2018年2月16日 (金)

自信

数日前のこと。

アンナとの電話を切るとすぐパトリッツィオに電話をした。

彼女から聞いた面白話を彼にも伝えたかった。

私のテンションは高く、
気持ちが先走るままに喋ってしまった。

「今の会話、通じた?」と尋ねると、
彼は「曖昧だな」と答えた。

私は同じ内容を、今度は文法を意識して喋り直そうとしたけど、前置詞や単語が曖昧で会話に行き詰まってしまった。

パトリッツイオはそんな空気を替えようとして
「それで、アンナはどうしたって?」と明るく聞いてくるが、
私は、意気消沈してしまっている。

「もう辞めた。正確なイタリア語なんて、話せなくていいや。
 文法を意識すると、
 自己嫌悪で気持ちが落ち込んじゃうよ。
 こんな気持ちと触れていると、毎日が暗くなっちゃう。
 それよりも、今の感情を楽しむ方を選ぶわ!」

するとパトリッツィオは、こう返してきた。

「それじゃダメだ。
 俺はキヨミに慣れているから、言いたい事を汲み取れる。
 でも、キヨミは他の人と、
 きちんとコミュニケーションをとる必要があるんだ。
 だから、イタリア語に向き合わなければダメだ」

この言葉を聞いた途端、
悔しくて情けなくて、泣いてしまった。

私はイタリア語が苦手だ。

留学1年目は、
同じ時期に入学した日本人が上級クラスに進もうが、
私は4回も初級コースを繰り返した。

イタリアで暮らすうち、イタリア語が自然に身に着いてくる、と思っていたが、結局、癖のあるイタリア語が定着してしまっている。

今日、パトリッツィオとの電話で
「ワインと食材」についての話題に触れた。

彼からのアドバイスをうけ、
ワインの成分と食材の相関関係をレーダーチャートで確認しようと思い、10年以上前に使用していたソムリエコースの教科書を手に取った。

分からない単語に引かれた赤字の量に驚いた。

「わ~、この単語、昔は分からなかったんだ~!」

これまで、イタリア語の印刷物に触れ
イタリアに在住する日本人の語学力と比べ、
自分の語学レベルに落込み続けてきたけど、
このページを目にした途端、自分の進歩が感じられて嬉しくなった。

微かな自信をチャージして、
自分のペースで少しずつやっていこう!と思った今日この頃です。

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ナイス、選曲!

パトリッツィオが面白がって呟いた。

「フィギュアスケートに使われる曲って、
 ドラマチックなクラシックが多いだろ?
 でも、イタリア人ペアで流れ出した曲は、
 アメリカ~ノ、アメリカ~ノ♪なんだよ・・・」

この曲を聴くと、
イタリア人はソフィアローレンを思い出す。

「Tu vuo' fa l'americano」は
古き良きイタリアを象徴する曲です。




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2018年2月15日 (木)

今日のカフェ

パトリッツィオとパオラと私の三人でバールに入った。

映画館の隣にあるバールには、
子供から大人まで、幅広い層の客で賑わっていた。

店内に入ると、5歳くらいの男の子が寄ってきて
「フェラーリだよ! フェラーリ!」
と叫びながら玩具の車を掲げたけど、
手から滑り落ちてしまった。

パトリッツィオは男の子に
「保険をかけてるかい? なら、大丈夫だ」
と声をかけたので、私はプッと笑ってしまった。

一言のユーモアはまるでスプーン1杯分の砂糖のようで、
ブラックで飲むカフェが美味しく感じたひと時でした。

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2018年2月 5日 (月)

お婆さんになった時、行きつけのお店が欲しい!

シエナの郊外にある小さな町。

春以降は観光客が訪れるけど、閑散期はひと気がなく、
メイン通りにあるバールも閉まっている。

そんな中、外れにある小さなバールは開いていた。

私は紅茶をオーダーした。

地元客が訪れては去っていく。
皆、常連のようだ。

一人のお婆さんが杖をつきながら入ってきて、
「一切のピザをいただくわ。昨日みたくね」とオーダーした。

残念ながらピザは売切れてしまったので、
お婆さんはバールの勧めに従っていた。

「それから、グラスで白ワインもくださいな。
 あまり辛口ではないのね」 とバリスタに声をかけた。

私がお婆さんになった時

「ピザくださいな。昨日みたいにね。そしてグラスワインもね」

と言って静かに着けるお店があったら素敵だな。

弱者に優しいお店。

見た目は普通すぎるバールだったけど、
紅茶で心身、温まりました!

