年末プレゼント
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今日は
ティティです。
いよいよ2009年も大晦日を迎えましたね。
イタリアでは大晦日の夜、とにかく食べまくります。
そして、カウントダウンで新年を迎えるとスプマンテを威勢よくあけ、「AUGURI ! (アウグーリ/おめでとう!)」と呼び合いながら乾杯と挨拶を交わします
さて、毎年アクアボッラでは大晦日のディナー営業をしていましたが、今年は、シエナに住むペルー人がアクアボッラを借切りパーティーを主催したいとのこと。
ドリンクや食事、お皿やコップも彼らが持ち込むとの提案を快く受け、楽な気持ちで構えていたのですが、
30日の夜に受けた1本の電話が、のどかな空気の流れを変えました。
「フム、フム・・・・・Si si・・・50?・・・
それで、いくらなら払えるの?一人頭
・・・・フム、フム・・・・・Si si・・・」
電話を切ったパトリッツィオにkiyomiさんは問いかけます。
「今の電話、何?」
「明日、50人分の料理、宜しく!彼らが手配していたコックが急に都合つかなくなったらしいョ」
やっぱり、アクアボッラ。
予定通りに進まないのがイタリアですが、
アクアボッラは特にその点に忠実です。
しかし、
降りかかる些細な挑戦をも楽しんでしまうのもイタリア。
終わり良ければ全てよしと運びましょう!
さて、今年の夏から始まったブログ『シエナで乾杯』に皆様お付き合いいただけまして有難うございます。
この1年、アクアボッラは皆様からのご支援に支えられ頑張ることができました。
感謝の気持ちで一杯です。
これからもどうぞ、宜しくお願いいたします。
今年の締めくくりとして、
頑張った自分自身にSalute (サルーテ/乾杯)!
お世話になった皆様の健康を祝して、Salute(サルーテ/乾杯)!
お世話になった2009年にSalute (サルーテ/乾杯)!
今日は
ティティです。
イタリアのクリスマスはまさに日本のお正月ムードそのもの。
25日に向けてあれだけ加速したパーティー気分もひとまずトーンダウンしたものの、暫くはクリスマスの飾りと共に穏やかなお祝いムードはまだ続きます。
クリスマスメニューの営業を無事に終え一息ついたところで、お次の予約グループの準備にとりかかります。
こちらのグループはあひるソースのパスタをリクエストしてきました。
Kiyomiさんにとって初チャレンジのメニューです。
「パトリッツィオ、明日はあひるのソースをテスト調理するわよ!」
とkiyomiさん。
「そうか!まずはアヒル探しからだな。
自ら、身を捧げます
というアヒルを見つけることが美味しいソースの秘訣。
‘わたしゃ、まだゴメンだね’とあひるに首を振られ続けるとkiyomiは料理できません」
「ちょっとー、料理の動物に感情移入しないでくれる?
料理しにくいでしょ!」
そんな会話に三角の聞き耳をピンと立てながら、ティティはいつもの猫寝入り。
まだまだ料理歴が浅いkiyomiさん。
初メニューの取り組みには慎重です。
まずはレシピを10くらい用意し、それぞれの共通点の洗い出し。
お次は、各レシピが記すポイントや要注意事項、裏技などをまとめて一つのレシピに仕上げたらテスト開始。
中には同じ名前の料理でも、バリエーションが多いものもあります。
例えば、トスカーナの郷土料理の一つでもあるTRIPPA(トリッパ/牛の胃の煮込み)。
アクアボッラのように地元客の来る食堂には欠かせないメニューの一つですが、地元客の馴染みある料理ゆえに、プレッシャーもあります。
『本物のトスカーナ料理大辞典』 を開くと、そこには
フィレンツェ風トリッパ
モンタルチーノ風トリッパ
ピサ風トリッパ
シエナ風トリッパ
トリッパのジャガイモ添え
トリッパのZIMINOソース(小さい八目うなぎのソース)
トリッパと子牛の足の煮込み
などが写真つきで掲載されています。
さて、どうしよう!
