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2009年7月

2009年7月30日 (木)

食欲の夏

066 今日は

ティティです。

今晩の予約は、46名。

鹿の狩猟の会の皆さんです。

この手の大食漢な男性客は得意中の得意!

夜の8時といえども、まだ暑が残るトスカーナ。

まずは、パンツァネッラからスタートです。

硬くなったパンを利用して作るこのパンのサラダは、貧しい農民の知恵から生まれたトスカーナの郷土料理。

一度水に浸したパンをギュっと搾り、
大き目の容器にパラパラと入れていきます。

その中に、トマト、玉ねぎ、セロリ、黒オリーブ、ツナ、バジル、ケーパーなど、
小口に切った生野菜を混ぜ合わせ、塩・胡椒で味を調え、オリーブオイルをまわしかけて出来上がり。

今日のお客様には、玉ねぎを多めに入れることにします。

次は、ニンニクと赤唐辛子とトマトソースのピーチ(ふと麺パスタ)。

ワイルドなお客様に合わせて、ニンニクをたっぷり入れますが、
同時にフレッシュなバジルもたっぷり添えて美味しさのバランスをとります。

お次は肉料理。

厚みのあるリブステーキは事前に下湯でしてあるので、とっても柔らか!

プルプルした脂身を強火でカリカリに焼き、
ニンニク醤油で香ばしく仕上げます。

お次は、深みある味わい
豚ロースト トリュフソース和え。

ポテトのオーブン焼きには、セージとニンニク、そしてチンタセネーゼ(生ハム)の脂身を入れて、
食欲を更に誘惑!

一人、厨房をコマ送りのように動き回るkiyomiさん。

うっかり、左腕がオーブンに触れて火傷の跡が付いてしまいましたが、コックの紋章のようで、ちょっと気に入ってます。

料理を作り終え、デザートやカフェのサービスに各テーブルを回ると、聞こえてくるは、狩猟シーンの話ばかり。

今年は鹿が発生しているので、彼らも忙しいのでしょう。

トスカーナには猪や鹿などの野生動物が生息していますが、農作物に被害を及ぼすからといって、簡単に撃ち殺してはなりません。

猪の場合でいいますと、
区画ごとに生息推定数が設けられ、
その数を上回る場合は、性別・年齢別に射止める数を算出します。

各狩猟グループは、自分たちに与えられた課題の対象のみを選んで射止めます。

また、生息数が減った場合は、
猪が住みやすい環境作りへと、保護活動にまわります。

さて、仕事を終えて車を走らせると、おとぼけ気味の野うさぎがいるので、荒い運転で追いかけます。

「車が恐ろしいってことが分かったら、
道端に出てくるんじゃないよ!チャオ チャオ~」

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2009年7月28日 (火)

人生、葡萄の木

005 今日は

ティティです。

シエナの住民のほとんどは、未だにマクドナルドのハンバーガーを食べたことがありません。

保守的なんです。

そんな彼らが、アジア女性kiyomiさんの作るトスカーナの郷土料理を食べに来るということは、常識から外れているとも言えます。

先日、アクアボッラに親子3人が訪れました。

「娘の大学卒業パーティーを考えているんですけどね」とお母様。

予算やメニュー内容など円滑に話が進みますが、最後にkiyomiさんが登場すると、彼らは動揺を隠しきれません。

「とりあえず検討して、連絡を入れます」

アクアボッラの電話番号が書かれたカードも受け取らず、足早に去っていきました。

よくあることです。

それゆえ、同じお客様がまた来店してくれて、

「美味しかった!スペシャルね!」と
kiyomiさんに褒め言葉を投げかけてくれるということは、とても深いことです。

その昔、シエナのエノテカで働き始めた頃、
英語、またはイタリア語でトスカーナのワインをお客様に説明して販売するということは、とても苦痛でした。

トスカーナに訪れたお客様にとって、
記念となるお土産ワインは土地の人間から勧めてもらいたい、とどこかで思うはず。

Kiyomiさんは、初めてアメリカ人にワインを販売した時のことを今でも鮮明に覚えています。

「信用してもらっちゃった!アジア人の私からワインを買っていったわ!」と大喜び。

「その調子だよ、kiyomi。会話より情報で勝負するんだ」

閉店後にパトリッツィオと乾杯したワインの味は最高でした。

さて、様々な乾杯シーンに登場するこのワイン。

葡萄の木は、あえて貧しい土地に植えられます。

根は、地中の水分と栄養分を探し、それを感知すると、そこに目掛けて深く深く伸びて生きます。

そうすることによって、葡萄の木がしっかりと固定され、栄養の供給が安定します。

Kiyomiさんも、イタリアに来てから養分を求めて根を伸ばし続けました。

パトリッツィオが年配のご夫婦にオーダーを伺っています。

「本当に、美味しいの?」 とご婦人。

「もう、それはそれはオェー、不味いですよ・・・
とにかくオェーですよ」 とパトリッツィオ

周りのテーブルのお客さんが、

「美味しいですよ」と笑いながらフォローします。

ワインを通じて、彼は『余裕』という栄養分も得たようです。

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2009年7月27日 (月)

カルボナーラ

054 お元気ですか?

バッカスです。

今日は食の話題です。


スパゲッティと聞いて、皆さんは何のソースを思い浮かべますか?

ミートソース、トマトソース、ジェノヴェーゼ、ボンゴレ、茸などなど・・・

沢山の味がありますが、「カルボナーラ大好き!」という方も多いのではないでしょうか?

