あひるのソース
今日は
ティティです。
イタリアのクリスマスはまさに日本のお正月ムードそのもの。
25日に向けてあれだけ加速したパーティー気分もひとまずトーンダウンしたものの、暫くはクリスマスの飾りと共に穏やかなお祝いムードはまだ続きます。
クリスマスメニューの営業を無事に終え一息ついたところで、お次の予約グループの準備にとりかかります。
こちらのグループはあひるソースのパスタをリクエストしてきました。
Kiyomiさんにとって初チャレンジのメニューです。
「パトリッツィオ、明日はあひるのソースをテスト調理するわよ!」
とkiyomiさん。
「そうか!まずはアヒル探しからだな。
自ら、身を捧げます
というアヒルを見つけることが美味しいソースの秘訣。
‘わたしゃ、まだゴメンだね’とあひるに首を振られ続けるとkiyomiは料理できません」
「ちょっとー、料理の動物に感情移入しないでくれる?
料理しにくいでしょ!」
そんな会話に三角の聞き耳をピンと立てながら、ティティはいつもの猫寝入り。
まだまだ料理歴が浅いkiyomiさん。
初メニューの取り組みには慎重です。
まずはレシピを10くらい用意し、それぞれの共通点の洗い出し。
お次は、各レシピが記すポイントや要注意事項、裏技などをまとめて一つのレシピに仕上げたらテスト開始。
中には同じ名前の料理でも、バリエーションが多いものもあります。
例えば、トスカーナの郷土料理の一つでもあるTRIPPA(トリッパ/牛の胃の煮込み)。
アクアボッラのように地元客の来る食堂には欠かせないメニューの一つですが、地元客の馴染みある料理ゆえに、プレッシャーもあります。
『本物のトスカーナ料理大辞典』 を開くと、そこには
フィレンツェ風トリッパ
モンタルチーノ風トリッパ
ピサ風トリッパ
シエナ風トリッパ
トリッパのジャガイモ添え
トリッパのZIMINOソース(小さい八目うなぎのソース)
トリッパと子牛の足の煮込み
などが写真つきで掲載されています。
さて、どうしよう!
わざわざお金を出して食べに来てもらうからには、ちょっと変わったものを楽しんでもらうのがいいのかしら?と思いつつも、無難な〈シエナ風トリッパ〉を選択します。
ソーセージやエストラゴンの香草、ペコリーノチーズやバターなど、他のメニューのレシピにはない素材を使いますが、これがなかなかのボリューム。
「美味しい」と褒めてくれるお客様もいれば、
「本来のトリッパにはソーセージなんて入れないぞ!」
と拘るお客様もいて賛否両論です。
そんなテーブルの声も聞きながら料理はアクアボッラ風オリジナルに仕上がっていきます。
さて、アヒルソースのパスタ。
これからどのようにアクアボッラ風に仕上がっていくのでしょうか?
お客様から戻ってくるお皿を観察しながらアクアボッラ風メニューが決定していきます。
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