わざわざお金を出して食べに来てもらうからには、ちょっと変わったものを楽しんでもらうのがいいのかしら?と思いつつも、無難な〈シエナ風トリッパ〉を選択します。
ソーセージやエストラゴンの香草、ペコリーノチーズやバターなど、他のメニューのレシピにはない素材を使いますが、これがなかなかのボリューム。
「美味しい」と褒めてくれるお客様もいれば、
「本来のトリッパにはソーセージなんて入れないぞ!」
と拘るお客様もいて賛否両論です。
そんなテーブルの声も聞きながら料理はアクアボッラ風オリジナルに仕上がっていきます。
さて、アヒルソースのパスタ。
これからどのようにアクアボッラ風に仕上がっていくのでしょうか?
お客様から戻ってくるお皿を観察しながらアクアボッラ風メニューが決定していきます。
Auguri di Buon Natale !
(クリスマスおめでとうございます)
皆様に幸せが降り注ぎますように。
皆様のご自宅にコンサートのプレゼントです。
こちらをクリックしてください
http://www.youtube.com/watch?v=YvdX5Ht3U9w&feature=PlayList&p=2FFFE60734BC488D&index=0&playnext=1
http://www.youtube.com/watch?v=dl3F3TjNf-A&feature=related
kiyomiさんのアパートの窓からの眺め
今日は
ティティです。
朝、窓から外を眺めると一面真っ白な雪景色。
コマーシャルやニュースがクリスマスのプレゼント商戦をけたたましく報道する中、この雪景色は、クリスマス本来の神聖な空気を運んでくれました。
さて、こちらイタリアでは、家族や親戚たちと内輪でクリスマスを過ごします。
日本人のお正月の過ごし方と似ていますね。
その昔、クリスマスを共に過ごす家族のいないkiyomiさんは友人のレーダちゃんとローマへの旅行を企てました。
奨学金を得てシエナ大学で勉強する真面目な学生、レーダちゃん。
しかし、犯罪を犯す移民としてイタリア人に敬遠されているアルバニア人である彼女は、イタリア人の彼の家族から受け入れられず、クリスマスに招待してもらえません。
そんなレーダちゃんに「一緒にローマでも行かない?」と提案するkiyomiさん。
一瞬の驚きを見せ、目をキラキラさせながら「素敵!」と応えます。
12月25日、ちょっと頑張って予約してみた4つ星ホテルにチェックインです。
「すごーい!すごーい!」と興奮気味のレーダチャンは友達や彼に携帯で状況報告に忙しそう。
「ねえ、kiyomi。冷蔵庫の中には小さな小瓶の飲み物があるわ!テーブルの上にチョコレートもある!コレ、お土産になるわね!」と手を伸ばすレーダちゃんに慌てるkiyomiさん。
「ダメダメ!それぞれに料金がついているんだから!」
「こんなところにチョコレート置かれたら、誰だって食べちゃうわよ!売り物だったら置かなければいいのにね?・・・ねえ、バスローブがこんなにフワフワ!これ、お土産に持って帰ってもいいわよね。だって、高い宿泊料なんだもん、これくらい持って帰ったっていいわよね?」
「ダメダメ!」
はしゃぐレーダちゃんを、まるで親戚の叔母さんになったような気持ちで見守るkiyomiさん。
ホテルを後にして、ローマ法王の祝辞のあるヴァチカンへ向います。
ヴァチカンの広場を埋め尽くすのは各国からやってきた外国人の小グループの群れ。
法皇がそれぞれの国の言葉で祝辞を述べると、あちらこちらから声援が沸き起こります。
感激屋のレーダちゃんとその後も楽しくローマを観光するうちに、明日、このままシエナに戻るのが惜しくなってきました。
「レーダちゃん、明日はシエナに戻るけどその前に、ナポリでピザを食べてから戻りましょう!」
この提案にも「賛成!」と歓喜の一声。
12月にしては温かく、海沿いのピッツェリアの屋外席でピザを平らげ、近くの海岸線を散歩です。