卵とパルメザンチーズのクリーミーなコクに
ベーコンの塩気が見事にマッチしたこのメニュー。

今回は、イタリアの首都ローマの郷土料理である
「カルボナーラ」の誕生について、
いくつかの説をご紹介しましょう。

まずは、イタリアの独立戦争期、北イタリアを領有するオーストリア軍との戦いで活躍した「カルボナーリ党」に属するコックが生み出したとの説があります。

次に、1945年、第二次世界大戦終戦の頃、

ローマの食堂でアメリカ軍兵士が注文した「ベーコンエッグ」から生まれたという説もあります。ローマのシェフは、卵とベーコンの鍋を、味付けしてないスパゲッティーの皿と一緒にテーブルに運びました。すると、アメリカ人兵士は、出されたものを全部混ぜ合わせ、カルボナーラが誕生したそうです。

その他、ナポリのBuonvicino Ippolito Cavalcanti公爵が1837年に出版した「料理の理論と応用」に、現在のカルボナーラによく似たレシピが紹介されており、これが初めとされる説もあります。

最後に、カルボナーラの作り方をご紹介しましょう。

こちらをクリックしてください。http://www.youtube.com/watch?v=rXX1CuciMsw

ビデオはイタリア語ですが、こんなことを喋っています。

今日は。

私はジョルジョ カルーゾです。

今日は、イタリアの郷土料理、カルボナーラをご紹介しましょう。

材料はスパゲッティ ベーコン、玉ねぎ、卵、ペコリーノチーズ、パルメザンチーズ、塩、胡椒、オイルです。

フライパンにエキストラヴァージンオイルを注ぎ、玉ねぎとさいころ状に切ったベーコンを乗せ、火にかけ黒胡椒をふりかけます。

同時に(別の鍋で)パスタを茹で始めます。

卵を準備します。

農協で既に洗浄してますが、卵はサルモネラ菌を持ち運びやすいですから、念のため洗ってくださいね。

容器に、卵全部、パルメザンチーズ、ペコリーノチーズ、塩少々、そしてまた胡椒を振り掛け、よくかき混ぜてチーズを溶いてください。

(※)ここでいったん、フライパンの火を消します。
フライパンに茹で汁少々いれます。

アミノ酸がたっぷりだと、パスタが絡みやすいですからね。

茹で上がったパスタをフライパンに移します。
(※)ここで、火をつけます。

事前によく混ぜ合わせた卵ソースをパスタに絡めます。

(ポイント)
卵を入れてからは火を止め、余熱で絡めます。

また、茹で汁を少々加えてください。

私たちのカルボナーラの出来上がりです。

最後にまた胡椒をふりかけて、頂きます!

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2009年7月25日 (土)

そっとしといて!

今日は

ティティです。

「オーイ、女コック!野菜だよ~!」

クラクションを鳴らしながらバスコの車がやって来ます。

トランクの中から、レタス、チコリ、ズッキーニそしてキュウリを取り出すkiyomiさん。

「あ~赤玉ねぎがある!重宝するから沢山もらうわよ!」

「ノーノー!玉ねぎは高いから、ちょっとしかあげられないよ。ちょっとだよ!」

バスコにハウスワインを2本ほど渡し、レタスを洗い始めるといつものようにハサミ虫がボールの中で大慌て。

ついさっきまで土の上で暮らしていた彼らは、突然水の中に浸されて何だか可哀想です。

そんな彼らを葉ですくい上げることも加わり、レタスの洗浄には少々時間がかかります。

「地球には沢山の命が共存しているのに、俺たち人間だけだ。許可無しに他の生命を奪っているのは!」

動物保護の精神を持つ心根優しいピーノが拳でテーブルをバンッとたたきます。

動物が大好きなkiyomiさんは、猪肉の塊に包丁を入れる時は、
「感謝をもって、頂きますね」 と心の中でつぶやきます。

昨今の蜂不足によって農作物の収穫に悪影響が出ているというニュースを耳にしました。

原因は、農薬説・気候変動説・栄養不足・ストレス説など等いろいろとありますが、人間の経済活動が動物の生態系を崩していることを知れば知るほど、
殺虫剤スプレーを手にするkiyomiさんに、今まで感じたことのない抵抗感がよぎります。

お客様を守るためには、屋外テーブルに蜂はあってはなりません。

「万が一の事が起こらないように」 と徹底して蜂を殺すこと。

豚インフルエンザを挙げると、
「万が一のために」 と徹底的な措置に走ること。

完璧な安全を求め、そしてより効率的に・効果的にと・・社会はますます点に焦点を当て、そこには経済活動が待機してます。

動物愛護論を並べると、今度は経済体系が崩れてしまい、繊細な人間の生活環境に影響が出ることでしょう。
しかし、身の回りの小さな生き物に関心を払うという行為を通じて、損得勘定(感情)に長けた経済学に強い私たちは、社会学をもう一度取得できることと思います。

相手の立場の理解、そして小さな思いやりを日常生活で培うことにより、人間同士の共存も楽になっていくのではないでしょうか?

「さーて!飲みに行くぞ~、ワインだ!ワインだ!」

パトリッツィオの血を目掛けて蚊が現れ始めました。

「ねえ、蚊は役に立ってるの?」 とkiyomiさん。

「勿論!生態系の低層を支えてるんだよ・・・(パチン)
この世の中に蚊がいなかったら、(パチン)
カエルとか鳥とか困っちゃうだろう・・(パチン パチン)」

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2009年7月23日 (木)