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思いっきり「おかえりなさ~い!」

「おかえりなさ~い!」を思いっきり表現する彼等。

犬や猫の愛情表現はたまらないですね!

でも、もし同じ表現をあなたの旦那さんや彼氏がしたら・・・

あなたはどう、受け止めますか!!!




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2018年2月 3日 (土)

言葉の魔法ゲーム

街中で偶然、ある女性と会った。
というよりも、会ってしまった。

彼女は友達を連れていた。

彼女は、テレビ映画の話題に夢中になったので、
私もそれに続き、最近観た映画の話をした。

「アンドレの生涯を物語った映画を観に行ったよ」
と言った途端、

「私、アンドレ、大嫌い。
 あんなの何処かいいの?あの息子がまた酷いのよ」

と言って、彼の息子がどんなに酷いかを繰り返した。

「イタリア人はアンドレの詩を褒めるけど、
 私には全く分からないわ。
 イタリア人って音楽が全く分からない人種よ。
 キヨミさん、そう思わない?」とふられたので

「プッチーニもヴェルディもイタリア人。
 パバロッティだって、ボッチェッリだって・・・」

と言ったとたん、

「ボッチェッリー! 
 あんな音痴、音楽家だと思ってるの?止めてよ!
 あなたの頭、大丈夫?正気なの?マンマミーア」

と彼女の口調が激しさを増していった。

「音楽は気持ちや感性で聞くと思うよ。
 それぞれの人にとって、いいな、と思う人が違う。
 じゃあ、あなたは誰が好きなの?」

と尋ねると

「マイケルジャクソンよ。リズム。
 あのオリジナルのリズム!」と言い、
彼女の口調は興奮を増していった。

私は時計をちらっと見て「用があるから、行くね」
といって、その場を立ち去った。

その時から、なんとなく気持ちが重い。

パトリッツィオや彼の仲間たちからも
「キヨミ、お前はアホか!」と言われるけど、
言葉の裏に愛情があるので、かえって親しみを感じる。

でも、攻撃的な人の言葉は内面の怒りやコンプレックスを帯びているせいか、とても重い。

彼女は、悩み事があると私に連絡をしてくる。

そんな時は盛り上がる。

でも今回のように彼女が他の友達を連れている場合、
私に対してどこか攻撃的になる事が多い。

以前は「彼女の中にいい面を見つけよう」
と努力をしながら付き合ってきたけど、
そんな努力はしなくていい、と確信した。

今日の朝、ベッドの中でふと思った。

「あれは、魔法なんだ! 
 彼女の言葉を浴びた後、
 友達との普通の会話が素晴らしく思える。
 私の話を聞いてくれる友達たち、
 なんて優しくて有難いんだろう!
 お母さんが語る今日の話題、
 なんて清々しいんだろう! 
 パトリッツィオのユーモア、天才的!」

彼女から浴びた言葉の感覚があるうちは、
普通に思えていた言葉が素晴らしいものに映る。

彼女の言葉の感覚が消えないうちに、
出来るだけ沢山の言葉や人を
「素敵だな」に変換していこう!

考えてみたら、塩に対して
「どうしてしょっぱいんだろう?
 もっと甘くあるべきだ」と甘くすると、料理が物足りなくなる。

塩を上手に生かすと料理が美味しく完成するように、
塩辛い言葉も「魔法ゲーム」を通じて、生活の調味料にしてしまう。

そんな事に気付いた途端、気持ちが軽くなってきた今日この頃です。

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今週末のコンサート

今週末は、皆様にこんなコンサートをお届けしましょう!



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2018年2月 1日 (木)

シエナでの試飲会の回想記

トスカーナのブースで赤ワインの試飲を続けた。

モンタルチーノで生産されるサンジョヴェーゼは
ボディーがしっかりとしている。

同じ土地の同じ葡萄品種を飲み続けていると
口中の感覚が鈍ってくるので違う葡萄品種を挟みたく
メルロー100%のワインを試した。

DESIDERIO(デジデリオ)2014

日本のサイトでは、8000円ほどで販売されている
ワイン通には知られたワイン。

ちょっと注いでもらっただけなのに、
グラスに深みある香りが充満し、
まるで地響きが迫ってくるようだ。

熟れたチェリー、プラム、ドライフルーツ、
ジャム、カカオ・・・長く続く余韻の中にも
フォンデンテのチョコレートが味わえた。

しかし、ふと思った。

2014年にして、
どうしてこのポテンシャルが出せるんだろう?