沢山の野良猫たちがスパゲッティをガツガツと頬張る脇を進み、ヨットハーバーへ。
「これ、私のヨットよ!」というポーズで写真を取り合います。
女性二人の道中。喫茶店でも、道端でも、電車の中でも、南イタリアの男性は気さくに話しかけてきては他愛ない話を交わすので、他所の土地にいる旅行者ですが、気分が暖められます。
存分に楽しんだクリスマス旅行も終結に近づいてまいりました。
二人を乗せた電車は間もなくシエナに到着です。
その当時、kiyomiさんの住んでいるアパートは、シエナのひとつ手前の駅から徒歩1分。
〈この電車、シエナの一つ手前で停車してくれたら助かるんだけどな~〉
二人で操縦室に向かい、頑丈なドアをノックします。
少々驚いた様子でドアを開ける年配の車掌さん。
運転手も、年配のイタリア人です。
「すみません、シエナの一つ手前で停車しますか?」
「ノー。シエナまでノンストップだよ。」
「私たち、シエナの一つ手前の駅で降りたいんです・・・」
「この電車は、その駅には停車しないんだよ」
少々気落ちして席に戻りますが、暫くして、車掌さんが緊張した面持ちでやってきました。
口に人差し指を当て「静かに」と合図をすると、他の乗客に気づかれぬように手招きをします。そんな車掌さんの後に二人はそっと続きます。
「いいかい、完全に停めるわけにはいかないんだよ。電車のスピードを減速するからね。素早く飛び出すんだよ、いいね?」
沢山の鍵が連なったチェーンから一つのドアの鍵を探しながら、力を込めて小声で話す車掌さん。
「キャー!」
二人も、押し込めた叫びを挙げ、大喜び。
カバンの中からキャンディーやビスケットなど全てのお菓子を差し出し、
「良い、クリスマスを!」
と感謝の挨拶を交わすと、ポーン、ポーンとホームに飛び降りました。
さて、そんなクリスマスを一緒に過ごしたレーダちゃんも2月にはベイビーが誕生です。
もう、彼女とクリスマス旅行をすることは当分ないでしょう。
このクリスマスに受けた沢山の愛情は、素敵なプレゼントとしていまだ心に大事に残っています。
今日は
ティティです。
不定期なパトリッツィオの登場です。
11月17日、そして12月1日のブログではシエナで見かける日本人観光客についてコメントを述べた彼。
今日は逆の視点、日本でのイタリア人観光客についてのコメントです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
規律正しくグループに従い、興味を惹かれるものは直にカメラに収めようと準備万端の日本人観光客。
シエナで見かける彼らは、常に笑顔で親切です。
そんな彼らを見続けたお次は私の番。
幸運にもKIYOMIと知り合ったお陰で日本に旅行することができました。
マルコポーロによって伝えられた神秘の国、ジパング!
マダムバタフライの魅惑の地!
早速、成田空港に到着です。
「観光ですか?お仕事ですか?」
入国審査では、係りの女性が愛想のよい笑顔で親切に問いかけてきます。
「観光です」
と答えると、彼女の表情は一瞬にして変わり、
慎重な態度で私をもてなします。
この雰囲気はまるで捜査のよう。
「ビジネスで」と応えたほうが良かったかもしれません。
KIYOMIは上野公園に近いホテルを手配してくれました。
一人、TOKYO散策を試みますが・・・
公園名が見当たらない!
街路名の表示と建物のナンバーが分からない!
道に迷ったらどうしよう?
誰かに尋ねるわけにはいきません。
まず第一に、言葉が分からない。
次に、ほぼ全てのガイドブックに日本でのタブーとして、
〈道を尋ねてはならない〉
〈公の場で鼻をかんではならない〉
〈愛情表現を慎み、手をつないではならない〉・・・
と記されているのです。
イタリアではごく普通の行為が不作法とされ、
お茶やスープを音を立てて飲み干すといったイタリアでは不作法とされていることが、日本ではお勧めとされている。
本当に、反対側の国に来たぞ!