太陽の国 イタリア

今日は

ティティです。

「北風と太陽」というイソップ童話がありますね。

ある日、北風と太陽はどちらが強いかを争います。

決着は旅人のコートを脱がせたものが勝ち。

まずは北風が強風を吹きつけますが、旅人はコートを更にしっかりと身にまとい離しません。

太陽の番となりました。

暑い日ざしを旅人に降り注ぐと、旅人はコートをいとも簡単に脱ぎ、太陽が勝利を収めます。

Kiyomiさんはイタリアに来てから、コートを緩めるようになってきました。

その昔、何が原因かは忘れましたが小さな種火だったはずの口論が大きくなり炎上し始めます。

「もう やってられないわよ!出てくわよ!」

私物をダンボールに詰め込み、タクシーを呼ぶkiyomiさん。

「お客さん、行き先は?」

深夜に呼び出されたタクシーの運転手はただ事ではない様子を察知しながらも、
目を真っ赤に腫らしたKiyomiさんに尋ねます。

「近場で申し訳ないんですけど、あそこまでお願いします」

200メートル先の坂の上のアパートを指差し、その場をタクシーで去りました。

「父さん、明日はあの荷物全部、運び戻すことになるね」とダリオ君。

翌日、Kiyomiさんの携帯が鳴ります。

「もしもし、MAO MAO(ニャーニャー)タクシーです。何時にお伺いしますかー?」

パトリッツィオの威勢の良い明るい声。

太陽には敵いません。

kiyomiさんは、イタリアの陽を浴びて、
今日も、明日も成長していきます。

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2009年7月21日 (火)

ブルネロ スキャンダル

055 皆さん、お元気ですか? バッカスです。

このブログで皆様に御伝えするワインのニュース等は、購買をあおるものではございません。

「こんなことを掲載したら、販売に影響するのではないか?」ということも含め、周辺で起こる出来事をそのまま御伝えしていきます。

皆様がワインとダイレクトに向き合い、今後、ワインとのお付き合いをより深めていただければ幸いです。

さて、今回はブルネロスキャンダルについてご報告。

7月19日(日)の新聞La Repubblia紙に掲載された内容をご紹介いたしますが、その前に、記載内容を把握していただくため、周辺情報を簡単にご説明いたします。

ブルネロ ディ モンタルチーノとは、イタリアを代表する高級赤ワイン。
生産量の60%は海外に輸出され、その内訳は、アメリカが25%、続いてドイツが9%、スイス7%・・・日本はイギリス同様に3%です。

この統計からもお分かりのように、アメリカのマーケットは非常に重要で、大手ブルネロの生産者ほどアメリカへのプロモーションに力を入れます。

アメリカには、ワイン愛好家に支持される雑誌「ワインスペクテイター」というものがあり、毎年春にはブルネロ特集が掲載され、それぞれの作り手のワインに点数とコメントがつけられます。

Kiyomiさんは今では、アクアボッラでコックをしてますが、以前はシエナの城壁内にあるエノテカで働いておりました。

2002年、20世紀最大の豊作年と称えられたブルネロ‘97が長い熟成期間を経て販売開始となりました。

ワインスペクテイターを手にしたアメリカ人で賑わう店内。アメリカ人が捜し求めるのは、この雑誌でより高得点をとったスーパー級のブルネロ‘97です。

その紙面をよく見てみると、ブルネロの創始者であるビオンディサンティに低い得点が付けられ、しかも「Drink now 今すぐ飲むワイン」と表記されていました。

その昔、カジュアルな食卓ワイン「キャンティ」 の発祥地としてトスカーナは世界に知られていましたが、ビオンディサンティが1888年にブルネロを生み出すことにより、高級ワインの発祥地としてトスカーナワインのポテンシャルが高まります。

現在、ビオンディサンティは5代目のフランコ氏が蔵を守ります。
今でも、伝統的なスタイルを守り、緻密にワインと向き合います。

Kiyomiさんは、36歳の誕生日を迎えた時、誕生年のビオンディサンティのブルネロ’69を開けて、皆に振舞いました。

「1969年、ヴィンテージチャートでは、2つ星の不作年だけど、人間の出来は5つ星です!」 とkiyomiさん。

36年を経たブルネロのコルクを慎重に抜き、コルク臭をチェック。無事を確認し、安堵に包まれゆっくりとデキャンタージュする瞬間はとても感動的です。

今では、コンピュータの進歩と共に醸造技術も発達し、ワインの知識が全くない人でも、コンピュータを投入することで、ある程度、もしくは素晴らしいワインが造れる時代となりましたが、69年はまだまだ職人の勘に頼って作られた、そんな時代のブルネロです。

いい葡萄のみを選び、樽の清浄を徹底し、それぞれの行程に慎重に向き合って作られた作品は、36年の月日を経て深い感動を与えてくれました。

さて、脱線いたしましたが、話題をブルネロスキャンダルに戻しましょう。

ブルネロ協会には200程の生産者が加盟してますが、ほんの僅かな大手だけで、ブルネロの生産量の半分を占めております。

彼ら大手が生産するブルネロは、何としてでもアメリカ人の需要を得なけれはなりません。

ブルネロの定義として、葡萄品種サンジョヴェーゼを100%使用することが義務付けられてますが、各社挙って特別化を狙い、アメリカ人ウケするテイストに仕上げようと、違う葡萄品種を若干混合した、という疑惑が昨年浮上しました。

ようやく、この問題に関する調査が終了したところです。

パトリッツィオとkiyomiさんは、新聞に掲載された記事についてコメントを交わします。

「より美味しく、柔らかく、飲みやすくしようと研究を重ねて考案した結果、法を外れて他の葡萄品種を混ぜた、という違反。結局、このワインは高品質なワインとも言えるんだよな~」とパトリッツィオ。

「ん~、ワインを作る過程を短縮して安易に仕上げようとか、似たものを簡単に生み出すために体に有害なものを混合したとか、そういうことではないのよね。でも、ワインは夢を与えてくれるじゃない。ワインを通じて郷土をアピールするには、その土地に昔から伝わる葡萄品種に拘り、郷土の味を守り続ける。協会の管理のもと、規定を設けて伝統が守られるけど、この枠がなくなってしまったら、ワインもコカコーラに近づいていくんじゃないの?」 とkiyomiさん。