2014年のトスカーナは、
内陸より温度が高い海側でも25度が続いた冷夏の年。

加えてメルローは他の赤葡萄品種より収穫時期が早い。

オリーブオイルに関しては、
この年に搾った油は辛味と苦味成分が少なく、
マイルドな仕上がりとなり、
日本のお客様には喜ばれたけどシエナ人は物足りなさを味わった年だった。

そんな2014年ヴィンテージでも、
ポテンシャルの強いデジデリオ。

デジデリオとは欲望という意味を持つ。

〈どんな年でも、あなたの期待を保証し続けます〉

という企業努力が込められたワインなのかな?

世界には沢山のワイン愛好家がいて、ワインの好みも様々だ。

DESIDERIO(デジデリオ)2014の生産本数は31,260本。

この手のワインは、名の知れたインポータを通じて
世界で販売されている。

対して自然と共存した結果からなる自然派ワインは
生産本数が少なく、年によって出来が違ってくる。

カバンに例えると、ブランドを好む人には、
ステイタスを感じてもらえるようなメッセージの訴求が大事だけど、職人が手掛けるカバンの場合、全く違う点を訴求していかなければ、お客様に伝わらない。

同じ品種のワインを試飲し続けると感覚が鈍るように、
小さな作り手のワインを扱いたいからと言って、小さな作り手の試飲会ばかりだと感覚が鈍るかも。

今回、大手のワインの試飲会を通じて、
色々な事に気付かされる今日この頃です。

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胸キュン気分で酔ってみませんか?

帰りのバスの中、ヘッドホンをして邦楽を聞いた。
ユーミンの「ホリデー・イン・アカプルコ」が流れると、
決まって胸がキュンとなる。

この曲を初めて聞いたのは、社会人になる前。
バイト先で知り合った憧れの男性とドライブした時の事。

黒いタンクトップとジーンズ姿の彼は口数が少なくて、
歩き方やタバコを吸う仕草、ちょっと冷たい視線がカッコよかった。

ある日、ドライブに誘われ、御崎口に行ったのは覚えているけど、
何を話したのか、さっぱりと覚えていない。

でも、強烈に覚えているのは、
千葉の実家に送ってもらい、車を降りようとしたその時、
突然、車のシートがガクッと倒れて、
一瞬にうちに口づけされた事。

その時に流れていた曲が、ユーミンの「ホリデー・イン・アカプルコ」

あの頃は、片岡義男の世界とかも流行っていたな。

トレンディードラマのワンシーンを演じるように、
誰もがカッコつけたがっていたあの頃。

あれからもう30年が経っちゃった・・・・

皆さんは、どんなキスの思い出がありますか?

私が若い頃に聞いていた邦楽をいくつかアップします。

皆さんはどんな曲を聴くと、胸キュンになりますか?

当時の思い出ををつまみにお酒を飲むのもいいですね・・・




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2018年1月31日 (水)

大人の珈琲

コープで買い物を済ませ、バス停に到着。
待ち時間が15分ある。
家に到着したら買った素材を一気に調理し、
冷凍庫に保存しようと決めていた。

そんな作業に突入する前、ちょっと遊び心を挟みたくなって、バス停の傍にあるバールに入った。

「発泡酒? ワイン? 
それとも珈琲にしておこうかな・・・
そうだ!カフェ・コレットにしよう」

紅茶に少量のブランデーを入れる
「ティ・ロワイヤル」があるように、イタリアには
珈琲(エスプレッソ)に少量の蒸留酒を入れて飲む
「カフェ・コレット」がある。

入れるお酒は御客が決めるが、
大抵はグラッパかサンブーカ。

私はサンブーカを指定した。

普段は砂糖を入れないけど、
今回は砂糖を入れて嗜んだ。

一気に飲み干すと、
サンブーカの持つ甘草の爽快な香りが口中に残り、
珈琲が隠し味的な役目になっているのが面白い。

イタリアではどのバールでも2ユーロ程で味わえるカフェ・コレット。

日本のお店では見当たらないかもしれませんが、
ご自宅にて、エスプレッソにブランデーを垂らすなど大人の珈琲タイムを楽しまれてはいかがでしょう?!

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