とりあえずホテルに留り、イタリア語の日本ガイドをもう少し読むことにしよう。
ベッドに横たわるが、とても小さくて足がはみ出てしまうのが少々残念。
さて、既に開かれたジパング情報をインプットしていくが、未来のジパングネタを発見!
日本のWCの便器に驚きました!〈続き〉
今日は
ティティです。
12月10日(木)、イタリアで流れたニュースをご紹介しましょう。
ニュースの模様は、こちらをクリックしてください。
http://tg24.sky.it/tg24/cronaca/2009/12/10/napoli_rubato_albero_di_natale_in_galleria_umberto_i.html
ナポリにて昨晩、ウンベルト1世のガッレリア(十字型のアーケイド)にあるクリスマスツリーが盗まれました。
盗まれたもみの木は10メートルほどあり、恐らく重量のある手段で持ち運ばれたものと思われます。
ナポリの中心地、高級店が並ぶガッレリアでクリスマスツリーが盗まれるのはこれが初めてではありません。
ツリーは今朝、隣のスペイン地区にて、警察によって発見されました。
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盗まれたツリーの跡にナポリ市民が残した手紙が叶ったのでしょうか?
手紙には、このような内容が書かれています。
『純粋なナポリ市民は降伏しない。お前たちは私たちの癌だ!』
いとしのサンタクロース様
愚かで恥ずかしい盗みを侵したものにお渡し下さい、そして早く何かしらの形で罪の代償が与えられますように。
このようなある種の動物がいる限り、この街は成長しません。
純粋なナポリ市民は、この卑しい連中とこの街に共存することに疲れています。
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さて、以前、パトリッツィオと友人のガブリエーレがニュースを見ながらこんな会話をしていたことを思い出します。
「何だよ~、お婆さんのブレスレット目当てに強盗かい?嫌になっちゃうよなー。
俺、人間でいることが恥ずかしいね。
イヌのほうが節度があるんじゃないか?」
と嘆くガブリエーレにパトリッツィオも相槌を打ちます。
「今度、病院に行って《転換したいのですが》ってお願いするんだ。
俺のことをマジマジと見つめて、《性転換ですか?》と尋ねる先生に向って、
‘ いえ、しっぽ付けて下さい’ って言うの、どう?」
今日は
ティティです。
「ポッシアーモ、マンジャーレ、クアルコーザ?
何か食べれますか?」
はじめて来店するカップルが馴れない店内を見渡します。
早速、2階のテーブル席を案内するダリオ君。
この時点ではKiyomiさんもパトリッツィオも、のんびりと構えます。
「メニューをどうぞ。今日の肉料理はオッソ ブーコです」
ざっとメニューを目で追い、
「お勧めは何ですか?」と問いかける。
これが、初めて来店するお客さんのオーダーパターンです。
そこからダリオ君の講演が始まり始まり。
1ページ目のトップに書かれたメニューは前菜の盛合わせ「Dionisio/バッカス」
「トスカーナ産の生ハム、サラミ、そしてカポコッロ、
ピエンツァ産の羊のチーズ、キッシュ、今日はオニオンです。そしてカナッペはオリーブとツナのペースト、そして・・・・・・」
前菜盛り合わせの詳細な説明に続き、
お次はトスカーナの名物パスタのご説明。
「ピーチとは小麦粉と水で作った太麺パスタです。
タリアテッレは卵を混ぜて作った平麺のパスタ、
スペルト小麦のパスタは乾麺で・・・」
淡々と説明は続きます。
パトリッツィオがオーダーをとる場合はいたって簡単、誘導的。
「ピーチを試して下さいよ。ニンニクと赤唐辛子がきいたトマトソース味は定番中の定番。美味しいですよ。もしくは、トスカーナ産ペコリーノチーズを絡めたカーチョ・ペーペも名物です。さあ、どちらにします?」
「私はカーチョ・ペーペ」
「じゃあ、私も」
お客様はメニューを開かぬまま彼のアドバイスに従います。
親子とは思えぬほど、パトリッツィオのリズムとは対称的なダリオ君。
やっと食事のオーダーが決まると、今度は飲み物のお伺いです。
「お水はガス入りですか?ガスなしですか?」
「ガスなしで」
「冷蔵庫で冷えたものが宜しいですか?