実際、モンタルチーノのブルネロの作り手は、家族経営の農家が多く、サンジョヴェーゼ品種のみを手がけている、というところが殆どです。

英語も話せず、ファックスもうまく機能しないような状況のもと、彼らのワインをプロモーションする術を知りませんが、コツコツ畑に働きかけ、彼らなりに精一杯のブルネロを生み出す努力を惜しみません。

今回のスキャンダルをもって、沢山の正直農家のブルネロまでが打撃を受けました。

しかしその反面、小さな作り手のブルネロが売れる背景には、大手作り手のマーケティングとプロモーションによる、ブルネロ全体の活性化があることも確かです。

さて、故人筑紫哲也さんが、著書「スローライフ」の中で、このようなことを書かれてました。

人が通常ものを語る場合は、これこれ、しかじかの理由があって結論はこうだと言うのだが、新聞記事の場合は、先ず結論はこうだ、なぜなら理由はこれこれ、と逆転させて書かねばならない。
この冒頭の部分は新聞では(リード)と呼ばれている。
テレビの世界に足を踏み入れてみたら、テレビで伝えるニュースの実に多くが、(リード)の部分だけで終わってしまうことに気付いた。
そこは「秒」 の世界であり、しばしば舌足らずに結論だけを述べるに終わる。

以下、ブルネロスキャンダルについての記事の翻訳を掲載いたします。皆様は、どのような感想をお持ちになりますか?

ワインを片手に、時にはこのような話題ともお付き合いいただければと思います。

7月19日(日) 新聞La Repubblia紙より

130万リットルのブルネロ、格下げ

ブルネロ ディ モンタルチーノ DOCG(統制保証原産地呼称)からIGT(地理表示つきワイン=生産地が限定されるワイン)へ格下げ。
シエナ税務管理局の調査を経て、わが国のシンボルの一つであるワインのうち、130万リットルに当たる量が、この度終結を迎えた。
検察庁の調べによると、2003年から2007年にかけて、7社の作り手が規定に反し、サンジョヴェーゼ以外の葡萄品種であるカベルネ ソーヴィニヨンやメルローなどを混合していたもよう。
より柔らかい口当たりの美味しいブルネロを目的として行われたとされるこの不正行為、疑惑の持たれた7社が生産するブルネロは、ブルネロ総生産量の半分にあたるとされる。
その生産社は、以下の5社(インポータの方の営業妨害となりませぬよう、名前は控えさせていただきます)。
B社とC社には潔白の結論が下された。

捜査の対象となったのは、7社それぞれの代表、ブルネロ協会の局長ステファノ カンパテッリ氏、そして証明書発行委員会の二人の検査官などなど、17のケース。
8つのケースが折衝となり、9つのケースは、更なる捜査の勧告を受けた。

「私は落ち着いています」とカンパテッリ氏。
「ブルネロのコントロールは常に政府の是認のもと協会の条約規定に沿って行われてきましたから」

調査はまたロッソ ディ モンタルチーノまで及び、50万リットルに当たる量が、IGT及び、キャンティDOCGの格下げとなった。

ブルネロ協会の会長パトリッツィオ チェンチョーニ氏いわく、
「不確かな状況下において、生産者全てに問題が降り注ぎましたが、この調査の終結により、ひとまず不安が解消されました。
今後、司法官の決定を待ちたく思います。
ブルネロもロッソも、既にマーケットに流れているワインに関しましては規定に基づきコントロールを受けたものです」

(注)
格下げという表現を使用しておりますが、
ワインが劣っている、ということではございません。
生産過程において規制が緩いカテゴリーに属することになった、ということであり、自由な発想とオリジナリティあるワインとも言えます。

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2009年7月19日 (日)

産地のスタッフ

今日は

ティティです。

アクアボッラは3人のスタッフと猫一匹。

パトリッツィオはまた何かを探しています。

「オイ、Kiyomi、勘弁してくれよ。タバコどこに隠したんだよ!」

「知らないわよ。またそこら辺にあるんでしょ」

暫くして、パトリッツィオにタバコをチラつかせるKiyomiさん。

「灰皿の下にこんなモノがあったけど」

照れと安堵と情けなさを感じるパトリッツィオに、ダリオ君が透かさず助け舟を出します。

「父さん、女性は恐ろしいよね。僕たち男は昨日の晩御飯のおかずすら覚えてないのに、女性ときたら、3年前のどうでもいい事までしっかりと記憶してるんだからね。」

ダリオ君はとても優しく温厚な青年ですが、おっとりに度が過ぎ、Kiyomiさんに怒鳴られてばかりいます。

「ダリオー、ダリオー、あんたね~、何処ほっつき歩いてんのよ、この忙しい時に。3番テーブルのパスタ、早く運びなさいよ!冷めてパスタがくっついちゃって、レンガみたいになっちゃうじゃないのよ!」

「ドイツ人に、CECI(ひよこ豆)って何ですか?って聞かれたから辞書で調べてたんだ」

「何をー!このクソ忙しいのにドイツ語の辞書と向き合ってんじゃないわよ、アホッ!」

スーパーおっとりのダリオ君の返事はいつも、火に油を注ぎます。

大抵、そんなダリオ君をパトリッツィオがかばうので、パトリッツィオとKiyomiさんの口論がはじまり、またまた賑やかです。

そんなアクアボッラの三人は近所で採れる野菜そのもの。

やたら大きく水気が多いだけのトマトが収穫される年もあれば、甘みが凝縮された果実のように美味しいトマトが成る年もある。その年の天候によって、成るようになります。

では、輸出用に大量生産されるトマトはどうでしょう?

