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2010年2月21日 (日)

キャンティクラッシコ

先日行われたキャンティクラッシコのテイスティングは、非常に興味深いものでした。

キャンティクラッシコのワインが359本揃う会場で、
あえて、自分のテーマに沿ったワインのみを選び、テイスティングに臨みます。

広大なキャンティクラッシコの生産地。

ゾーンが変わるとワインの個性も変わると言われ、
テロワール(葡萄の生育環境)がワインの味に現れる、
といいますが、それは具体的にどういうことなのか?

標高の高い畑と低い畑では、酸味の違いがどれほど現れるのか?、

伝統的な葡萄品種を使用したワインと、外国品種を混醸したワインの印象はどれほど違うのか?

大樽のみを使用して作られた伝統的手法のワインと、バリック(小樽)で熟成されたワインのボリューム、味わいはどのくらい違うのか?

同じゾーン、同じ標高に位置する2つのワイナリー。
同一の葡萄品種を用いて作った同年のワインは味が似ているが、やはり、口中で広がるボリュームと余韻に向けた力強さが違う。これがワイナリーのポテンシャルなのか?

テイスティングを進めながら、事例を実証しているケースに納得したり、または事例を覆すような結果に驚き、その理由を考えたり・・・

5時間ほど経つと体がワインを拒否し始めたので、数をこなすことなく切り上げました。

唐突ですが、
ショパンコンクールの優勝者には異端的と評されるビビッドな技法を披露するピアニストもいれば、内面的な世界を繊細に表現するピアニストまで、いろいろな奏者がいます。

ワインも「キャンティクラッシコ」という同じカテゴリー内で色々な表現が存在し評価されます。

いろいろな奏者の演奏を聴き比べることで、より、ある奏者の個性が鮮明に見えてくるように、キャンティクラッシコも、かつて、アメリカ人好みのアタックが強い溌剌としたワイン作りに迎合した時期があったからこそ、今のキャンティクラッシコの全体の傾向を感じとることができました。

キャンティクラッシコ地区に昔から存在する伝統的な葡萄品種を使い、土地の味を出していこう、という作り手のここ数年の意識がワインに表れていた今回の試飲会。

美味しい、と感激するキャンティクラッシコからは、
ベローナのアレーナ野外オペラ劇場が連想されます。

美しく澄んだ声が何の制約もなしに空に響き渡る。

グラスからは筋の通った、あくまでも柔らかく太い声が自由に放たれ、
それは、葡萄そのものが生まれ持ったタレントに加えて、地道な訓練を続けたからこそバランスを調整でき、心地よい響きを奏でられる成果。

そんな芸術の営みを感じました。

さて、今日はブルネロの試飲会です。

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