・・・えっ?、今から外出しようとしてるの?ちょっと電話に出てくれない?)・・・・」

イタリアでは、通話の保留中に送話器を手で覆う細かな配慮はなく、会話は筒抜け。

その後、親切丁寧な説明とお喋りで気持ちは軽々。

その翌日は、日本のインポータの方からのご連絡です。

「キヨミさん、なにやらイタリアの税関で荷物が留っているらしいです」

日本から送られたワインの裏ラベルシールがイタリアの税関でストップ!

梱包に内容物の表記がなかったため、検査対象にかけられているのでしょうか?

税関に電話をしまくっても、誰も応答しません。

ミラノの日本商工会議所に連絡を入れたところ、

「1日がかりで電話をする覚悟でないと、駄目ですね。こちらも税関のファックス番号やメールアドレスの情報を持ち備えておりません」

とのこと。

充てにしてたのに・・・

一日、電話の前に座ってダイヤルを回し続けるなんて・・・・

21世紀なのに・・・

イタリアで働くコツは、一つ一つのことに疑問を抱かないこと。

進行が止まってしまい、そこからストレスが詰まり始め、キヨミさんのような細やかな神経管は破裂してしまいます。

今週はワインの仕入週間でもありました。

美味しいワインを生み出す小さなつくり手に限り、担当者は飛び回っています。

「エリアいます?携帯に連絡を入れても繋がらないんです」

「あら、そうなの?息子を見かけたら電話があったこと伝えておくわね」とお母様

「もしもし、昨日も電話したものです。お宅のワインを買いに伺いたいのですが・・・」

「今、娘が不在でね。私じゃ何も答えられないのよ~」 とオロオロ気味なお母様

「もしもし、アクアボッラのキヨミです」

「あ~、キヨミさん。お元気?今、妻はポジボンシにいるんだよ。最後の試験なんだって」

「え~!月曜日が都合悪いっていうから、今日、待合せをしたんです。でも、今日、ワインを取りに行くことは分かってるから、蔵には用意があることと思うんですよ。取りに行ってもいいですか?」

「すまないね~。僕は作家。書き物以外のことは全く分からないの。妻が帰ってきたら電話させるよ」とノンビリした旦那様。

小学生の頃、
「○○ちゃん、いますか?」と友達の家に電話をかける度にお母様と会話を交わし、自然に知り合いになっていく、そんな感じです。

今では、コンピュータの前に座って、カチカチという音を立てながら情報を目で追っていく時代ですが、イタリアでは今でも、職場に感情を伴った声が飛び交います。

もう少し時間が経つと、それは懐かしい光景に変わるかもしれません。

スローフードの発祥地でありスローライフな国、イタリア。

皆さん、見事に進行を崩して、キヨミさんに寄り道の醍醐味を教えてくれます。

確かに、まっすぐに伸びる高速道路をスピードあげて走りぬくより、田舎道のほうが楽しいかもしれません?

今だから言えることですが・・・

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2010年6月 3日 (木)

ちょっと低気圧

今日は

ティティです。

「ほら、家畜は部屋に入った、入った・・・」

レストランの閉店準備、
電気や戸締り確認と同時に猫のティティを事務所に入れて、ドアの鍵をかけるパトリッツィオ。

「ちょっと~、家畜って呼び方しないでよ!猫格あるティティは私達の家族でしょ。名前で呼んで頂戴!」とkiyomiさんはブツブツ呟きます。

「何言ってんの?kiyomi
猫を人間扱いするということは、猫にとって侮辱だよ!猫は人間よりも偉いと思ってんだからな。(人間は、規則正しく餌を給仕して、トイレを掃除して、撫で撫でして、猫に奉仕するもの)ってね」

そうかもしれない・・・

ここ数日というもの、インポータの方からかかる携帯電話で目が覚める毎日。

「お早うございま~す。寝てました?」

日本は昼過ぎでも、イタリア現地は7時間遅れ。

ベットから手探りで携帯を探し、寝起きホヤホヤ感を隠そうと、声に力を込めて応答しますが、かえってそれが間抜けで笑われてしまいます。

問題が生じたから、メールではなく携帯に直接連絡がかかってくるわけで、そんな電話の掛け主の声も緊迫気味。

それをイタリア側の取引先に伝えると、彼らの感情をストレートにたたきつけられてしまい、八方塞がり状態に陥ります。

フィレンツェ在住の日本人の友達いわく、

「言っちゃ悪いですけど、kiyomiさんには言いやすいんですよ。女だし・・・・」

猫と人間。同じ「女」でも大違い。

猫のほうが優雅な生活を送ってるような気がする今日この頃。

いけない、いけない!