それとも常温が宜しいですか?」
「常温で」
やっと全ての注文を伝票に書き終えたかと思いきや・・・
「音楽は、モーツアルトが宜しいですか?それともラジオを流したほうが宜しいですか・・・・」
そんな彼のリズムをイライラして待つkiyomiさん。
「ちょっと~!世の中はあんたのリズムについてけないわよ!」と目くじらを立てますが、お会計を終えて店を出るお客様は、そんな彼の接待にご満悦の様子です。
「ダリオ君の丁寧で親切なサービス、有難う。こんないい子、滅多にいませんよ」
時折、若いカップルやご年配の夫婦に会話がなく、
静まり返ったテーブルがあります。
そんな彼らに近寄っては親しげにオシャベリをするダリオ君は、テーブルの空気を温めます。
引きこもりで高校を中退し、その後アクアボッラで皿洗いとして働き始めるダリオ君。
最初の頃は奥にこもり、お客様に料理を運ぶことを固く拒否していましたが、今ではお客様がくるとテーブルについては話題が途切れることはありません。
Kiyomiさんはイタリアに留学する前に銀座の高級イタリアレストランでアルバイトをした経験があります。
ある日、夜の仕事を終えてソムリエ達と近くの居酒屋で飲み会をしていると、レストランの常連客が入ってきました。
通常、ソムリエバッチを輝かせスマートな笑顔で接客しているソムリエたちは居酒屋で見かけるお客様に動揺し、身を隠します。
高級レストランで演出するサービスをこの居酒屋で披露するのは滑稽です。
加工品のように、パターン化されたサービスもありますが、ダリオ君のようにオリジナルの天然サービスもあります。
どちらが相応しいかは、その職場のラインの流れとお客様の満足度によって決まることでしょう。
マニュアル化されたサービスに慣れていたkiyomiさんですが、天然の味をダリオ君から学ぶ、今日この頃です。
今日は
ティティです。
12時半。
いつもの白いトラックがアクアボッラ目掛けてやって来ます。
近くにある農協から1週間の仕事を請けた二人の大工。
痩せ型の男性はルーマニアからの出稼ぎで、
筋肉質の若い方はルッカの出身。
朝早くから日没まで、
冷たい空気にさらされ肉体労働に打ち込みます。
家族と離れ見知らぬ土地で過ごすそんな彼らに温かなひと時を味わってもらおうと、毎日、大盛で彼らを御もてなしするkiyomiさん。
「すいませーん、パン、お替り!」
お皿に残るソースをパンで丁寧にぬぐい、
真っ白なお皿が厨房に戻ります。
パトリッツィオやダリオ君と冗談話を交わしながら珈琲を飲みすと、「ご馳走さ~ん」と現場に戻っていきます。
さて、彼らに続き、ファミリーが1階に降りてきました。
「もう、全部たいらげたのかい!」とパトリッツィオ。
ランチをたらふくたいらげた7歳と5歳の少女達は、
これからノンスットップで走り回る体制が整いエンジンを噴かせます。
「ほら、風船あげるよ!膨らませられるかな?」
パトリッツィオから受け取ったハート型の風船に息を吹き込むパパさんも楽しそう。
「パパ、パパ、早く頂戴よ」
「何だよ、おい~、パパさんが一番喜んでるじゃないか!」
そのまま二人の少女はピョンピョン飛び跳ねながら表に飛び出していきました。
「有難う、また近いうちにね!」
静けさが戻り、お次はエルミニオがインド人の彼女と一緒にお会計です。
「ねえ、パトリッツィオ、彼、アメリカに行ってたんですって!」とkiyomiさんが口添えすると
「見りゃ分かるよ。アメリカ人みたいじゃないか!」
とパトリッツィオ。
短い台詞で笑いを得るのが上手です。
シエナの伝統菓子〈パンフォルテ〉のセールスをする小柄な彼は度の強い眼鏡をかけ、レンズ越から覗き込む真ん丸い目から愛嬌がにじみ出ます。
そんな彼が趣味としているバンド活動も最近は本業となってきたようです。
「アメリカで歌ってきたんだよ。ブルースさ。アメリカ人バンドの中では、あえてオ・ソーレ・ミオとか、ヴォラーレみないな馴染みのある曲のほうがウケルと思ったんだけどね」という彼にパトリッツィオが透かさず口を挟みます。
「やっぱり、シエナの歌を歌うしかないだろ!
