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2009年10月22日 (木)

B級、満足な休日

257_2 今日は

ティティです。
いま、いい夢みてる最中です。

「本当にここでコンサートがあるのかしら?」

当日券の発売開始は20時から。

まるで電気の消された時間外の校舎のように、
真っ暗に続く廊下。

その前で一人待つkiyomiさん。

始めは無愛想だった守衛さんともポツリ、ポツリと会話が交わされます。

今日のピアニストはカラブリア州出身の青年で、ピアノ暦5年目にしてデビューしてしまうという快挙ぶりに始まり、どういう道順を辿ってか、このオジさんの初恋は16歳でどんなに胸がキュンと高鳴ったか、という淡い話に至るまで、様々な話に耳を傾けるうちに時間がやって来ました。

予定通り20時を過ぎ、当日券を販売する女性スタッフがスクーターで到着。

守衛さんの口利きもあり、入り口で手早くチケットを購入すると、パトリッツィオと待ち合わせをしているマッシモの食堂へと駆け足で向かいます。

息を切らして店に飛び込むkiyomiさん。

「お~ぃ、ここ、ここ!」 の合図を期待しつつ店内を見渡しますが・・・!?

やはり、予定通り彼も到着していません。

テーブル席につくと一拍遅れでパトリッツィオが入ってきました。

さっそく男性が注文をとりに来ます。

「ワインはどうします?」

「テーブルワイン、半リットルね。お水はいらないわ。それと、時間がないからいきなりパスタを注文するわね、・・・」と言いかけるkiyomiさんの口調をさえぎる彼。

「オーダーはマッシモが来てとりますから。実は俺、この店に食べに来ただけの客なんですよ。こんな状況なもんで」

なるほど。

入り口側にある飲みかけのワインが置かれたテーブルは、彼の席だったんですね。

「可哀想!お腹すかしたまま働いちゃってる!」

こんな状況をイタリアでは笑ってしまう傾向がありますが、はたして、日本でも通用しますでしょうか?

暫くたって、オーナーのマッシモがやってきました。

「やー、参ったよ。ここんとこ暇だからスタッフを帰したら、これだもんな」 

「15人の対応、一人じゃ無理だよ」 とパトリッツィオ。

Kiyomiさんたちのオーダーをとり、
「さっき冷たく対応しちゃって、ゴメンな~!」 と若いカップルに呼びかけて厨房に戻っていきました。

さて、大盛パスタでお腹を満たし、いざコンサート会場へ。

ベートーベンのピアノソナタ「月光」をもって幕開けです。

静かなメロディーの調べとは相反して、パトリッツィオの寝息が高まってきました。

〈第三楽章の、ジャン!ジャン!と打つリズムに反応して、椅子から飛び落ちなければいいけど・・・〉

演奏を聴くことに集中できませんが、10ユーロのチケットというカジュアル感もあり、どこか納得しています。

その昔、カンポ広場でオペラを鑑賞していた時には犬が吠えていました。

そしてアンドレア ボチェッリのコンサートでは、セリエAの昇格決定時に重なり、バイクや車がクラクションを鳴らしてカンポ広場に入り込んで来たため、聴衆は拍手で彼の歌を支えるといった異常事態。

歌手の歌う最中に拍手を鳴らし続けたのは、これが最初で最後でしょう。

さて、終盤に近づくにつれ、若きカラブリアのピアニストのボルテージは昇りつめ、リストのマゼッパで幕を閉じました。

無名のピアニスト、10ユーロのチケット、マッシモの食堂、パトリッツィオの寝息・・・

コストパフォーマンスの良い休日に大満足。

このバランスが大事です。

それにしても、13歳からピアノのレッスンを始めたという青年マッシミリアーノ イエッツィ。
5年にして、こんな大曲を弾きこなしてしまうとは!

彼の映像はありませんが、最後の演目、リストのマゼッパとはこんな曲です。

興味のある方、こちらをクリックしてください。
http://www.youtube.com/watch?v=6Hlt5LWMKb4

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