いつものアクアボッラ
今日は
ティティです。
12時半。
いつもの白いトラックがアクアボッラ目掛けてやって来ます。
近くにある農協から1週間の仕事を請けた二人の大工。
痩せ型の男性はルーマニアからの出稼ぎで、
筋肉質の若い方はルッカの出身。
朝早くから日没まで、
冷たい空気にさらされ肉体労働に打ち込みます。
家族と離れ見知らぬ土地で過ごすそんな彼らに温かなひと時を味わってもらおうと、毎日、大盛で彼らを御もてなしするkiyomiさん。
「すいませーん、パン、お替り!」
お皿に残るソースをパンで丁寧にぬぐい、
真っ白なお皿が厨房に戻ります。
パトリッツィオやダリオ君と冗談話を交わしながら珈琲を飲みすと、「ご馳走さ~ん」と現場に戻っていきます。
さて、彼らに続き、ファミリーが1階に降りてきました。
「もう、全部たいらげたのかい!」とパトリッツィオ。
ランチをたらふくたいらげた7歳と5歳の少女達は、
これからノンスットップで走り回る体制が整いエンジンを噴かせます。
「ほら、風船あげるよ!膨らませられるかな?」
パトリッツィオから受け取ったハート型の風船に息を吹き込むパパさんも楽しそう。
「パパ、パパ、早く頂戴よ」
「何だよ、おい~、パパさんが一番喜んでるじゃないか!」
そのまま二人の少女はピョンピョン飛び跳ねながら表に飛び出していきました。
「有難う、また近いうちにね!」
静けさが戻り、お次はエルミニオがインド人の彼女と一緒にお会計です。
「ねえ、パトリッツィオ、彼、アメリカに行ってたんですって!」とkiyomiさんが口添えすると
「見りゃ分かるよ。アメリカ人みたいじゃないか!」
とパトリッツィオ。
短い台詞で笑いを得るのが上手です。
シエナの伝統菓子〈パンフォルテ〉のセールスをする小柄な彼は度の強い眼鏡をかけ、レンズ越から覗き込む真ん丸い目から愛嬌がにじみ出ます。
そんな彼が趣味としているバンド活動も最近は本業となってきたようです。
「アメリカで歌ってきたんだよ。ブルースさ。アメリカ人バンドの中では、あえてオ・ソーレ・ミオとか、ヴォラーレみないな馴染みのある曲のほうがウケルと思ったんだけどね」という彼にパトリッツィオが透かさず口を挟みます。
「やっぱり、シエナの歌を歌うしかないだろ!
~カンポ~広場に~草~生えりゃ~・・」
彼の勢いよく外れた音程に思わずティティがうっすら目を開き、三角の耳を折りたたむように丸く体制を整えてはまた眠りにつきます。
さて、本日のランチは終了。
ソファーに寛ぎテレビをつけると、東京で行われているアイススケート選手権大会の様子が放映されています。
早速観賞することにしましょう。
中国人優勝ペアの演技が始まるとパトリッツィオは既に涙目。
実は、バックに流れるアルビノーニのアダージョにとても敏感に反応してしまうのです。
さて、優勝した中国ペア申雪 趙宏博組の映像をご覧になりたい方、こちらをクリックしてください。 http://www.youtube.com/watch?v=AFGRSQO6Qng
安定したダイナミックな演技は素晴らしいです。
(09-10フィギュアスケートGPシリーズ・ファイナルより)
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