管理された環境下で安定的に生産され、それは味も色も大きさも粒ぞろいです。そんな生産ラインでは、ちょっとでも色が薄かったり、形が変わっていたり、傷が付いたトマトはラインから外されてしまうでしょう。

ここ、アクアボッラのスタッフ3人は社会ズレしているところもありますが、そんな粒が揃わないスタッフを誰も外すことは出来ません。

経済効果から見た場合、規格化された商品の同一化・均一化は大切なことですが、
アクアボッラのスタッフは、商品ではありません。

環境、その場の空気に左右される人間で、その都度、美味しくなったりまずくなったり、出来が異なります。

そんな田舎の凸凹スタッフをつまみに、今日もお客様が美味しくワインを楽しんでいます。

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2009年7月18日 (土)

グローバルなテーブル

003 今日は

ティティです。


シエナには世界各国から観光客が訪れますが、
今年はポーランドの方が目立ちます。

実際、昨日に引き続き
今日もアクアボッラにはポーランドの方が食事を楽しんでます。

ちなみに、昨年はロシア人イヤーでした。

英語の苦手なイタリア人にとって、ドイツ人の話す英語は分かりやすいのですが、それ以上にわかりやすいのが、ロシア人の英語。

少々強面の表情で、

「どれがスト?」 とやたら[べ]に力を込めて連発します。

「一番ストな肉料理はどれ?」

「一番ストなワインを持ってきてくれ!」

ワインを何本が飲み干し、デザートの注文を伺う頃には
彼らの表情はすっかりイタリアン。
アクアボッラのテーブルに馴染んでます。

ロシア人の前年はオランダ人イヤーでしたが、
毎年の定番客はやはりドイツ人。

どういうわけか、彼らは必ず前菜にブルスケッタ(ガーリックトーストにトマトをたっぷりのせたカナッペ)を注文します。

アメリカ人の場合は、前菜にカプレーゼ(モッツァレラチーズとトマトのサラダ)をご注文。

そしてその後、とてもバラエティーに富んだ注文が展開されます。

「ピーチ(太麺パスタ)のペコリーノチーズソース、ってあるけど、他の麺で出来るかしら?」

「豚フィレ肉のトリュフソース添えってあるけど、このトリュフソースを牛肉のステーキに添えて欲しいわ!」

彼らはメニューを自由自在にアレンジする傾向があり、皆がばらばらのメニューを注文するので、厨房は大変!

同じ英語圏でも、イギリス人やカナダ人は
こちらの立場を考慮し、ゆっくりと簡単な言葉を選んで話しかけてくれますが、アメリカ人はいたってマイペース。

「君、英語が話せるかい?」

一応、ウエイターのダリオ君に質問をしてくれますが、

「アイム・ソーリー
 オンリー、イタリアーノ アンド チャイニーズ。
 ノン アメリカーノ」

という冗談交じりの返事に喜ぶと、その後、巻き舌で楽しそうに話しかけてきます。

言っていることがチンプンカンプンですが、
爆笑しているんだから、こちらも笑うしかありません。

まだ若いダリオ君は、言葉の壁を感じ気後れしてますが、
これが熟年イタリア人になると、様子が違ってきます。

母国語で話しかけてくるアメリカ人に対して、こちらも一方的にイタリア語で冗談を投げかけ、勝手に大笑い。

一見、お互いが噛み合ってないようですが、適当に爆笑が湧くのが不思議です。

「どんなに時代が進化してコンピュータで何でも出来るようになっても、珈琲を沸かすことは出来ないぞ!」

お客様が得意げに言い切ります。

コンピュータの進化と共にグローバル化が進んでいますが、幸い、コンピュータからはテーブルを囲んだまとまりのない美味しい時間を沸かすことは出来ません。

規則正しい生活を強いられた人間社会の皆さん、
どうぞ、勝手気ままに過ごす美味しい時間をもって心の栄養バランスをとってくださいね。

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2009年7月17日 (金)

7月の葡萄畑

『自由猫の日記』 に続き、
新カテゴリー『バッカスの寄り道』がスタート。

葡萄酒の神様バッカスが気ままな散歩で目にした光景を皆様に御伝えします。

今日は皆様に、葡萄の成長ぶりをご紹介。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

056 何を隠そう7月1日(水)、
局所的に雷雨と雹に見舞われたゾーンがあり、
ほんの3分の悪夢に襲われた畑では、痛んだ葡萄の粒を丁寧に摘み取る作業に追われておるところです。

痛んだ葡萄からカビが発生し、他の健康的な葡萄まで被害が移ってはなりませぬ。

この緻密な作業をコツコツとこなす農民の方々、
今は大変な苦労をされておりますが、収穫の喜びをもってこの疲れがいやされることでしょう。

局所的と御伝えしましたが、被害のある畑から1キロ離れた場所では軽い雨で済んでおり、シエナ全体の現象ではございませんので、ご安心下を。

トスカーナ一全般におきましては、
5月~6月の長雨の影響で開花が遅れ、葡萄の成長は例年に比べると1週間の遅れをとるものの、このまま8月半ばまで晴天が続けば素晴らしい収穫を迎えることでしょう。

この時期、畑での作業はグリーンハーヴェスト。

より質の高い葡萄が収穫できるよう、良質の房を選び、そこに養分を集中させるため、
他の房は切り取る作業のことであります。

これも手作業。

自然と協調して畑で働く農民の健康を祝って、SALUTE !(乾杯)

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033_2 オリーブの実も順調に育ってます。

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2009年7月16日 (木)

とにかくパーティー

今日は

ティティです。

来週の水曜日、常連客のピーノはアクアボッラでパーティーをするそうです。

名目は、離婚成立パーティー。

裁判所を通じて、4度目の奥様と正式に離婚が成立します。

出席者は、元奥様になる方と彼らの友達。

「離婚、おめでとう!二人の自由の門出を祝って!」

御呼ばれされた方々は、こんな祝辞を述べるのでしょうか?

