« 秋の味覚セット 予告編 | トップページ | 桃太郎です »

2009年10月 2日 (金)

朝のカプチーノ

今日は

ティティです。

朝の8時半。

郵便局は、年金を受給する高齢者が列を成します。

「お早う、ピーナ」

窓口の郵便局員に向かい、威勢よくご挨拶。

「あら、ジーノ!お早う」

田舎の郵便局に勤める彼らは、大抵の高齢者の方を知っています。

「ジーノ、ここにあなたの生年月日を記入する必要があるんだけど、生まれはいつ?」

「大昔だ!」

「・・・ジーノ、生年月日、もしくは生まれた住所が必要なのよ」

「オ~、昔も昔、遡ること1929年。ナポリのサンピエトロの・・・」 と応えると

「私もですよ!」

いつも眉間に皴を寄せている郵便局員の男性がピーナの後ろに現れ、話しに便乗します。
この男性の強面の表情しか知らないkiyomiさん。
微笑む彼は、まるで別人のようです。

「坂が沢山あってのぉー、わしゃ、自転車でいつもあそこにおった。いい時代!」

郷土の情景を懐かむナポリ出身の彼ら。
列につくシエナの住民達は、お互いに目と目をあわせて微笑みを交し合います。

さてkiyomiさんの用件も済ませバス停に向うと、
一人のお婆さんがベンチに腰掛けていました。

軽く挨拶を交わし彼女の隣に腰掛け、カバンから手帳を取り出すと、お婆さんは自然な形で声をかけてきます。

「私の猫ちゃんも、同じ色なのよ」

Kiyomiさんの手帳カバーの猫を見て、上手く話しのきっかけを掴むお婆さん。

「それはそれは可愛いの。今朝もね、ベットに上がってきて前足でチョンチョンと私に触れて、ニャーって挨拶するの。それで目覚めたのよ。鶏のささみをこしらえてあげたのよ」

その後、動物愛護者の娘さんは中学校の教員をしているという話、精神病院から出てきた人が動物を虐待し、その犬を引き取った話、そして、今度の月曜日で2歳半だったお孫さんが亡くなってから丸2年が経つ話などなど、話が続きます。

「シエナの病院にいた頃は毎日お見舞いに行けたのよ。フィレンツェに移ってからは週に1回。でも、パレルモ(シチリア)の病院に移ってしまってからは会いに行けなくてね・・・・」

バスがやってきました。

「何時までにこれを仕上げ、ハイ、次はこれを片付けて・・・」
普段、時間を意識するあまりに、機能的な話題になりがちですが、
今朝は高齢者の方の会話に触れ、嬉しいこと、辛かったこと、ビックリさせられること、お孫さんのお世話の話などなど、活きた感情表現がたっぷり。

まるで一杯のカプチーノをゆっくり飲んでくつろいだような気分になりました。

コクのある深い味わいのエスプレッソ珈琲に、
ミルクの泡がふわっと乗ったカプチーノ。

彼らは、長年のコクのある人生に今日も柔らかな笑顔をぽっこりと乗せ、ゆっくりと美味くお喋りを楽しみます。

|

« 秋の味覚セット 予告編 | トップページ | 桃太郎です »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。