くだらないこと考えないで、乗り切るぞ!

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2010年6月 1日 (火)

我がトスカーナ

今日は

ティティです。

「ボナセーラ」

2組のイタリア人家族グループが訪れました。

「ボナセーラ、どちらの人?」

「フィレンツェだよ」

同じトスカーナ圏内、同郷の気持ちで歓迎しながらも、隣町には劣りたくない、という自負心も芽生える微妙な関係です。

彼らが肉料理を平らげた頃、ダリオ君が厨房に現れました。

「僕達、kiyomiの話題にも触れたんだ。
ちょっと顔出してきてよ」

「了解・・・」

照れ隠しに、大きめな声をあげてお客様のテーブルに登場します。

「お味のほうはいかがでしたか?」

「美味しかった!トリッパ、最高だね」

フィオレンティーナの舌に適って一安心。

がっちりとした体格の男性に向って、
kiyomiさんは問いかけます。

「あなたは、シェフですか?」

「いや、運送関係です」

「どの地域を運転しているんですか?」

彼の体型から、トラック野郎を連想したダリオ君は、
人懐っこく尋ねます。

「管理職だよ。
プラダやグッチなど、ファッション関係専門の輸出を手がけているんだ。
だから日本のお客様も沢山いるよ。
先週、大事な取引先のS氏が我が社に訪れてね、日本から事務所にかかってきた電話をS氏につなぐと、彼はピーンと規律して受話器を片手に持ったまま
(ハイッ、ハイッ)とお辞儀してるんだ。
電話回線で1万キロ離れた相手に向ってだよ!
日本人の礼は徹底しているぞ」

日本人が挨拶の際にお辞儀をすることは知っていても、実際、その現場を目の当たりにするイタリア人は、
その頻度に驚きます。

先日、日本旅行を楽しんだミケーレとアリアンナもこの件に触れていました。

「私達ね、飛行場でお辞儀する人を眺めながら何回お辞儀するか数えてみたのよ。1回、2回、3回・・・・
結局12回、頭下げてた」

日本を訪れたことがあるイタリア人の定番話題ベスト3は、

公共施設、特に公共トイレが徹底してきれいなこと

交通機関が1秒の狂いもなく発着・到着すること

仕草が丁寧で、相手に対して礼があること

「翌日の朝、S氏の待つホテルに10分遅れて到着したんだ。渋滞とか何とかで、そんなの当然だろ?
その日の仕事を終えるとS氏から、

(夕食を一緒にいかがですか?)と誘いがかかった。
一度家に戻り、シャワーを浴びてS氏のホテルに定刻どおり到着したんだ。
すると30秒遅れて彼の部下がロビーに現れた。
S氏は腕時計に目を落とすと、部下に軽い拳骨をくらわせたんだよ。それを見て、青ざめたね。
(今朝、俺は10分も遅れてしまった・・・・)って」

「張り倒しに相当する失礼だな」
とパトリッツィオが楽しそうに口を挟みます。

彼の話に刺激され、隣に座る友人も時間にまつわる体験談を語ります。

「僕なんて、この前仕事でシチリアに行ったけど、すごいよ、シチリア人。電車の到着が1時間遅れたから駅員に抗議したら、(1時間くらいどうってことない。このまま4時間も到着しないようだったら本部に連絡を入れやる)ときたよ。仕事の移動では、頭にきっぱなしだったよ!」

その後、彼らが出張で訪れた国々を巡回し、トスカーナに話題が戻りました。

「色々な国を知れば知るほど、トスカーナの景観に惚れ直すんだよ」

「俺もトスカーナ人であることを誇りに思う」

「そうそう。北イタリアの奴らみたいにエコノミックに染まらず、また南イタリアのようにマフィアと宗教の支配も受けず、トスカーナの生活こそが人間的だよな」

「そうそう。世界で最初に死刑廃止の規定を定めたのもトスカーナ大国だ」

「そうそう。その昔メディチ家はイギリス王室に莫大な融資したほどの盛況ぶりだった」

そうそう!

そうそう!

トスカーナの同士は自国の自慢話をつまみに夜更けまでワインを楽しみます。

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