そういえば、今年のバレンタインの日、
いつも穴の開いた作業着を身にまとい仲間とワイワイやってくるピーノが、
ネクタイにジャケット姿とバッチリ決めて彼女と来店しました。

しかし、パトリッツィオもKiyomiさんも少々ばつが悪そうです。

それもそのはず。

こんな日に限り、
急遽、お得意様からの依頼でお葬式のお客様25人の予約が入ってしまったんです。

「バレンタインデーに葬式客の予約なんて、うちぐらいだ」 とパトリッツィオ。

「いつも、ズレてない?私たち・・・」とKiyomiさん。

お葬式の団体客とカップルが混合する店内は異様かと思いきや、心配はご無用。

Kiyomiさんが一通りの料理を終え厨房から現れると

「皆さん、彼女がコックですよ。彼女はね、ピアノも弾くんですよ!」 とお客様が声をあげます。

「お嬢さん、何か弾いてもらえませんか?」

「どんな曲が宜しいですか? 」 というKiyomiさんの問いに、

「オーソーレ・ミーオ!」 と男性が威勢よく答えます。

お客様の中にはナポリ出身の人が多く、
もともと賑やかな店内がより明るくなってしまいました。

そんな雰囲気とピーノの存在が妙にマッチしています。

『離婚成立パーティー』

日本人としてのKiyomiさんの常識がイタリア人のそれとはとても離れているのでしょうか?

それとも、イタリア人が変わっているのでしょうか?

もしくは、アクアボッラに変わり者が集まるのでしょうか・・・?

Kiyomiさんの常識の軸は今日も揺れています。

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2009年7月15日 (水)

ただいま!桃太郎です

021 今日は

桃太郎です。

皆さん、ご心配をおかけしてすみません。

今、やっとKiyomiさんの家に戻ってこれました。

Kiyomiさんの住むアパートは家具屋さんの敷地内にあります。

僕は数ある倉庫の中に入り、お昼寝をしていましたが、
そのまま3日間、出れなくなってしまいました。

大家のアンナさんが僕を見つけて、Kiyomiさんの部屋まで戻してくれました。

その後、彼女はKiyomiさんの隣に住む
ラウラに僕のニュースを伝え、
ラウラはKiyomiさんの携帯に連絡を入れてくれました。

Kiyomiさんの近所の人たちは、いつも僕たちを温かく見守ってくれます。

今年の1月、
Kiyomiさんが日本に戻っている間に、メス猫、桜ちゃんが病気になりゲッソリしてしまった時も、大家のアンナさんは獣医さんを呼んでくれました。

残念ながら桜ちゃんは亡くなりましたが、
ラウラの旦那さんロベルトは、Kiyomiさんの窓から見えるようにと、向いの畑にお墓を作ってくれました。

Kiyomiさんが日本から戻ると、
ラウラもロベルトもKiyomiさんと抱き合いながら泣いてくれました。

今回はアンナさんやラウラと抱き合って喜びを分かち合ってます。

Kiyomiさんはなるべく自立した生活を心がけていますが、そんな彼女を皆、遠目に見守ってくれています。

昨年、Kiyomiさんが盲腸の手術をし、退院して部屋に戻ると、冷蔵庫にはミルクやスープがたくさん入ってました。

さて、Kiyomiさんの興奮した歓迎も落ち着き、
僕はお水をたっぷりと飲んで、カリカリも食べたことだし、ぼちぼち夕焼けを見にお散歩に出かけてきますね。

僕は野良猫出身です。

自然の中で生きるんです。

パトリッツィオは僕の虚勢手術の日にこんなことを言ってました。

「オー、可愛そうなモモ。

もし俺が猫だったら、あそこをちょん切られてぬくぬく長く生きるよりも、短い人生でもいいから、思いっきり本能のままに生きるほうをとるぞ」

Kiyomiさんは人間ですが、
僕たち猫の真似を試みます。

適当に甘やかされて、苦しい時は人目に付かぬところでジッとして、
生活設計の保険が薄く危険も多々ありますが、
泣いて笑って、転んで起き上がって・・・

毎日が輝いてます。

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2009年7月13日 (月)