~カンポ~広場に~草~生えりゃ~・・」
彼の勢いよく外れた音程に思わずティティがうっすら目を開き、三角の耳を折りたたむように丸く体制を整えてはまた眠りにつきます。
さて、本日のランチは終了。
ソファーに寛ぎテレビをつけると、東京で行われているアイススケート選手権大会の様子が放映されています。
早速観賞することにしましょう。
中国人優勝ペアの演技が始まるとパトリッツィオは既に涙目。
実は、バックに流れるアルビノーニのアダージョにとても敏感に反応してしまうのです。
さて、優勝した中国ペア申雪 趙宏博組の映像をご覧になりたい方、こちらをクリックしてください。 http://www.youtube.com/watch?v=AFGRSQO6Qng
安定したダイナミックな演技は素晴らしいです。
(09-10フィギュアスケートGPシリーズ・ファイナルより)
今日は
「もう、搾りたてオリーブオイルの販売は締め切りましたか?」
「ワインの注文は、まだ間に合いますか?」
というお問合せを最近よくいただきます。
当店では1年中、ワイン&オリーブオイルのご注文を受け賜っております。
ご入用の際にはどうぞお問合せください。
e-mail kiyomisiena@aol.com (おおたわ きよみ)
この度は、ワイナリーが自家消費用に瓶詰めした
「メルロー‘02」に、皆様からご好評の声をいただいております。
昨年、ニューヨークのインポータの方が全部買い占めそうだ、との情報を聞き、慌ててワイナリーにある在庫を全て買い占めましたが、沢山あった当店の在庫も100本を切りました。
本来、このワインはラベル無しの状態ですが、皆様のワインシーンに華を添えたく、ソフィアローレン、ショーンコネリー、リチャードギアなどの俳優がパスタを頬張る写真を添えてみました。
この冬、美味しいワインで気楽にホームパーティーをお楽しみになりたい方、
どうぞ、ご注文をお待ちしております!
今日は
ティティです。
11月17日付けのブログに続き、
今回もパトリッツィオのコメントをご紹介します。
イタリア人から見た日本人観光客への率直な感想をどうぞ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
シエナの街に日本人観光客グループの姿が定着したのは90年代です。
1時間でワインテイスティング、またはランチを済ませ、30分でカンポ広場に辿り着き、続いて30分の大聖堂見学へ・・・
日傘を片手にしたご婦人達はガイドに従い足早に街を駆け渡ります。
1000年の歴史を持つ街並みを2時間15分という記録的なスピードで駆け抜け、バス停からフィレンツェもしくはローマを目掛ける日本人観光客。
私達イタリア人にとって、バカンスとは、ノンビリと何もせずに過ごすこと、諺にもあるように、
A tavola non s’invecchia mai
《食事の間は年をとらない/食事の時間こそ人生最良の時》のごとくたっぷりと食事を楽しむこと、
そして気楽な読書、考古学、史跡巡りなどなど、ゆったりと時を過ごすという理解があるゆえに、日本の皆様の行動はとても印象的でした。
《地球の裏側から訪れたこの人達は、何故に全てのものをカメラに収めようと必死に歩くのか?》
恐らく、経済大国の成功の秘訣はここにあるのだろうか?
目的を達成するためには、努力を惜しまず犠牲を払う・・・・(続く)