天然喜劇

今日は

ティティです。

よくあることですが、昨日もバタバタとしてました。

洗礼式のお祝パーティーです。

お客様(奥様)は、どうしても自分の自宅でパーティーをしたいと意思を変えません。

「庭でやるとしても、悪天候になったらどうします?ここでは不利ですよ・・・」

パトリッツィオは奥様に説得を試みますが、結局、1キロほど離れたご自宅までケータリングを届けることに。

テーブルやグラス、お皿、前菜などなを車に積み込み、
パトリッツィオと娘のシルビアちゃんがいざ出発。

「チャオ チャオ!前菜をセッティングし終わったら電話頂戴ね!パスタ茹で始めるからね!」Kiyomiさん。

その後、待てど待てど、連絡がありません。

やっと携帯に連絡が。

「進行状況、どう?」 というKiyomiさんの問いに
シルビアちゃんが何やら口ごもってます。

「とにかく、今からそちらに向うわ」

OK! じゃ、パスタ茹で始めるわよ!」

「ん~そうじゃなくて・・・・今から皆でそっちに向うの・・・」

残されたダリオ君と私で、バタバタと40人のテーブルセッティング。

まもなく車が続々と到着です。

会場となるご自宅の庭とは、実はアパートの共有地でして、住民の方と揉め事が起こったようです。

それに加えて主催者夫婦の激しいケンカシーンなどなど、予想以外の余興を見せ付けられたお客様の表情は少々困惑気味。

「ボンジョ―ルノ! ボンジョ―ルノ!」 と声と笑顔を張り上げ、お客様を御もてなし。

食事とワインと共にお客さまもすっかり和み、
その後、17時までお喋りを楽しみました。

実はKiyomiさん、ここ数日、桃太郎君が姿を消し、
この日のお昼は大泣きだったんです。

そんなKiyomiさんに
「オー Kiyomi、いい加減にしろ!頑張るんだ!」
とパトリッツィオリは大声で怒鳴ります。

無事にランチを終え、穏やかな時間になった頃、

「ゴミを捨ててくるぞ」 とパトリッツィオ。

ペットボトルのゴミを積んでKiyomiさんと車を走らせます。

いつものゴミ捨て場と逆の方向に向うパトリッツィオ、
ヒマワリが咲きほこる丘まで連れて行ってくれました。

「ほら、これだけ運転してみても桃君のひかれた痕が見当たらないだろ。

きっと、どこかの車に乗り込んで、そのまま遠くに行っちゃったんだよ。時間をかけて戻ってくるよ」

二人でプラスチックのゴミを捨てながら、

「人生色々ね」とつぶやくのでした。

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2009年7月12日 (日)

煮込み生活

今日は

ティティです。

昨日、今日、明日と、40名の団体予約があり、
アクアボッラは大忙しです。

北イタリア、フリウリ地方からの団体様は、
メインに猪の煮込み料理をを召し上がりました。

煮込む時間を短縮させようと大鍋を使いましたが、それでも6時間。

「ん~美味い、美味い、あなたは偉い!」

グループの男性がパトリッツィオに激励の声を投げかけると、
「いや、私ではないんですよ。オーイ、Kiyomi~ちょっとこっちに来て!」とKiyomiさんを大声で呼んでいます。

皆の前で紹介されると照れてしまうKiyomiさん、

「いいわよ~」 と奥に潜んでますが、皆の拍手を聞き、仕込みの疲労はエネルギーに変わりました。

ランチにはピーノやガブリエーレ、そして彼らの仕事仲間がアクアボッラにやってきます。

彼らのお婆さんから教わるレシピ自慢が始まり盛り上がる中、
「イタリア料理の欠点は、時間がかかることだよな~」とガブリエーレ。

アクアボッラのメニュー価格はとても良心的です。

それ故、利益を出すためには賢い仕入れをしなければなりません。

「美味しい!また来るね」 とお皿を褒めてもらえるわけは、高品質な食材の代わりに、「時間」 をたっぷりと使うことがポイント。

スローフードの発祥地、イタリア。

シンプルな素材を使い、時間をかけて美味しいものを作る。

これは、現地イタリアではごく当然の考え方です。

シンプルな気持ちで人と接して、ケンカというスパイスを隠し味に入れ美味しい人間関係を築く。

自分の部屋を時間をかけて磨き上げ、居心地のいい空間を楽しむ。

30年前の洋服を今でも工夫して着こなす。

祖父母の代から伝わる手編みのテーブルクロスを、お客様の御もてなしに使う・・・

時間をかけて接すると愛着が湧いてきます。

愛着のあるものは、美味しい生活を提供してくれます。

目新しいものに敏感でありたい、という感覚はありません。

それぞれが時間をかけたものの中で暮らしている、
それが心身の健康、スローフードです。

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2009年7月11日 (土)

イタリアの親父

017 CIAO CIAO!

皆さん今日は ティティです。

今日は、パトリッツィオの従兄弟、ステファノさんが愛犬ジョニー君とご来店です。

ジョニー君の顔を覗き込むパトリッツィオ、

「お前、感じ悪い表情してるな~!俺の従兄弟を思い出すョ」といつもの調子でご挨拶。

「折角だから、一緒に食事しましょうよ」
Kiyomiさんの誘いで、皆で夕食を囲みます。

「俺たちの家系Fini家は、昔、フランスと交流があったらしくてね」とステファノさん。

「昔って、どれくらい前のこと?」

「1300年前後かな」

ステファノさんは、自分の祖先の名前、職業、出身地などに詳しく、パトリッツィオもダリオ君も、彼の話に深く耳を傾けます。
自分のルーツですからね。

昨日のランチに、パトリッツィオの友人、ガブリエーレが来ました。

悪戯気味にパトリッツィオの汚点を述べるダリオ君に対し、
「オイ!親父を悪く言うな!自分のルーツだぞ!」と厳しいお叱り。

家族の絆を大切にするイタリア人は、親父の趣味、お酒を飲んだときの癖、習慣などなど、尊敬の念と愛情をもって生き生きと描写します。

そうそう、Kiyomiさんがコックになろうと決心した背景には、この「イタリア親父のエピソード」が関係しているんですよ!

朝、何気なくテレビをつけると、
Kiyomiさんの好きな俳優GIGI PROIETTIの姿が。

SENSO DELLA VITA(人生の意味)という番組で、彼はこんなことを言っていました。

「私が子供の頃、それはそれは貧乏な暮らしでね~。兄弟も多く、いつもお腹を空かせてたよ。そんな中、親父は貧乏をネタにして、いつも俺たちを笑わすんだ。家の中にはいつも笑い声が絶えなくて明るかったな~」

その台詞を聞くKiyomiさんに衝撃が走ります。

「困難な状況を逆手にとって人生を楽しむ・・・・それが生きる意味かしら?コックがみつからなくて困ってるんだったら、私が一丁やってやるか!」

職人肌のイタリア人。
人生の開拓方法まで、オリジナル・手作りです。

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2009年7月 9日 (木)

皆様にお礼

今日は ティティです。

皆様にブログ開設のお知らせをいたしましたところ、
大変沢山の方からメールをいただきました。
とても嬉しいです。

ありがとうございます。

まだ手探り感覚で取り組んでおりますが、ゆっくりと育てていきたいです。

さて、皆様からいただいたお便りの中には、

「ワインの情報が知りたい」
「厨房での様子、お料理について知りたい」
「シエナの様子が分かる写真が見たい」・・・
様々なご要望をいただき、Kiyomiさんは張り切っております。

取り急ぎ、
お店とKiyomiさんの仲間パトリッツィオと息子のダリオ君の写真をご紹介しますね

昨日またまたパトリッツィオとKiyomiさんはケンカをしました。
その後彼は、
「オイ!FUJIYAMA!富士山ちゃん?」と近づいてきます。
富士山=火山噴火=KIYOMI
ということです。

Kiyomiさんはまだちょっと尾を引いているので、
彼らの性格のコメントは、次回までお預けです・・・

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2009年7月 8日 (水)

猫とキヨミさん

P1010036 今日は

桃太郎です。

これは、2年前の僕です。

今ではすっかり太ってしまいました。

当時、Kiyomiさんと一緒に暮らしていたミミタン、彼女の日本帰省中に、しっかりと赤ちゃんを身籠りました。

「なんだか、今日、生まれるような気がするわ」

Kiyomiさんは朝か落ち着きません。

ランチを終えて帰宅すると、ベットの下から「 ミー、ミー」 と泣き声が。

「ミミタンがここにいて、あっちから泣き声がするということは~・・・おめでとう!」

Kiyomiさんは大喜び。

そして、2匹目の猫ちゃんを待つこと30分。
なかなか出てきません。

後ろ髪を引かれながらも夜の仕事に向かいます。

お客のオーダーを作り終えるや否や、自宅に直行。

しかし、まだ2匹目は見当たりません。

「あの~、こんな時間(夜の11時)に申し訳ないんですけど、2匹目の赤ちゃん、つまっているようでまだ生まれてこないんです。明日の朝にでも、診察に来てもらえないかしら?」

獣医のパトリッツィアに連絡を入れると、
「何言ってるのよ!母猫の命が大事でしょ!今からKiyomiの家に行くから」。

2人の小さな子供を持つ彼女、深夜であろうが車でKiyomiさんの家に駆けつけてくれました。

「手術が必要ね」

即、同僚に電話で応援を頼み、街中の犬猫病院へ。

心配なKiyomiさん、病院の待合室からレストランで働くパトリッツィオに連絡を入れます。

「ミミタン、今、手術してるの」

すると彼は、お客のテーブルに向かい、
「猫が大変でね。すぐに病院に向わなければならない。すまないけど、今日はこれまで」

この時のカップルは、その後も「猫ちゃん、元気ですか?」と訪れてくれます。

ミミタンの命は取り留めたものの、残念ながら、他の子猫ちゃんは救うことは出来ませんでした。

数日後、Kiyomiさんの家に知らな女性から電話が入ります。

「あの~、獣医のパトリッツィアから聞いたんだけどね、あなたの家に母性本能が豊かなメス猫がいるんですって?実は私の猫、母親を交通事故で亡くしてお乳に困っているのよ・・・・」

早速、ミミタンは、その子猫の乳母となり、我が猫同様に育て始めます。

すると、数日経ってまた他の電話。

「あなたのこと聞いたわよ~。猫に優しいんですって~。実はね、子猫みつけたの。裏庭で。きっと、母猫は病気だと思うわ。だって、やせ細っているし、毛並みがまばらだもの。あなた引き取ってくれないかしら?」

その子猫が、僕、桃太郎です。

ある日、パトリッツィオはKiyomiさんに訴えます。

「どうして、寝てばかりの猫がKiyomiに可愛がられて、働く俺はケチョン ケチョンに言われなければならないんだ?ひいきだ!」

「当然でしょ!猫はあなたみたいに余計なこと言わないの。こちらから猫の気持ちをわかってあげなくて、どーするのよ!」

その日以来、パトリッツィオは都合が悪くなると、
「ンミャーゴー、ンミャーゴー」と猫に成りすまし、その場をすり抜ける技を使うようになりました。

オスはオスでも、人間のはちょっと変わってます。

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2009年7月 7日 (火)

新陳代謝

047 今日は。ティティです。

早いものでKiyomiさんのシエナでの生活も10年目に入ります。

どんなにイタリア語が分かるようになっても、日本の常識で物事を図っているうちはイタリアを理解できませんが、最近になってようやくイタリア的思考の新陳代謝が見え始めてきたようです。

当初、Kiyomiさんは「ノー、ノー !」と否定されるたびに軽い戦闘体制に入り、一人でカッカしてました。

「違う、違う!」「そうじゃないよ~」
得意気に話す相手の出鼻をくじくイタリア人。

「ちょっと~、何にも分かってないのにトボケタこと言わないでよ・・・」 と反撃。

具体的な事例を挙げながら相手の痛いところを突きあい、2往復ほどしたところで、どちらかがウィットの変化球を入れます。

すると相手もユーモアで返し、笑いを持って試合終了。
その議論(大抵はどうでもよいこと)についてお互い合意に至らぬうちに次の話題へ移り、暫くしてまた「ノー、ノー !違うでしょ~」と始まります。

昨日、ある老紳士のテーブルからこんな会話が聞こえてきました。

「女というものは、2つのタイプにきっぱりと分かれるものです。男に財をもたらすか?それとも食い尽くすか?そこを見極めるのが大事ですぞ」

すると相手の男性、
「なるほど。私の女性に対する考えは、性格の良し悪し、タイプ云々以前に、まずは性格があることが大事でして・・・

なるほど。

ノー、ノー !
自分の意見を表現し、ウィットの分かる女性が彼の人生を飽きさせない第一条件なのでしょう。
確かに、彼と訪れる女性たちは少々エゴイスティックな方が多いのですが、そんな彼らのテーブルが明るいのは、上級のユーモア感覚をもってノー、ノー !を楽しめるからなのでしょう!

さて、皆様におまけの映像です。
イタリアの俳優Ugo TognazziVittorio Gassman主演の映画I nuovi mostri の一場面をお楽しみください。

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